エピソード 黒田くん 2
洗濯をしていたら
黒田くんと出会った
そんな下女のようなことをして辛くないのか
う〜んもっと寝たい代わって欲しいなぁと思う日もあるけど
でも、、以前より自由になった
自由?
誰かにしてもらうって不自由じゃない
料理とか作ってもらうの待つとか
自分で作れたら自分の好きな時間に自分の好きな分自分の好きな味付けで食べれるでしょ
洗濯も自分でするから気兼ねなく汚せるし
自由、、、
あ、そうだ!台所にお野菜持っていかなきゃいけないの
手伝って!
野菜?
キャベツ。大きいから重いの
黒田くんがキャベツの入ったカゴを持って一緒に台所に来てくれた
ありがとう。そこでちょっと待っててね
キャベツ一枚剥いで洗って刻んで
出汁で溶いた小麦粉中に入れて焼く
色々足りないけどぷちモンジャ焼き
お箸でくるりと巻いて渡す
はいどうぞ
え
美味しいよ
怪訝そうに眺めていたけど食べてくれた
美味しいでしょ 庶民のオヤツだよ
ああ、初めて食べた。美味しいものだな
作り方を覚えるって羽根がひとつづつ生えていく感じ
たくさん集まると自由に飛べる気がするの
そうだな、、、
私の生活にはしきたり、決まりが多い、、、
母を喜ばせるために
偉くなろうともがいていたが
より狭い鳥籠に入るのを兄弟たちで競い合っていたのかもしれない
こういう生き方もあるのだな
またここに来てもいいか
ぜひ。今度は弟さんも一緒に
そうか。ありがとう。