エピソード 黒田くん
体力をつけなきゃということで
考えたのが雑巾掛け
柔道漫画とかで足腰鍛えるのに
長い廊下を雑巾掛けしてるよね!
よし、やるぞ!
ここには丁度いい廊下があるじゃないか!
ということで
水の入ったバケツを持って
寮の廊下に
よいしょよいしょと運んでいたら
前から黒田くんが、、
平民大嫌い黒田くん
平民で女子の私なんてめっちゃ嫌われているに違いない
逃げなきゃ
でも、どこも脇道がない、、
とりあえず隅によってやり過ごそう
そう思って隅で固まってた
黒田くんがきた
はやく通り過ぎてと思ってたら
え?
バケツ持ってくれた?
「どこに運ぶ?この先でいいのか」
「はい」
混乱しならがこたえる
え?何?なんで?優しい!?
「お前の母親は平民か」
突然質問された
「はい」
「そうか」
父も母も私も一般市民だよ
「捨てられたのか」
「え?」
そこで気がついた
そういえば紀伊くんが言ってた
私は上流階級に見えるって
多分黒田くんは、自分と私を重ねているのかも
どう答えたらいいのか悩んで黙っていたら
「すまなかった」
廊下の端に着いた紀伊くんは
バケツを置いて去っていった
雑巾を掛けながら黒田くんのことを
考えていた
黒田くんは自分のこと親から捨てられたって
思っているのかな