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13、気にしてるので負け

シエラが起きた時、マーチの腕の中だった。


「………………デルしゃま、が、よかったでち」


デルが良かったが、温かくて心地良かったとは言わないでおく。


「あっ起きた!デルさん!起きましたよ!」


シエラをあまり動かさないようにしていたので、デルが警護をしていた。もしデルに何か起きた時、すぐにシエラとマーチだけでも逃げられるように、と、マーチがシエラを抱えていたのだ。まだダンジョンの中だ。何が起こるかわからない。


「シエラちゃん、大丈夫?痛いところまだある?」


「シエラ、呼んだか?俺ならここにいるぞ」


「デルしゃま…ちえらは、ちえらは、しっぱい、ちたでち……」


「うん」


「せいじゅーなのに、ドクの1つもなおせない、おバカでち」


「うん、次頑張ろうな」


「ヘビいっぱい、怖かったでち」


「うん、俺も蛇は苦手だよ」


「えへへ、やっぱり同じでち」


「もう少しだけ寝ておけ」


「あい、でも」


「でも?」


「デルしゃまが抱っこしてほしいでち」


軽く尻尾が軽くピコピコしている


「ふふふっ、元気になってるみたいですね。これなら多少動いても大丈夫だと思います。さっきと同じで私がデルさんの先頭行けばデルさんにシエラちゃん抱っこしてもらって、出入口に戻りましょう」


「いいのか?」


「もちのロンです!」






シエラを()(かか)えダンジョンを立ち上がろうとしたら、髪がダンジョンの中の枝に引っ掛かる。


「いたっ」


岩場だと油断した。たまにしかない枝に引っ掛かるなんてついてないにも程がある。デルはイラッとしていた。


「あっまってください今取りますから動かないで!」


「くそ、邪魔だな、長いし切るか」


シエラを抱いてる反対の腕から短剣がチラリと見える。


「イヤーやめて切らないで!!」


ムダに大きい声で叫んでいる。あまり深く潜ってないからいいようなものの、基本ダンジョンで叫ぶとモンスターが寄ってくる。でも本気で髪を切るところだった。止めずには、いられない。


「あっ大声だして、すみません」


ハッと気づいて声を戻す。


「私がデルさんの髪の毛まとめてあげるので、切るのだけは勘弁してください、切るなんて許しません」


「そ、そうか」


「だってエルフっぽくなくなるじゃないですか!」


「エルフじゃないでちよ?ちえらはフェンリル、デルしゃまはブラックゆにコーンしゃんでち。」


「シエラ気にしたら負け、と言うやつだ。気にするな」


「まけ…?なんで、まけになるでち……」


「だが、改めて思う。長すぎる。封印される前はもっとこう、短かったんだ。」


手でジェスチャーしている。胸の辺りだ。今は足の太もも付近までだ。かなり伸びている。胸の辺りだろうと男性だと考えるとかなり長いが。


「デルさんがブラユニさんなのは百も承知してます!しかしですよ!見た目がせっかくそれっぽいのに、わざわざ変えなくてもいいと思うんです!似合ってるんだから!ね!似合うは正義です!」


「こいちゅはなにをいってるんでちか?」


「……」


デルはシエラを抱えながら、片手を顔の目の辺りに当てて呆れていた


マーチは話ながらデルの髪の毛を枝から取り終えていたのだがまだ掴んでいた。



「う…ぐ…髪を切らないと約束していただかないと⦅掴んでしまったら最後、勇者にならなくてはいけない宿命を追わされる、伝説のペンダントと剣⦆を無理やり触らせますよ」


「なんでそんなもん持ってるんだお前は!?怖いな」


「にゃんですかどうちてそんなのもってるでちか!すてるでち。ちゅくめいをおわしゃれるって呪いとおなじでしゅね」


髪を掴まれているのでデルはその場から逃げられない。シエラはデルに抱っこされているので動けなくはないがさっき抱いてもらったばかりで離れたくない。


「怖くないです!直接触らなければ大丈夫だからって特殊な布でぐるぐる巻きにされてる物体をお父さんに、“お前の便利な空間魔法にいれとけって。その辺にポンポン保管しとくほうが危ないから”って渡されてるだけです」


デルは聞けば聞くほどこの親子は一体なんなんだと、言いたくなる。父親にはあったことないが、マーチが冒険者ギルドに呼ばれた時に見れば良かった。と思うほどに。まあ、見に行こうがギルドマスターには基本的にほとんどの人が会えないのだが。


「わからなくはないが、娘に託すなよ」


(で、それと、菓子が混在してるとか、凄いな)

混沌(カオス)である


「くうかんまほうってなんでち?」


「後で教えるな」


「髪を切らないと約束してくれるだけでいいんです。エルフっぽく無くならなければ私はハッピーなのです……」


「わかったわかった…切らないよ。邪魔に感じたから切ると言っただけで、邪魔にならないように髪をまとめてくれるなら、別に長かろうが、どっちでも構わん」


「デルしゃまは、あまいでち」


「ありがとうございます。さっそくやりますね!」


「えっいや、まずダンジョンから出ないか?」


「ハッそうでした」


「ダメダメでしゅね」


真っ白いフェンリルはタメ息をハフゥとつきながら、そう言った。


マーチは出てからデルの髪型をどうしようかとあーでもないこーでもない、と独り言をブツブツ言いながら、進んで先頭になっていた


「なんであんなのといっしょにいるんでちか?」


「そんな目で見ないであげてくれ。悪いヤツではないんだよ」




お読み頂きありがとうございます。もしよろしければ評価お願いします




■勝手に質問コーナー■

Q夢はなに?


シエラ「ゆめは、デルしゃまのおよめしゃん!ゆずりましぇん!」


マーチ「エルフ様の国のエルフの里に行ってエルフ様に会うことです!」


デル「あのロリコンユニコーンと封印したヤツかその子孫をボコボコにしてやりたい」


シエラ・マーチ「「!?!?」」


デル「ウソだ。実は特にないからテキトーにいってみた」



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