12、神様はイジワル
1日二話更新とか憧れます。その前に文字数が自分の決めた最低ライン毎回ギリギリなので、遠い夢物語です。今の三倍以上の長さで毎回二話とか更新が出来たら格好いいのになぁ。
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今回はシエラ視点回です。
なぜ、2人が確認した時、丸かったのか、が、このお話になります。2人とも気付いて居なかった、まさかのお話。
では本編の続きをどうぞ
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真っ暗な岩場の影に小さなフェンリルが丸まっていた。
「いたい、でち」
ズキンズキンとするけど、ちょっと休めば治るはず。そう思っていたのに、気付けば悪化している。子供の体に毒はまわるのが早いことをシエラは知らなかった。
「また、しっぱい、ちまちた」
いつもなにか失敗している気がする。何かなんて忘れてしまっているけど。
ジワリと目に涙が溜まり始める。
もしかしたら、このまま眠り続けてしまうかもしれない。そう思ったけれど、目を開けていることが困難になるのは想像よりも早く来ていた。
落ち着けると思って入った洞窟は、思っていた以上に暗かった。しかも苦手な蛇がうじゃうじゃいた。怖い。デル様も蛇は私ほどとは言わないが、得意ではなかったはずだ。こんな所来るんじゃなかった。
なぜ逃げたか。子供達に遊ばれるのも嫌だった。今までシエラはこの口のせいで友達を作らないようにしていたからだ。人間で言うもうじき6歳だけれど、このしゃべり方で2歳ぐらいに間違われるからだ。
家族?家族はあのフェンリル一族だ、小さくても自分で獲物を取れれば1人前になる。しゃべり方をとやかく言われるとわかっていて一緒には居ない。
ある時デル様に出会った。こんな口調でもバカにしない。居心地が良かった。デル様に合ってからこの舌 足らずを頑張って直そうとした時期もあったが、
その後にデル様が封印されてしまった。
また一匹になって寂しかった。
だから、デル様がまた現れたと感じた時はビックリしたが、嬉しかった。感じる気は以前よりかなり小さく感じたが問題なかった。シエラの感知能力は高い。嫌なことから逃げるために強化し続けたそれは、気の少ない人間のモノも感じとれる。
だから、見つけて会えた時は勢い余って地面にめり込んでしまった。凄い音が響いたし、顔も体も打ち付けたので痛かった。でも、顔を見られなくてよかったと思う。次会う時は笑顔と決めていたのだ。涙を堪える時間が取れたと思えば顔が少し痛いぐらい全然大丈夫。
そうは言っても、やはり涙が出そうになるのでデル様の胸に顔を擦り付けてしまったが。
だから嬉しかった反面、デル様の隣に感じていたモノが人間の女の子だと気付いた時とても嫌だった。50年ぶりだと言うのに、昨日別れたみたいに話してくるデル様にも悲しかった。封印されていたのだから、しょうがないとは思うけど、昔より淡白になったように感じた。
であれだ。乙女心が分かってない。
私は子供達に渡されてしまった。友達なんかいらない、デル様がいれば良かったのに、デル様は私に友達を考えていた?
しかも当の子供達は体は年相応に育っているようだが仔犬だと思って触っているにしては扱いが雑過ぎる。男の子というのはガキだ。いや、よく知らないけど。
友達なんていなかったのだから知らない、けどそういうものだと、言っていた気がする。
痛かった。触りかたもだけど、心が痛い。
デル様に私はいらなかった?
会いに来なければ良かった
バカと叫んだ。言った事に後悔はしていない。後悔するとすれば、最初に考えた通りこの洞窟に、入ってしまったことだ。なんとなくこっちに来てしまったがデル様があの女の子と追いかけて来ていたから、少し自棄になって走り続けた。あの女の子が叫んだから、むしろ入った。
一度1人になれば落ち着ける。そう思っていたのに、まさかこんなに怖い所だったなんて。蛇、蛇、蛇……。
私のほうがバカだ。バカバカバカ。
デル様の場所は分かるけど、バカと言ってしまった手前出づらいし、入ってきた所は人間がいっぱい居た。さっきはどうにかなったけど、次は捕まるかもしれない。
うろうろしては近づいて、うろうろしては遠ざかる。
階段をみつけたから降りたのがいけなかったのか………降りてすぐにいた蛇に足をやられた。やった蛇はすぐに始末したから大丈夫。でもやられた足がとても痛い。痛い、痛い、デル様……
シエラは足が痛くて動けません
「ちえら、あし、いたいでち」
ズクンズクンと噛まれた足が熱を持つ。デル様から逃げたのに、デル様に会いたい。デル様。デルさま……
真っ白くて小さいフェンリルはさらに小さく丸くなる。
「シエラ!?」
「シエラちゃん?!」
「生気が……」
「毒蛇に噛まれたんでしょう。早く手当てしないと」
声は聞こえるけど、目が開かない。でも溜まった涙が伝っていくのは感じる。
ブゥンと音がする
「毒消しポーションは持ってます。が、回復が………私、得意でなくて」
「俺が出来る。が、さっきと同じで強化を頼む。俺はシエラの方にかけたいから、お前は俺の背中に手を当ててもらえるか」
「わかりました。先に……シエラちゃん、足に少しポーションの痛みがくるけど我慢してね」
ジュッ、と音がした。
「んぐっ」
痛かったけど、その後に暖かい春の陽射しのようなものに包まれた感じがした。
「いきます!」
「やってくれ。シエラ、安心しろ治してやる」
「あい」
無意識の返事だった
「もう逃げるなよ」
「あい」
生まれてすぐの時の母親に頭を汚れをとるのに舐めてもらって幸せだった、夢を見た。そういえばあの女の子から似たような匂いがしてた気がする。やっぱりキライだ。
そのまま完全に意識を手放した。
お読みいただきありがとうございます。もしよろしければ評価などお願いいたします
更新時間は朝5時です。何故かというと、朝3時ぐらいまで何かと書き物していたりするので(仕事じゃないです)、ギリギリになっても更新できる時間だな、と。
お読みになる皆様は、朝起きてからでも読めるし、寝る前に色々読み始めると目ェ覚めることもあるしって色々考えてたら……そんなわけで朝5時更新と相成りました。(考えすぎ?)
何かをかくのが好きなので書き物の仕事がほしい…今のところ趣味です。もっと色々上手くなりたいです。とりあえず描く書くかく。φ(..)