プロローグ
せわしくせみがなく、7月の午前7時30分。
照りつける太陽が、ちりちりとアスファルトをこがしつづける。
そんな中、とある四人組が学生で賑わっている通学路を歩いていた。
「あ〜...くそあち...」パタパタと制服をあおぎながら古寺時雨はあついあついと文句を言う。
「はー...時雨兄さんがとっても暑くて、文句を言いたくなるのは、わかるけど僕だって暑いんだから、いちいち言わないでよ...」時雨のことを見ながら古寺白兎は同じ様に服をあおぐ。
「...2人共...うるさい...2人だけじゃなくて...私達も...暑いんだから...」時雨と白兎のやりとりを見ていた古寺綾理は面倒くさそうに反論する。
「あははは...でもたしかに、すごい暑いよね...」苦笑いしながら、古寺詩音は3人の後ろを歩く。
唸る様な暑さに4人は少し目眩もおぼえる。
何も変わらない。
いつもの日常。
だが終わりはやってくる
4人が学校の前の交差点に差し掛かった時
キィイイイイイイィィイ!!!!
大きな音があたり一面に鳴り響き、なにかがぶつかる。
ドンッ
にぶい音が聞こえ、地面から足が離れる。
次の瞬間、耐え難い激痛がやってくる。
声も出せないほどの痛みが体じゅうに広がっていき、だんだん意識が薄れていく中、4人は理解する
「ひかれた」
のだと。
キャー!というこえをひきがねに通学路は阿鼻叫喚とかす。
慌てて出てくるトラックの運転手
集まる野次馬
駆けつける大人達
そんな光景を見ていたが、重くなっていく瞼にさからえず、目を閉じる。
「これで」
声が聞こえた様な気がしたが4人にはそれが誰のものなのか考えるよりも先に意識が遠のいて行く。
そして、4人は完全に気を失った。