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52 次の物語へ。

姉と弟の物語。完結。

「さ、さっきはごめんなさい。やはり私に料理は向いていないのかしら…」


「うん、そうだと思う。」


俺は真面目な顔で姉にそう応えた。

それにしても…


「なぁ、姉さん。俺さ、何か大切なことを忘れた気がするんだ。忘れちゃいけないことな気がするんだけど、どうしても思い出せない。」


そう、どうしても何か忘れてはいけない何かを…


「そっか。」


姉はその一言だけ返した。

姉の表情はとても穏やかな顔だ。


「ねぇ、竜ニ、ちょっとだけ不思議な話をしてもいい?」


姉は穏やかな表情のまま口を開いた。


「…うん。」


「あのね、竜ニが、死んだ竜一お兄ちゃんに見えたの。」


姉は、何を言っているのであろうか。

僕はポカンとしてしまった。


「…竜一お兄ちゃんって、俺が生まれる前に死んだ兄さんのこと…?」


「うん、トラックから助けてくれた竜二が…竜一お兄ちゃんに見えたの。また私は…竜一お兄ちゃんに助けてもらっちゃったのかと思っちゃった。」


姉は不思議なことを言う。ほんと、不思議だ。


「…ははっ。何バカなこと言ってるんだよ。俺は…俺は生きてる、有園竜二なんだよ。俺は死んでない。だから、『桜を守れるんだよ。』」


「…!」


「…?何か俺、変なこと言った?」


「ううん!なんでもないよ!ありがとう。」


これはツインテールが好きなだけだった俺が、ツインテールじゃない桜のことを好きになる物語。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ねぇ、主。なんかめっちゃ平和。」


とある家の屋根の上から、向かいの家の窓に映ってる姉弟を見ている主に向かってそう言った。

だって、私の知ってる世界と全然違う。


「うん、そうだね。」


主はなぜかわからないけど、とても穏やかな表情でそう応えた。

そして続けて主は言葉を紡ぐ。


「さぁ、行こうか、L。」


「もういいの?」


主、なんかいつもと違う。

そわそわした感じ。


「うん。大丈夫だよ。」


主はくるっと後ろを向きながら、そう応えた。

あと、ぼそっとこう言ったんだ。


「この世界では幸せになるんだよ。ルーガ。」




ツインテールは好きだけど姉のことは好きではない!…はずだった 完

次の物語へ意外と早く出会えるかもしれない。


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