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26 復讐。

 「中学2年生のみなさんには少し早いかもしれませんが、お知らせがあります。」


 桜が通っている高校へ潜入してから、約1週間が経った。その間に桜をいじめていたやつをどうやって復讐しようかと考えていたのだが、なかなか思いつかなかった。


 「約2週間後の日曜日に、ある高校で中学生を対象としたイベントが行われます。高校の様子を知ることができる機会ですので、是非行ってみてくださいね。」


 高校のイベントか…。あまり興味ないな。


 話を聞いても意味がないと思い、腕を枕にして寝ようとした。


 「ちなみに高校は…春城(はるしろ)高校ね。わりと近いので…」


 春城高校!!?


 一気に目が覚めて、ガタッとつい立ち上がってしまう。


 「有園君、急に立ち上がってどうしたの?」

 「先生!さっき春城高校って言いましたか!?」

 「えぇ、春城高校よ。興味があるの?」


 春城高校…俺の前世通っていた学校であり、桜が通っている高校だ。俺が通っていた頃には、イベントなんてなかった。

 …!良いことを思いついたぞ!


 「先生!俺、春城高校のそのイベント行きたいです!内容はどんな感じなんですか?」


 先生は手元にある紙を見ながら、丁寧に教えてくれた。


 「えっと、各クラスが出し物をするのね。春城高校が1つの行事でどれくらい盛り上がるか、というのを中学生に教えることが目的みたい。飲食や劇とかもあるから文化祭みたいなイベントよ。」


 なるほど。これは復讐の場に適しているな。

 そう思ったが、俺はある不安がよぎった。

 …『各クラス』が出し物をする?つまり桜のクラスも出し物をするということになる。桜はクラス全員にいじめられている。これは…桜にとって苦痛のイベントではないのか?


 「有園君?内容はこんな感じよ?」


 俺が急に黙り込んだので、先生がどうしたんだろうという表情をしながら声をかけてきた。


 「あ、何でもないです。ありがとうございました。」


 復讐するのはこのイベントで決まりだ。桜のことも考えないとな…。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 「竜二~お前、春城のイベントに行くのか~?一緒に行かねー?」


 山下が大声で俺に話をかけてきた。俺は桜をいじめたやつに復讐するから無理だ!なんて言えるわけがない。適当に断ろう。


 「あー、悪い。ちょっ…」

 「何を言っている!竜は私と行くのだ!」


 山下と話している途中で、雪奈が割り込んできた。いや、どっちにしろ断るんだけど…


 「あ、あのさ?話を…」

 「なんですって!?私だって竜二と行きたいわ!!りゅ、竜二と…!!」


 さらにそこへ春香が加わりもうわけがわからない。しかもなぜか春香は顔が赤くなっている。


 「話を聞いてくれー!!!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「はぁ。」


 自分のベッドへ倒れ込んだ。今日はとても疲れた。


 結局春城高校のイベントは、俺、山下、春香、雪奈で行くということに勝手になってしまった。

 それにしても厄介なことになったな…。あいつらがいるとめんどくさいな…


 「はぁ……」


 さっきよりも深いため息が漏れた。

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