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12 今日はいい日?それとも悪い日?

俺はベッドに横になって悶々としていた。


「なんなんだよ…春香のやつ…」


急にキスをされて明日からいったい俺はどうすればいいんだ…帰りの出来事を思い出すと顔が赤くなる。


しかし…帰りの出来事で衝撃的だったのはそれだけではない。姉のことである。姉は…公園でキスをしていたのだ。姉のツインテールしか俺は好きじゃないと思っていたがそういうわけではなかった。姉のことが性格など全てを含めて好きだったと気づいた。でも、そんな中での彼氏とのキス騒動。ショックを受けずにはいられない。


こんな感じで春香のことと姉のことを交互に思いだして考え込んでいた。お陰で夜ご飯のおかずは何も味がしなかった。


「もうこんな時間か。風呂に入らないと…よし、行くか…」


部屋の時計を見ると20時30分。家のルールで風呂の時間はみんな決まっているのでそれを逃すと次の日の朝にシャワーだけとなってしまう。最近はシャワーだけの日が多かったからさすがに風呂に入りたい。俺は起き上がり、風呂場へと歩きだした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「はぁー、やっぱりこういうときは湯船に浸かると気持ちいいな。」


思わず声が漏れてしまう。お湯が疲れた心身へと染み渡る。気持ちがよすぎてついうたた寝をしてしまった。




「きゃぁぁぁあぁあぁあ!!!!!」


叫び声で俺は目を覚ました。いったいなんなんだ。叫び声のする方へ顔を向けるとそこには驚きや怒りが入り交じった表情のタオル1枚だけの姉の姿があった。俺はとっさに目を逸らす。


「はぁ!?なんでここにいるの!?」

「それはこっちのセリフよ!!なんでまだお風呂に入ってるの!?信じられない!!この時間はいつも私が入る時間なのよ!!?」


いつの間にかそんな時間になってしまったようだ。それにしても今顔を合わせるのは正直きつい。


「それは失礼いたしました!さっさと出るから1回出ていってもらってもいいかな!?」


俺は早くこの状況をなんとかしたいと思って少しだけ怒り口調になってしまった。姉はそれが気に食わなかったらしい。


「なんなのよその言い方!ふざけないで!?あんたが全面的に悪…」


「パサッ…」


…ん?パサッ?何の音だ??姉の方に目線を向けると…


「なっ!!?」


タオルが姉の足元に落ちていた。つまり今の姉の姿は…


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああ!!!!!!!」


さっきよりも長くて高い叫び声が姉から発せられた。正直これに関しては俺は一切悪くない。断じて悪くない!!


「馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!信じられない!!あんたなんか最低よ!!」


姉は耳まで真っ赤にして風呂場から走って出ていった。


「はは、もう何が何やらだな。今日はいい日なのか悪い日なのかわかんねーな…。」


俺はそう一言呟いて湯船から出た。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


今日は厄日だ!絶対に厄日だ!!私は今日1日いいことは1つもなかった。公園で彼氏にキスを求められてその場のノリでキスをしてしまうし竜二には裸姿を見られたし。というか公園でキスってなんなの!?人いたのよ!!?恥ずかしすぎてずっと目を閉じてたわよ!そこに関しては許せないわ…!


もしも彼氏が今この場にいたらグーパンをしていたであろう。


「ドンドンッ」


扉をまるで太鼓のように叩くノック音がした。続いて声が聞こえた。


「おい、風呂から出たぞ!」


この声は…竜二だ。


「ねぇもうちょっと優しく扉をノックすることはできないの!?うるさいんだけど!?」


声を張り上げて言ったが竜二は返事をしなかった。


「なんなのよ…」


誰も返事をくれないことを理解しているけど口が勝手に発してしまう。


竜二とは2週間くらい前に大喧嘩をしてから今日までお互いに無視をしていた。そんなときにさっきの件…!気まずすぎるわよ…!なんであんなタイミングでタオルが落ちるの?!あのときの体の奥から熱くなる感覚を思い出すとなんとも言えない感情が溢れる。


「あーもう!今は何も考えない!!考えたくない!!お風呂よお風呂!」


無理矢理考えることをやめて私はお風呂に行くことにした。

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