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公爵令嬢は元おジョー様  作者: 松田絢愛
転生~0歳~
9/11

転生のトリセツ

更新少し遅れてしまいました

続きです

……あれから何事もなくシルカさんはアタシをルビーお母さんにそっと渡してそのままどこかに行ってしまった。


アタシにとってシルカさんはとっても謎な人に分類されたのは致し方がねぇだろ。


それはさておき、今のアタシをちょいと説明する。


あれから時間は過ぎていき、ご飯を食べ……じゃない、飲んだ(やっぱり赤ん坊だから)後、ぐっすりと夢の中に飛び立った。


そう、夢の中だだたはずなのにそこで何故かゆっくり目を覚ました。

なんでだ。寝たろアタシ。


ふと見ればアタシは紅璃(あかり)の姿でふわふわと空間に浮いていた。

うーんこれが夢ってなんかリアルっぽい。


試しに手をにぎにぎと握ったり広げたりしてみたらちゃんと感覚があった。


「お、動くじゃん」


ポツリと漏れたそれに改めて今が赤ん坊ではなく紅璃でいるのだと自覚する。

さて、と。ならやることは一つ。


「……さっさと出てこいよ、クソ神!!」


ケンカ吹っ掛けてやる。

どうせこれもあのエセ野郎の仕業に違いねぇし。


『クソ神って失礼じゃないですか? もう一度言いますよ?

私の名前はフェルナンデス・グロース……』

「うるせぇエセ野郎」


そんなことアタシは聞きたきゃねえっつの。


『……つゅべたい……』

「幼稚語喋んな、うざい」


アタシが一刀両断するように言葉を発すればエセ野郎、もとい、G様はいじけた様に座り込み人差し指で地面にひたすらのの字を書き始めた。

ああ、これはひたすらにめんどくさいパターンだ。


『せっかく、せっかく私が転生させたのに……。

元はと言えば私悪くないのに、悪いのは勝手にゲームして人の人生振り回しているあきっちが悪いのに……なんで僕が責められちゃうのおおおぉぉぉ!!?』

「……うっわぁ……」


もはや子供のように泣きじゃくるG様に若干引く。

見た目美形イケメンの姿でボロ泣きされるとなんかこっちが悪い気持ちになってくる。

……どうしろってんだよこれ。


「……ほら、泣くな泣くな。お前いい年してんだろ?

そんな子供見てぇに泣きわめくなよ……」

『ずびっ……だァってぇ……僕悪くないもん……』

「(一人称僕になってるぞ……)そうだな、お前も巻き込まれたんだよな? アタシが悪かったよ」


なんでアタシが謝ってんのかさっぱりだが、コイツを泣き止ませないと罪悪感バリバリだからとりあえずなだめること数10分。


「……落ち着いたか?」

『……はい。ありがとうございます、紅璃さん……いえ、今はルージュさんでしたね』


ズズっと鼻をかみながらもなんとか喋れるようにはなったようだ。

アタシの立ち位置が段々分からなくなってきてるのはこの際置いておいて、とりあえずやっと本題を口にしてみることにした。


「G様、ちょいと聞きたいことあるんだけどいいか?」

『ズッ……はい、なんでしょう?』

「なんで転生先が赤ん坊だったんだ?」


今一番聞きたいことを問いかければ一瞬きょとんとするG様。

しかしながらそんな顔してもやっぱり美形だなコイツ……今鼻赤いけど。


『そんなの、決まってるじゃないか』

「……決まってるってなんでだよ」

『転生ということは新しい人生を別人として歩むんですよ?

例えばいきなり大人の姿で気づいたら、きっと周りの皆さんビックリしますよ? なんせ性格が変わり、言葉遣いも変わり、オマケにこの世界にはない知識をちょっと言っただけで天才扱いされますよ……それ、しんどくないですか……?』


G様に説明されて思わず納得する。

確かに最初はテンション上がるかもしれんが、絶対飽きる。

それは断言出来る。 だってアタシ興味あることしか集中力もたねぇしな。


『そうでしょうともそうでしょうとも!

その分意識がちゃんとはっきりしてない頃にしていた方が紅璃さんにとっても都合がいいんですよ? 周りの環境がどうなっているとかしきたりとかマナーもしっかり身につけることができますしね』


ほうほう……確かにそう考えると赤ん坊からの方がいいのかもしれん……ん?

アタシがふむふむと納得しかけてた時に隣からものすごい視線を感じた。

見ればG様がキラキラとした目でアタシを見ている。


……これはあれか。

褒めて欲しいのか? よく喜んでいる姿を尻尾振ってる犬に例えられる事が多いけどこれは犬は犬でも……ゴールデンリトリバー見てぇに見える……じゃねぇや。

とりあえず戸惑いながら撫でてやれば嬉しそうに笑ってアタシに擦り寄ってきた。


……キャラ変わってんぞ。


『だって紅璃さんゴールデンリトリバーだって……』

「だから思考読むなっつうの!!」


危うく流されそうだった。 危ねぇ、あぶねぇ。


『いいじゃないですかー、私だって色々苦労してるんですからたまには労ってくださいよー』


もはやさっき泣いてたのが嘘みたいにいつもの調子でウザったらしい口調のG様。

神経図太いな。


『紅璃さん、一言多いですよ?』

「……だから読むなって」


まあ、それはさておき、とりあえず転生の経緯はよく分かった。

要は習うより慣れろ精神でこれからはルージュとして生きりゃいいんだろ。


『そういう事です! 今日はそれを伝えるのと様子を見たかったのですが何とかやっていけそうですね』

「まあな、それになんか困ったらG様来てくれんだろ?」

『もちろんです!』


ならたぶんなんとかなるだろ。

そう納得するとゆっくりと白い霧みたいなのが辺り一面に広がり始めた。


『そろそろ"ルージュさん"が目を覚まされるみたいですね』


そう言っているG様の姿が白い霧によって隠されていき、アタシの意識も段々と遠くなっていく。


『……あ、一つ言い忘れてたんですけどルージュさんの世界、魔物とかうようよしているんでうっかりとぱっくりされないようにしてくださいねっ……!!』


……え、なんつった? ……マモノ? ぱっくり?

気がつけばアタシは腹の底から叫んでいた。


「……そういうことは早く言ええぇぇぇぇ!!」


そしてアタシの意識はブラックアウトしていった。

ここで0歳編終わります

次からはルージュちゃんがちょっぴり大きくなります

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