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公爵令嬢は元おジョー様  作者: 松田絢愛
転生~0歳~
5/11

ルージュ=ラピスラズリ ・フィルティア

やっと転生しました

**********


ゆっくり目を開けたら目の前に広がる白いレースの掛かった屋根見てぇなもので覆われている。


……アタシ、ちゃんと転生できたのか……?


あたりを見渡そうとするがうまく首が回せない。

辛うじて横目で無理やり見た景色はどこもレースの生地が被っててよく見えねぇ。

分かんのは背中に感じるふわっふわの所に今アタシは寝ているくらいか?

うーん……これじゃアタシなんも出来ねぇじゃん。

鏡とか見てどんな姿なのか見てみてぇのに。


とりあえず動くことは諦めて話してみるか。

あいうえおと声を出そうとした時だった。


「ルージュ? 目が覚めたの?」


優しい女性の声がガチャりと聞こえたドアを開ける音と共に聞こえてきた。


……誰だ?


そう疑問に思っていたらふわりとレースが揺れるのが視界に入る。


「……やっぱり、目が覚めてた。おはよう、ルージュ」


人の気配が近づいてきたと思ってたらアタシの目の前に優しく微笑んでる女の人が現れた。

……なんつーか……超美人だな。最初に思った感想にしては結構失礼かも知んねぇけど率直な感想だ。


カワイイ系とも綺麗系のどちらも当てはまるけれど当てはまらない。

どう言ったらいいかな……まあそんじゃそこらのモデルとか比じゃないってくらい、ただただ美しい。美人……その言葉に尽きる。


……G様の美形度はこの人とは別枠だけどな。


色々と考えていればこの美人さんは何を思ったのかアタシに手を伸ばすとゆっくりと抱き上げた。


「ルージュちゃん。……やっぱり私とパパの子だからかわいい。ふふ、目はパパと同じ目ね」


……この美人さんがアタシのお母さんになるのか……?


確かにこの人のアタシを見る目は単純にかわいいと思っている目じゃなくてなんだか優しい。

抱き上げられて改めて見るとこの人……お母さん?は目は可愛らしいアーモンド型でパッチリ二重だ。

瞳の色は遠目じゃ黒っぽいとか思ってたけどよく見ると焦げ茶っぽい。

目とか顔立ちは日本人……アジア系な顔だな。

けど髪が金髪……までは行かねぇけど茶金系の色で毛先にかけてふんわりと緩くカールが掛かってて胸元辺りまである。


なんつーか……いい例えねぇかな……あ、なんか「帰ってきたよ! ボクの天使達!! 」……そうそう、天使みたいな……って?

今唐突におバカなセリフが聞こえた気がしたんだが……。


とかなんとか考えてたらいきなりお母さん?に抱き挙げられているアタシの背後からにゅきっとドアップな顔が現れた。


「まぁパパ、おかえりなさい」

「ただいま、ルビー。ただいま、ルージュ。ボクの愛しい天使達……会いたかったよ」

「私もよ、パパ」

「……ルビー!!」


……ちょ、苦しいんだけど!!

なんかいきなり芝居がかったようなやり取りのあと、パパと呼ばれた男の人がアタシを抱き上げているお母さん?ごと抱きしめてきた。


「ルビー……私の可愛い人」

「ふふ、私はパパをかっこいいと思ってるわ」

「ルビー……名前を呼んで?」

「……アラン、愛してるわ」

「ボクも愛してるよ、ルビー」


……何このバカップル。

聞いてるだけでなんか甘ったるすぎるんだけど。

だけど……たぶんこの2人が今世でのアタシの両親になる人……だよな?


なんか後藤紅璃(ごとうあかり)としての母さんはアタシが物心つく前には亡くなってたし、クソジジイは全くアタシに対して興味を持っていなかった。

もっぱら小さい頃のアタシの世話をしていたのはミキさん達後藤組の面々だ。

だからその……なんつーかこの状況、ムズ痒い。


とりあえずこのアタシが挟まれたままの両親(仮)の抱きしめ合うのいい加減にして欲しい。


「うぅうーー!! (苦しいっつーのー!!)……!?」


アタシ今……なんて言った?


「ああ! ごめんなさいルージュ!」

「ごめんな、苦しかったな?」


両親(仮)はアタシらしい叫び声に慌てたように揃って顔をのぞきこんでくるが正直アタシはそれどころではない。


「あぅーーい(話せない……)」


よく考えたらさっきお母さん(仮)の細腕で軽々と抱き上げられていた。

首もさっき回せなかったのはまさかまだ据わってないから?


「よしよーし、ルージュ。泣かなくていい子だね……よーしよーし」


色々考えている内に今度はお父さん(仮)に抱き上げられている。

そのあやし方はまさに小さい子供に対するそれだ。

……とするとだ、アタシ………。


「あぅあおぉぅーーー!! (赤ん坊かよーーー!!)」

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