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神坂景の消失

かなり短めです。異世界&主人公パートはありません。

「えっ、景がいなくなった?」


 その日の夜、家に帰った私は母親から衝撃の事実を聞かされた。いなくなるってそんな、子供の家出じゃあるまいし、大学生なんだから徹夜で遊んだりすふことだって無いわけじゃないでしょう。数時間連絡が取れなくなったくらいで心配しすぎなんじゃない?


「でもあの景君よ? 連絡はしっかりする筈じゃない?」


「ああ、確かにそれは気になる」


 景は昔から結構好き勝手に生きるタイプの人間だった。家が近所ということもあって、よく私は彼と一緒に遊んでいたのだけど、遊ぶ度に色々振り回されて大変だった。最近ではあまり一緒に遊ぶということもなくなったけれど、それでもたまにお互いの家に行って過ごすことはある。振り回されたりしても、なんだかんだで一緒にいることが楽しかったのだ。

 景は、高校時代まではよく学校をサボって電車で田舎に遠出したり、聞いたこともないような町の風景写真とかを撮りに行ったりしていたけど、それでも心配させないように連絡だけはしっかりする人だった。律儀に学校にも「旅をするので休みます」みたいな感じで連絡を入れていたから、先生達の間でも変わり者の生徒として有名だったみたいだ。それでいて留年しない程度には授業にも出席していたし、試験の成績もそれなりに良かったみたいだから強かな奴だと思う。

 そんな景のことだから、いきなりどこか遠くに出かけたりすること自体はいつも通りなので驚きはしない。でもこんな夜にまで連絡が無いというのは確かに変だった。例え携帯の充電が切れても予備のバッテリーで充電するか、歩き回って電話ボックスを探してまで連絡を入れてくるような人間だ。もしかして遂に衝動的に外国にでも行ってしまったのかな?


「何事も無いといいんだけど……」


 母親は少し心配性すぎていけない。景のことだし、多分元気でやっている筈だ。そこはあまり心配していない。

 けれど何だろう。胸騒ぎとでも言えばいいのか。もう簡単には会えないような気がして私は少し落ち着かなかった。



     ✳︎



 あれから一週間が経った。流石に一週間も音信不通というのは尋常じゃない。母も私も、そして何より神坂のおばさんも非常に心配していた。

 景には両親はいない。まだ景が小さい頃、事故で景を置いて先に天国へと旅立ってしまった。そんな景を引き取ったのが、景の叔母にあたる神坂のおばさんだ。神坂のおばさんは結婚していなくて子供がいないので、それこそ景を自分の子供のように可愛がっていた。景もそれは感じていたみたいだし、だからこそ好き勝手に生きながらも感謝は忘れず、心配だけはかけないようにしていたのだろう。

 そんな景からの連絡がもう一週間も無い。これがどれだけ異常なことか、はっきりわかるというものだ。

 私達は居ても立っても居られなくて、取り敢えず警察に連絡を入れた。警察の方も事情を真剣に聞いてくれて、早急に捜索を開始すると言ってくれた。私達に出来ることは、あとは祈るくらいだ。

 もし神様がいるのなら、景に強運を与えてやって欲しい。運さえあれば、景はきっと切り抜けてくれる。

 どうにか無事でありますように。そして、また会えますように。

 私はずっと、そう祈り続けていた。

また近いうち投稿したいですね……。

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