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玉鋼の錬金術師

ついにやりたかった錬金術の登場です。それにしても本当節操ないなこの主人公……

 ドームハウスに入った俺は、風呂の準備をする。日が暮れたらすぐに出発だから、寝る前に少しさっぱりしておきたい。ここ数日ずっとタオルで体を拭くだけの生活だったから、そろそろ風呂が恋しい。

 アデルにはリビングで寛いで貰っている。「私がやりますので景様はゆっくりしていて下さい」と言われたけど、この家は俺の家なので、主人が風呂を沸かすのは当然だと言って下がらせた。まあ、いつの日かアデルと一緒に暮らすようになったらその時はお願いするつもりだ。その時が楽しみだ……。


 それにしても異世界に来てから初めての雨だな。生まれ変わった俺にとっては、ある意味で人生初の雨と言えるかもしれない。

 ところで、日本は年中を通して多雨な気候だったけど、この国は一体どれくらい雨が降るんだろうな。景色を見る限り、木が無限に生えてるといった感じではないから日本ほどには降らないんだろうけど……。そこそこ緑も多いし、ヨーロッパと同じくらいは降るのかもしれない。少なくともサハラ砂漠とかアラビア半島よりかは降雨量は多そうだ。

 しかし、こう雨の度に移動が制限されるのも何だかな。日本でも雨の日は自転車を漕ぎたくはなかったし……。よし、雨でも楽に移動出来るように車、もとい馬車を作ろう。風呂の準備が終わった俺はリビングに戻りながらそう決めた。

 とはいえ、馬車と言えば馬が必要だ。馬の世話とか面倒だしな……。やっぱり、出来れば馬車に偽装した自動車みたいなものを作りたい。自動車は人類が発明した道具の中でもトップクラスに画期的なものだから、作るとなると相当大変だろうけど……。

 まあ、やると決めたからには完成までは持っていこう。クオリティは少しずつ改善していけばいい。

 さてと、そういえば物を作成する技能はまだ持ってなかったな。ちょうどいい。これをきっかけに作ってしまおう。


 俺は久々に始原の力を発動して、新たな技能を創造する。イメージするのは物質生成・変質・加工が出来る技能……。

 出来た。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前:神坂 景 (Kohsaka Akira)

年齢:19歳

性別:女(心は男)


体力:210/210

魔力:∞(魔力生成炉)

知力:145

身体:15

能力:始原の力

技能:火球、身体能力100倍、水生成、拠点製作、鑑定、無限収納、言語理解、マップ、魔力パス、錬金術(NEW)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 ふむ、「錬金術」という技能を獲得できたみたいだ。いいね、錬金術。両手を合わせて錬成したくなる。あの動作で錬成する妄想をしたことのある人間は絶対俺だけじゃない筈だ。あの作品に限らず、色々な作品で錬金術は主人公が使う能力として描かれている。錬金術はロマンだ!

 錬成する時の材料はその辺にあるものを加工するのでもいいし、地面から鉄を抽出したり岩を鉄に変えたりも出来る。何もないところから物質を生成することも不可能ではないみたいだけど、物凄い魔力を消費するみたいだ。まあ俺にとっては実質無制限みたいなもんだな。なんたって魔力が無限なんだ。何万トンもの金塊を作るのだって不可能ではないだろう。まあ流石にそこまでやると市場が混乱するからやらないけどね。とはいえせっかく作れるのに使わないのも変なので、いざとなったら市場が混乱しない範囲で金銀でも作って生活の足しにしよう。使えるものは使わなきゃな。

 さて、早速何か作ってみよう。まずは手取り早く簡単に作れるものがいい。そうだな、ナイフなんかが良さそうだ。

 今俺達は完全に丸腰状態なわけだし、魔物とかを倒しても解体するのにいつまでも素手でやるわけにもいかない。やはり短剣、ナイフ類は沢山常備しておいたほうが何かと便利だろう。

 というわけで早速外に出てやってみる。まだ雨が降っているので地面は若干ぬかるんでいるけど、まだ風呂に入る前だし気にしない。地面に手をついて「錬金術」を発動、土を鉄に変えるイメージで魔力を注ぎ込む。

 赤い光を発しながら、地面がだんだんと金属光沢を放つようになる。やがて光が収まると、地面の手をついていた部分を中心に十数センチが鉄に変わっていた。


「おおおおお……」


 そのままではただ鉄が地面に埋まってるだけなので、端っこを持って土の中から持ち上げる。かなり重いので少しだけ「身体能力100倍」を発動して持ち上げた。ガポッと取り出した鉄塊は、半球の形をしていた。結構な量を確保出来たみたいだ。これだけあればナイフ以外にも剣が作れそうだ。

 鉄塊からナイフ一本分くらいの材料を分離して、形を整える。その際に炭素を吹き込むのも忘れない。鉄は単体だと結構柔らかいからな。ある程度炭素を混ぜてあげて、丁度良い硬さになるまで鍛造してあげなければいけない。今回は錬金術で作っているので鍛造ではないけど、鋳造に比べたらよっぽど頑丈に出来ている筈だ。炭素の含有率も、「錬金術」の技能のお陰で目的毎に最適な割合が手に取るようにわかる。伝説の金属と言われた玉鋼だって再現可能だ。

 何気なく作ったこの「錬金術」の技能だけど、これ物凄いチートだな。


「よし、出来た!」


 俺は出来上がったナイフを手に取って眺める。我ながら良い出来だ。切れにくい筋なんかもスパスパと切れるに違いない。今の感覚はしっかりと覚えたので、ついでにもう2、3本量産してしまおう。


 ナイフを数本作った俺は、次に剣を作ることにした。剣の心得なんて、小学校の頃に近くの剣道場に通っていたくらいで全然強くもなんともないけど、無いよりはあったほうがそれっぽく見えるだろう。今は「身体能力100倍」もあるし、そもそも剣道は実戦向きの剣術とは言えないから経験があってもなくてもあんまり変わらない気がする。

 とは言っても俺の場合、最後は結局パワーでゴリ押しするような気がするけどな。まあ見た目は大事だ。なんたってここは剣と魔法のファンタジーな異世界。剣を持たないなんて天が許しても俺が許さないよ!

 ……浪漫を語るのはここまでにして、剣を作ろうかと思う。作るのは、最初だし直刀にしておこう。片刃の刀ではなくて、両刃の剣にしておこう。そっちのほうが作るのが簡単そうだし、何より日本刀のあの反りとか構造は今の段階ではまだ作れなさそうだ。あれはただの鉄の棒に見えて、相当奥が深いからな。素人が手を出しても碌な結果にはならないだろうから今回は見送らせていただこう。


 俺は余った鉄を使って剣を作る。炭素の含有率は先程のナイフとほとんど変わらない。変えるのは形と大きさだけだ。

 そうしてしばらく鉄を弄り回して、剣は完成した。


「おおおお……」


 鋭い刃が薄暗い森の中で鈍く光っている。斬れ味はとても良さそうだ。初めて作ったにしてはなかなかに良い出来だと思う。……試し斬りしてみるか。

 俺は近くに生えていた細めの木を見据えて、作ったばかりの剣を構える。剣の柄にはヴァルツィーレの街で買った布を巻きつけてあるので持つのに問題はない。


「……はっ!」


 ズバッ!といい音を立てて木が斜めに滑り落ちる。面白いくらい気持ちよく木を斬ることに成功した。


「こりゃ凄いや」


 初めて作った剣でこれなら、いずれ名剣と呼べるレベルの件も作れるかもな。生産チートもやってみたいと思っていたし、ちょうどいい。どうやら俺の「錬金術」の技能は、なかなかにレベルが高いらしい。


 さて、「錬金術」の技能の練習も終わったことだし、当初の予定通り自走馬車の製作に取り掛かるとしよう。

多分ダマスカス鋼なんかも再現可能です。

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