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第17話 対戦相手

今回は短めです。

 鳥羽竜司(りゅうじ)

 俺の双子の弟にしてこの学園のスクールカーストの頂点。

 いや、そんなレベルを超えた存在だ。

 誰もあいつには逆らえない。


 こいつこそ俺の最大最強の敵。


 やつに勝てば全てを覆せる。

 ここで、今ここで、決着をつける!


「うわああああああ!」


 そのとき、俺は強烈な頭痛に襲われた。

 倒れこみ、そのあたりをのたうちまわる。


「竜一、どうした?!」


「ダメだよ、兄さん。僕のことを殺そうとか考えちゃ」


 やはり、あいつには俺の思ってることが分かるのか?!



 どうすれば勝てるのか?

 あいつの能力さえ分かれば……。


 考えてみたが、思いつくのは1つ。

 アリアの蛇星鏡!

 あれなら跳ね返せるのではないか!


「アリア、あいつを! 俺にそっくりなあいつを! ぐわあああああ!」


 頭の痛みに加えて、胸までも苦しくなってくる。

 こんな状態ではアリアに戦うよう指示することもできない。


 今は戦うのを諦めるしかないのか。


「兄さん、ここに来てもらったのはこれから兄さんをどうするかを決めるためなんだ。

 とにかく落ち着いてほしいな」


「きっ、さま!!」


「竜一!」


 再び倒れかかった俺にアリアが肩を貸してくれた。


 ここで戦いをしかけるのはやはり無理だ。

 冷静になるしかない。


「そう、それでいいんだよ、兄さん」


 竜司のその声を聞くと、苦しみがおさまっていく。

 やはりこちらの心を読めるのだろう。

 どういう力が働いているのかよく分からない。

 今はどうにもならない。


「こっちに来て、兄さん」


 アリアに肩を借りながら竜司に近づく。

 そうしながら、アリアに耳元でささやく。


「あの俺にそっくりなのが、俺の双子の弟だ」


「確かに瓜二つだな」


「あいつがこの学園を牛耳っている。教師も含めて誰もあいつには勝てない。あいつが俺にとっての最大の復讐対象だ」

 

 アリアに竜司について話しつつ、用意された席につく。


「兄さん、とりあえずおめでとう!

 結界の力に目覚めたみたいだね。

 ‎この子を召喚したのか。

 ‎お名前はアリアさんだっけ。

 ‎よろしくね」


「ああ、よろしく……」


 にこやかに差し出された手をぎこちなく握り返すアリア。


「それから、兄さん、単刀直入に言うね。

 兄さんのランクを決めないといけない。

 いろんな検査を受けてもらうことになる。

 僕としてはそれでランクを決めてもいいんだけどね」


 そこで一旦切ると、顎をさすりながら竜司は続ける。


「おそらく、他の生徒が納得しないだろう。

 これまで、兄さんはここで最低辺の存在だったからね。

 そこでみんながすぐに納得する形をとろうと思う。

 ‎そう、結界戦さ」


 睨み付ける俺に竜司は微笑む。


「対戦相手は、彼女にしようかと思う」


 そう言って竜司が指差した先にはいたのは。


鬼灯(ほおずき)?!」


 思わず俺は声をあげる。

 特徴的な栗色の縦ロール、風紀委員長の鬼灯みなわだ。 


「私ですか?!」



「鬼灯さんは結界ランクA。

 彼女に勝てれば一気にAランクに昇進。

 ‎勝てなくても善戦すれば、BかCランクで全校生徒は納得すると思うんだ」


 竜司の説明を聞くと、いろいろとよく考えていることが分かる。


 物事をあっさり決めるには都合がよく、俺も生徒も納得する条件だ。




 






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