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奇跡と魔術

うーん、今回はなんか微妙な感じです…。

この先の展開は考えてあるんですけどね…

「【奇跡】は、簡単に言えば神の御力です。私達聖職の者は、その信仰が深ければ深いほど、神との繋がりが強まり、結果、神の御力の一端をお借りすることが出来るのです。」

「神様の力ぁ?」

 

眉唾な話だ。

 

「む…信じておられませんね?」

「いやいや、そうじゃないんだけどさ…」

「奇跡の効力は多岐に渡ります。傷を癒す、毒を取り除く、他にも死せる者達の魂を浄化する、等々…一般的には、遠い昔に描かれた神話を読み解き、嘗て行われたとされる神の偉業を常世に再現する事から【奇跡】と呼ばれております。」

「ほうほう。」

「しかしリスクもあります。人の身で神の力を受けるのには限度があり、一日に使える回数が決まっているのが、【魔術】との大きな違いです。また詠唱にもかなりの時間を要するので、私のような聖職者は基本的になにがしかのパーティーに参加し、援護を優先的に行うのです。」


何となくわかってきたぞ…つまり奇跡は、『時間が掛かり回数も制限されているけれど、その分効果が強い。』って事か。

 

「次は【魔術】です。」

 

傷口に練り薬が塗り込まれた。

 

「し、染みる…」

「我慢してくださいまし。……【魔術】は、神の御力に頼らず、人が自らの魔力を糧に発動するものです。奇跡のように物語を読み解くのではなく、自らの体に彫り込んだ【魔術刻印】を介して強制的に何らかの事象を発現させます。」

「えっと…じゃあ何で【天神教】を進行している人が多いんだ?」

「それはですね…魔術の開祖、魔術というモノの礎を築き上げた古代の王、すなわち『ロモス王』の信仰していた神こそが【天神様】だったのです。…と、私が知っていることと言えばこれくらいです…専門では有りませんので。」

「へー…にしても凄い博学だな。」

「幼い頃から英才教育を受けていましたから…はっ!!わ、私の事は良いですわ。それよりここを抜け出すことを考えませんと…」

「そっか。」

 

あまり深く突っ込まない方が良いのかもしれないな…。

 

「お話はこんなところですね。」

「おう、ありがとう。」

 

包帯を代えたので、再び防具を着込んだ。

冒険者の回復力は相当高いらしく、そこまで時間が経っていると言う訳でもないのに折れた骨は繋がり、深い傷以外はほぼ塞がっていた。

 

顔も大きな跡が残らず、すっかりくっついている。

 

「それにしても、クリス様のお体は、物凄い速さで回復なさっていますね。」

「え?普通はこんなもんじゃないのか?」

「私はクリス様より長いこと冒険者稼業をしていますが…傷の回復がそこまで速い方は目にしたことがございませんわ。……もしかしたら、冒険者が稀に持つと言う【スキル】なのかも知れませんね。」

「スキル…そう言うのもあるか…」

 

じゃあ、あの一瞬だけ世界がゆっくりになったのも、俺の【スキル】の効果かも知れないな…

 

俺は剣を背負い直すと、カティーに手を引かれて歩き出した。

 

○○○○○○ 


「目が見えないってのは…中々不自由なもんだな…」

「…足元、お気をつけくださいまし。あまり足場は良くないようです。」

 

…ちょっと反応しづらい事を言ってしまったか…


正直目が見辛いことはあまり気にしていないので、そこまで気負われると結構気まずいんだよな…


案外音とか匂いとかで分かるもんなんだよな…

 

魔物に遭遇することもなく数十分ほど歩き続けると、急に段差の多い場所が近づいてきたらしい。

 

「階段が見えてきました。」

「ああ、ありがとう。」

 

俺は階段に足が掛かったのを確認すると、ゆっくりと足を踏み出した。

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