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目覚めると…?

「おいさっさと起きろ」「おきろ」「さっさとしろや」「おきろ クズ」

『うっ…』

色々な罵声を浴びて目を覚ますと、オレは石と砂ばかりの荒野にいた。

『あれ…?オレ確か死んだよな…?』

「ドンマイ」「死んだからこの世界に転生したんだよ」「そう、転生したの」「気にすんな」


声がする方を見ると、宙に浮いた丸い機械のロボットが幾つもの人間の声で喋っている。

(なにコレ…?)

『えっ、お前だれ?』と尋ねると

「オレはオレ」「おれだ」「よう」「わたしです」「視聴者だよ」

と色々な返事が返ってくる。


『………』


全てが意味不明だったが、それでもオレは何となく想像した。

あっ、多分これドッキリじゃね?事故って目を覚ますところをネットか何かで放送してるんだろうと踏んだ。だから直感で思ったことを聞いてみた。


『これ、今なにか配信とかしてるんですか?もしくはドッキリとか』

「ドッキリじゃないんだよな~」「おしい!」「配信っちゃ配信だろ」「ある意味ドッキリ」


『………』

じゃあ何なんだよ…全然現状が理解できない。


『あの、すみません。もう一回聞くけど、やっぱりオレ死んだんですか?』

「ばっちりね」「うん」「残念ながら」「そう」「うん」「死んで転生したんだよ」



『転生?』

「転生?って?」「だから死んだから転生したんだよココに」「現実世界で死んだ ここは異世界」「うん しかも最強OP設定で」「ゲームのキャラで転生してるよ」


返事は色々返ってくるが、正直話が全然前に進まない気がした。

そもそも今のオレ自身が話を受け入れる状態じゃなかった。

転生したって言われてもよく分からん。しかもゲームって…いっそのこと天国と一言だけ言ってくれた方がまだ楽だ。


そんな感じてテキトーなことを質問しつつ、ぼーっとふけっていたら

「取りあえず歩け」「まず移動しよう」「移動しながら質問しろ」「ここにいても何も始まらない」「さっさと暴れようぜ」「西いけ西」「こっちこっち」

とか言われたから、取りあえず言われた通り歩きながら色々と質問してみた。


まず、ここが異世界だというのは間違いないようだ。

今荒地を1人で歩いているが、足から伝わる感触や風の感触はどう考えても本物だ。


…本当に死んだのか…親方や仕事仲間に申し訳ない。納期ギリギリで焦りが招いた事故だったと思う。無事に仕事が完工してくれてることを願うばかりだ…無事じゃないけど。


話を聞いて分かったことを頭の中で色々とまとめてみる。

オレは死んだ後、とあるゲームのキャラとしてこの異世界に転生した。LOEとか言ったっけ…何のゲームかは知らん。オレのキャラは最強らしい。この世界には他の様々なゲームから転生してきた人が集まっているらしいが、その中でも最高峰とのこと。


オレに色々話を聞かせてくれる超多重人格障害のようなこのロボットには、これまで他の異世界を攻略した人達の魂が入っている。多数の人物が喋るから、一つの質問に対して何通りもの回答を出してくる。ハッキリ言ってうるさい。


このロボットの存在や声は、オレ以外の生命体には認識することが出来ない。


それで、オレが転生することになった経緯についてだが…

とある世界を支配し尽くした奴が自分の世界に飽き飽きした為、楽しみを求めて自分とその力を別の世界に転送させたことが事の発端らしい。それから幾つかのアイデアを得て、前攻略者の魂を集めるロボットが作られた。


初期の頃は前攻略者の力を全て引き継ぐ設定だったようだが、それだと力を受け継いだ人が短期間で全世界を支配してしまう、という事が度々起こった為趣向を変えて、ゲームキャラの強さを引き継がせるというアイデアに収束したらしい。


要は、転生した奴が世界を攻略するまでの間、皆でその様子を見ながら楽しもう、って訳だ。


『なあ、オレのキャラってそんな簡単に世界支配出来るくらい最強なの?』

「昔と比べたら難しくなった」「まだまだ簡単だろ」「イケるイケる」「オレだったら一か月もかからん」「まずゲームシステムが最強だしね」「スキルリンク出来るからなw」


スキルリンク…?専門用語分からんわ。でもまあ、かなり強いらしい。


『オッケ』


…あれだな。つまり第二の人生を満喫しろってことなんだろう。

そう考えると徐々にこの世界での人生が楽しくなりそうな気がした。

もしもオレが世界最強だったら…という子供の頃の夢が叶った気分でワクワクしてくる。



本当に最強だったらの話だが…


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