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灰色の黒龍の碧  作者: 生木
0歳(17歳)編
6/21

城の探索

「こちらがお嬢様のお部屋になります」


メイドさんが僕を連れて部屋に入る

狼もついて入ってくる


予想はしていたがやっぱり広い

面積的には高校の教室一つ分くらいだろうか

ベッド、タンス、机など必要なものは大体揃っているようだ

ベッドには当たり前のようにレースのカーテンが付けられていて、部屋は全体的にピンク色で統一されている

そして、僕に使えるようになのか、全体的に小さい

いかにもお嬢様といったような部屋だ

森で拾ってきた子供に与えるには不釣合いすぎる


ちなみに狼はあの部屋から出たら扉の前で座って待っていた

メイドさんたちに体を洗われたのか、もともと綺麗な銀の体毛がさらに輝いて見えた

が、本人は嫌なのか、若干不機嫌になっている


一通り見回した後、どうしたものかと思い、メイドさんを見つめる

メイドさんはフッ、と笑みを浮かべて言う


「申し遅れました。私、アオイお嬢様の専属メイドとなります、ヴェラと申します」


と、ヴェラさんが頭を下げる

つられて僕も頭を下げる


「食事はまでまだ時間がありますので、ご自由にお過ごしください。その他何か御用がございましたら、なんなりとお申し付けください」


申し付けるどころか喋れねぇよ

喋るって結構高度な事だったんだな

この姿になって単語すら発音出来なくなってからわかった


いまさらだが、なんでこの人達はこんな当たり前のように僕に話しかけるのだろうか?

見た目は3~4歳だが、実際は生まれたばかりなんだ

言葉など普通は分からないはずだ

なぜかこの世界は日本語が流通しているから言葉はわかるが、これが異世界らしく知らない言語だったら最初のカミラさんの言葉すら分からずいまだ森にいたかもしれないのだ



………まぁ考えていても仕方ない

いずれは言葉も話せるようになるだろうし、その時にまた聞けばいいか

文字の勉強もすれば、意思疎通はわりと簡単にできるかもしれないしな


………いずれ話さるようになるよな?

ドラゴンだから話せないとかじゃないよな?




さて、食事までまだ時間があるらしいがなにをしようか

今何時かは分からないが外を見る限りまだ少し日が傾いているくらいだ

まだまだ時間がかかるだろう


とりあえずベッドに寝転がってみる

今まで感じたことのない柔らかさだった

めちゃくちゃいい匂いがするし


だが、まだ眠たくはないので寝れない

食事まで寝ることができたら楽だと思ったんだけどな………



狼をは部屋に入った瞬間にの端っこにいって丸くなって寝ていた


このやろう、早速くつろぎやがって

僕はまだ殆ど知らない家で緊張しているというのに



それにしても暇だな

部屋の中には最低限の家具はおいてあるが、娯楽のような物や暇つぶしになるものはない


ヴェラさんは暇じゃないんだろうかとチラッと見ると、身動きせずにこちらを見ていた


う〜ん、見た目的に目が話せないのはわかるけどそこまでがん見しなくも………

結構やりづらいんだが………



よし、この部屋にいてもやることもないし、少しこの城を探索するか

かなり広かったから暇潰しにはなるだろう

みんながどうやって過ごしているかも知りたいし


ベッドから飛び降りて扉の前のヴェラさんのところへ行く


「どうされました?」

「ん」


扉の方を指さして外に出たいということを伝える


「お外に行きたいんですか?」


コクン、と頷く


ヴェラさんは一瞬困った顔をしたが、すぐに戻って僕に微笑みかけてくる


「わかりました。ただ、お夕飯の時間になったらすぐに戻ってきますからね?」


また、コクン、と頷く


「では、どうぞ」


と言って、扉を開ける

僕はそれに従って部屋から出る


さて、どこにいこうか



♢♦♢♦♢



うん、迷った


思っていたよりも広いわこの城

しかも同じ景色ばっかだからわかりづらい

新宿駅並だわこれ



階段は登ってないから大体覚えとけば簡単に帰れるとおもったんだけどなぁ………


まぁヴェラさんも着いてきてるから最悪聞けば帰れるからいいか

もう少し進んでみよ



う〜ん、この辺もう三回くらい来てる気がする


「ん?だれ?この子」


と、声が聞こえる


ん?どこだ?声は聞こえるが姿が見えない


「ここだよ、ここ。上」


キョロキョロしてるとまた声が聞こえた

上?


と、上を見上げる


「ひっ!?」


巨大な蜘蛛がいた

黒と黄色の縞模様で大きさは狼くらいある

口がカタカタと動いていてヨダレのように糸が垂れていた


「そんなに驚くことないじゃない、君も魔物でしょ?」


といいながら降りてくる

降りながら体の形が変わって人型になっていって、足がつく頃には金髪を肩まで垂らした人間になる

ヴェラさんよりも少し年上だろうか、20代位に見える


「こっちの方が話しやすいかな?私はこの城の料理長のオルガ。君はどなたかな?小さなお客人?」

「アオイ様は客人ではありませんよ」


僕が困っているとヴェラさんが助け舟を出す


「おお、ヴェラいたのか」

「ずっといましたが?」


ヴェラさんが少しムッとして言い返す


「アオイ様はカミラ様とカルマ様の新たな妹様です。表向きは使用人ですけどね」

「と言うことは紅さんの娘さんか、もう生まれてたんだね」


紅?

僕のこっちでの母親の名前だろうか


「ええ、そしてこのことは今日の夕食を一人分増やすこととともに厨房の方にも伝えてあるはずですが 」


ヴェラさんがオルガさんに近づく

オルガさんはあからさまにしまったという顔をして後ろに下がる


「こんなところで何をしているのですか?」

「いや、ちょっと休憩をね?」

「食事時にしか仕事がないのに食事時に休みがあるのですか?」

「息抜きは必要だと思うよ?」

「年中息抜き中の人が何を言っているのですか?」


ヴェラさんがさらに詰め寄る


「さあ、厨房に戻って仕事をしてください」

「嫌だね!!」


そう言ってオルガさんは逃げ出した

帰り際にまた蜘蛛の姿になって行ったので非常に気持ち悪い


「全く………」


ヴェラさんが困ったようにため息をつく

が、すぐに戻ってこちらを向く


「では、帰りが分からないのであれば先導いたしますよ?」


あ、バレてた



♢♦♢♦♢



「さあ、私たちが腕によりをかけて作った料理だ、たくさん食べてね 」


そう言うオルガさんの頭には大きなたんこぶがあった


「料理長、片付けがあるので喋ってないで早く厨房に戻ってください」

「あ、はい」


近くの給仕にたしなめられて帰っていく

ホントなんなんだあの人………


「まああんなのだけどご飯は美味しいからね。たくさん食べてね」


と、カミラさんが料理を取りながら言う


カミラさんはあの暑そうなローブを脱いで何と言うか………ラフな格好になっている

髪を後ろでくくってジャージにシャツという姿は休みの日のだらしない女そのものだった

とても王女には見えない


「姉さん、仮にも王女なんだからその格好はダメなんじゃないかな?」

「いいじゃない、誰が見てるわけでもないし」

「結構いろんな人が見てるんだけど………」

「身内じゃない。それに国民の前ではしっかりした格好してるし」

「………はぁ、もしこんな姿を国民に見られてたら大問題だよ」


と言うカルマくんはさっき見た時よりは軽装になったが、そこそこ整った格好をしていた


ちなみに今は大きなテーブルを八人で囲っている

目の前にはカミラさんのお父さん、左側にカミラさん、左側にカルマくん、そしてみんなのとなりにそれぞれのお付きであろう人が座っている

結構広いテーブルだが、かなり豪華な料理が所狭しと並べられている


狼はボクの後ろで何かの生肉を食べている

コイツ僕のお付きで来た筈なのにかなりここの生活満喫してやがるな

いざというときホントに僕のこと守ってくれるのか?


まあいいや、お腹もすいてるし僕も何か食べるか


まずはあそこのお肉でも食べるか





…………届かない


思いっきり体を乗り上げて取ろうとする






もちろん届かない


「お好きなものをお取りしますよ?」


頑張っているとヴェラさんが助けてくれた

よく見るとカミラさんとカルマくんが手で口を押さえてしたを向いて悶えてた


おいお前ら何笑ってんだ


「ごめんごめん、あまりにも可愛らしかったからつい」


カミラさんそれフォローになってないです


「写真とっておけばよかったかな」


お前は喧嘩売ってんだろ


「はい、どうぞ」


ヴェラさんマイペースですね

とってくれたんだから食べますけど



全員が食べ始め、少し無言の時間が訪れる

食べてる間に話さないところとかは流石にみんな育ちがいいな


僕はといえば箸の扱いに四苦八苦していた

この体の扱いに慣れていないのか、指がうまく動かないのでうまく使えない

しかたがないので、お皿を口の前まで持ってきて、慎重に少しずつ食べていく

それでも上手くいかずにポロポロと落としてしまうし、口の中に入れてもうまく噛めずに口の端から垂れてしまってその度にヴェラさんに拭いてもらっていた


………っていうかこの城見た感じ外国だし周りの人も明らかに外国人風で料理も日本料理でもないのになのになんで箸なんだ?

風呂もそうだがなんでこんな変なところで日本風なのか謎である





しばらくして

料理を食べ終わって食後のケーキと紅茶が配られる

皿もフォークも見事に高そうだった


「さて、じゃあアオイのこれからについて少し話そうか」


と、カミラさんが言う


「まずは現状確認だけど、私たちが言ってる言葉はわかるよね?」


コクン、と頷く

というか言葉わかるって確信がないのにあんなにいろいろ話しかけるなよ


「喋れはしないんだよね?文字は読める?」


僕は首を振る


「じゃあ魔法は?使える?」


首を振る


「言葉はわかるけど、文字はわからない。日常生活の基本知識はあるけど、魔法などの使い方はわからない、か」

「言葉が分かるだけでかなり賢いでしょ、まだ生まれたばかりだよ?」

「まあ、そんなんだけどね。ドラゴンの子供なんて初めて見るから勝手がわかんないから」


ドラゴンの子供見るの初めてなのか

やっぱりドラゴンって稀少なのだろうか


「でも、姿変えるくらいはできるようになって欲しいかな」


そう言えばドラゴンからこの姿になって一度も戻ってないな

まぁあの言い方からすると簡単みたいだから多分大丈夫だろ


「まぁそんなに急ぐことでもないからゆっくりやっていけばいいか。ヴェラ、お願いね 」

「承知いたしました」


ヴェラさんが頭を下げる


「じゃあ、皆食べ終わったみたいだし今日は解散!!また明日の朝ごはんでね」


そうカミラさんが締めて今日は解散になった



♢♦♢♦♢


「では、おやすみなさい」


ヴェラさんが電気を消しながらそう言う

そして、ベッドに入って僕の隣で寝転がる




ヤバイ、かなり緊張する

当たり前だが女の人と同じベッドで寝た経験なんか僕にはない

生前だったらありえない状況だ


一緒に風呂に入ったんだから今更一緒に寝るくらいなんだとおもうかもしれないが、これは風呂に入るのとは違う緊張感がある

向こうはただ、子供の世話をしているだけなんだろうけどね



………それにしても今日は本当にいろいろなことがあった

狼に助けられ、人間に殺されかけて、カミラさんに拾われて

こっちの世界に来てから驚くことばっかりだ

まあ、それでも僕はかなりの幸運の持ち主だろうけどね


明日は何をしようか

ヴェラさんが、姿を変える方法を教えてくれるみたいだし、この城だってまだ全然探索できていない

この城だけでなくて外にだって行ってみたい


と、考えているとふと思う


明日が楽しみなのなんていつぶりだろうか、と


若いうちから引きこもって毎日単調な日々を過ごしていたから明日が楽しみだなんて長いことかんがえたことなんてなかった




………僕はこの世界に来てよかったのかもな


そんなことを思いながら意識が遠くなっていった

なぜ既に書いてあるものをコピペして手直しするだけで総合で約五時間もかかるのでしょうか?

不思議です


2015-02-14 サブタイトル修正

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