表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

トランジット(乗り継ぎ)

作者: チャーリー

これは事実です。

こんなことか起こるんですね。

起こるんです。

まだ中国に返還される前の香港

ここには世界で一番着陸の難しい空港があった。

香港カイタック空港

初めて乗った飛行機から見た香港の夜景は感動的なシーンだった。一気に高度を下げ、ビルとビルの間を滑空する。そして、再び上昇すると大きく機体を傾け、半旋回する。これを人は香港アプローチや香港カーブと呼び、香港の名物となった。パイロットからは世界で最も着陸が難しい空港と言われたらしい。


僕はこの空港で飛行機を乗り継ぎ、さらに南半球の街に向かう。しかし、どこに行っていいのかわからない。漢字だから分かるだろうとか、英語は通じるだろうとか、あまり期待しない方がいいかもしれない。

大きな空港ではないが、いかんせん初めての海外。端から端まで歩くと広い。到着が夜中だからスタッフも少ない。

「乗り遅れたらどうしよう」

そんな不安が脳裏をよぎる。

その時、通路の奥から女性が歩いて来るのが見えた。女性というよりは女の子というところだ。

よく見ると、

「さっき、同じ飛行機に乗っていた女の子だ」

少し安心して、僕の方から彼女に話しかけた。

どうやら行き先も一緒だ。

なんと言っても可愛い。

「やはり今回の旅ついてるぞ」

そして、僕は本題に入った。

「さっきから乗り継ぎが分からなくて、迷ってるんだ。どう行けばいいの?」

彼女は屈託のない笑顔でこう答えた。

「私も迷ってるんです」

たまにはこういうのもよくないですか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ