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掌編

コバンザメ君

作者: 綴 詠士
掲載日:2025/12/06

「あのコバンザメがよぉ!」

 

 金髪の不良が叫ぶ、金髪の不良はこの町一番の不良だった。

 今は坊主頭の不良に負け、一番の座は譲ったが。

 

 そんな新しい王者である坊主頭の不良にはいつも付き添う生徒がいた。

 

 通称「コバンザメ君」。

 

 言ってみればくだらない男だということだ。

 

 コバンザメ君の日常はいつも通りだ。

 登校し、坊主頭の不良に会いに行き、彼の傍にいつもいる。

 

 それだけだった。

 コバンザメ君の日常はそんな感じなのだ。

 

 当然のことだが、そんなコバンザメ君を嫌う生徒たちも多かった。

 コバンザメ君は坊主頭に気に入られているのを盾に、威張ることもあったからだ、

 

 コバンザメ君は虎の威を借りる狐じゃないが、あだ名通りコバンザメのように坊主頭の不良の傍にいて、おいしい思いをしていた。

 

 ある日コバンザメ君は不良たちに囲まれる。

 

 コバンザメ君は動揺していた。スマホの振動のように体が震えている。

 

「なんだお前ら!」

 

「なんだじゃねえよ。コバンザメが!」

 

 中心にいた金髪の不良が言う。

 

「お前のせいで、俺はこの町の一番から落ちちまった。償ってもらうぞ!」

 

「誰か! 助けて!」

 

 コバンザメ君は叫ぶ。

 するとやってきた。この町一番の不良、坊主頭の不良が。

 

 そしてこの町一番の不良は金髪の不良達をボコボコにして、コバンザメ君を助けたのだった。

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