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1,ブランシャール家

「いてっ」

積み上がった木材に頭をぶつけたようだ。

「おい!ボケっとするな!」

親方の怒号が飛んでくる。どうもソフィアと出会ってから落ち着かない。


この一時間でいろいろなことが起きて頭が追い付かないのだ。そもそもただの孤児が貴族の令嬢と話せるだけでも奇跡だというのに、貴族の家に呼ばれるとはこれ以上の幸運はないかもしれない。

しかも、魔術を使えるようになるかもしれないのだ。動機が止まらないのも無理ない。


「す、すいません!親方」

「おう。気をつけろよ!」


とりあえず、孤児院長に明日の外出許可を取らなければいけないな。


◇◆◇


「院長、アルスから話があるそうです」

「入りたまえ」

「失礼します」

孤児院の職員とともに孤児院長室に入る。


「アルス。入院以来だな」

「お久しぶりです。院長。」

「用件は何だ?」

院長は手を組んで、眼鏡の奥の目が俺の目をとらえてる。

「明日に外出許可が欲しいんです」

「ほう、なぜだ」

これは正直に言った方がよさそうだ。

「実は貴族様の家に招かれていまして…」

院長が目を見開く。

「詳しく聞かせろ!」


俺は今日あった出来事を話す。


「理由は分かった。許可しよう。ただし、その服では行くな。そうだな、服に関してはこちらで用意しよう。」

「ありがとうございます」

「平民と貴族は違う。今回はその令嬢とも仲良くなっているようだから大丈夫だとは思うが、決して無礼は働くなよ。」

「はい、では失礼します」

俺は一礼して退出した。



翌朝。目を覚ますと、ベットの横にきれいに畳まれた服があった。特に上等な服ではなさそうだが、今のボロボロな服よりは10倍マシだ。


朝食をとったら早速服を着て約束の場所に向かう。

少し早いが問題はないだろう。


昨日と同じ場所で少し待っているとソフィアが来た。

「おまたせー、早いね」

「楽しみだったからね。ところでその方は…?」

俺はソフィアの後ろの女性をみる。

「申し遅れました、わたくしソフィア様の侍女のリーゼと申します。この度はわたくしの監督不行き届きでご迷惑をおかけしました。」

「いえいいえ、とんでもないです」

「では、早速行きましょうか」

「お願いします」

俺はうなづいた。


「アル~、緊張しすぎだよ」

ソフィアが話しかけてくる。

「お父様はとーってもアルに感謝してたから大丈夫よ」

「アルって…」

「嫌?アルもソフィって呼んでもいいのよ?」

「お嬢様、さすがに距離が近すぎです」

リーゼさんが注意する。

「えー、いいじゃない!」

そう言ってふくれっ面をするソフィア。

「すいません、お嬢様は友達ができて喜んでいるみたいで」

「それは…少し照れくさいですね」

俺は苦笑する。


そんなこんなで屋敷の前についた。

「こちらです」

リーゼさんが屋敷の中を案内する。

そして、一つの部屋の前で立ち止まった。

「お連れしました」

「入れ」

「失礼します」


リーゼさんが開けた扉の奥には優しく微笑んでいる男性が立っていた。

「ようこそ。私はセドリック=ブランシャール。ブランシャール家の当主だ。昨日は娘がお世話になったな」

「お褒めの言葉ありがとうございます」

「はっはっは、礼儀正しいな。ソフィアにも見習ってほしいものだ」

「ちょっとお父様!」

「すまんすまん。それで、ソフィアから魔力総量の測定をしたいと聞いたが?」

「はい、お願いしたいです」

「分かった。少し待ってろ」

棚から水晶らしきものを取り出す。

「これが魔力水晶だ。これに手をかざすと光る。その色で魔力総量がわかるってことだ」

水晶をドスンと机に置き手招きする。

「さっそくやってみろ」

俺はドキドキしながらもおもむろにてをかざした。


色が変わった水晶をみた俺は息をのむ

「すごい!すごいわ!アル!」

「こりゃあ逸材を発掘しちまったかもな…」


全員が注目した水晶は虹色に光っていたのだった。

ソフィアかわいい!

次回は「魔術」です!

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