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その戦士、スライム倒し続けて5年が経ちました。

作者: つめせんどろぼう

「薬草10個とエロ本1冊。あと奥義書と、馬の糞10個。毎度ありがとな兄ちゃん」

「エロ本じゃなくて魔物図鑑なおっちゃん。こいつがあるのとないとじゃ結構攻略のやりやすさも変わってくるんだぜ?」

「とは言ってもお前さんがハントしているのはスライムとかスライムとかスライムとかじゃないか?」

「スライム馬鹿にしてやられてる冒険者数百名見てきたんだけど……」


俺は転生者フーデリア。転生前は日本っていう国のそこそこお金を持ってる家庭に生を受けたのだが、18の誕生日、すったもんだあって亡くなった。

亡くなった理由? そんな事僕だって知りたいさ。記憶には、そこの部分だけすっぽ抜けているというか何というか。まあ、うん。そういう事。分からない☆

日本にいたころの名前も思い出せないんだよねー。 ただ、この感触だけは覚えてる。 


とにかく、気持ちよくて、イカ臭かった。 


今現在行きつけの商店で次の依頼に使うかもしれない物資共の調達をしてるのだが、お世話になっている大柄なカッコいいおっちゃんが話かけてきた。


「なあ兄ちゃん。流星街のレアメタル……って、知ってるかい?」

「急にどうしたおっちゃん。……おいおいおい、まさかとは思うが、あそこでハントしてこい。なんて言うつもりじゃないだろうな?」

「いやいやそういうわけじゃねえよッ!? べべべ別にッ、高レベル体のモンスターが日常的にうろついてる場所で、この素材を採取してきてくんねーか? なんてことは言わねーよ!?」

「見て分かんねーのおっさん?? 俺ぼろっぼろよ? 俺ぼろっぼろ。火を噴くスライムの大群に追っかけ回されて、やっとのこと逃げた先では新種のモンスターだと勘違いした冒険者から寄るな触るな近づくななんて言われて斬られそうになったり散々だったんだよ分かるかこの苦労!!」

「それは……」

「それは……?」

「災難だったな兄ちゃん☆ あ、そうだ。一つ頼まれ事をこなしてもらいたいんだが、ちょっくらクリアしてきてくんねーか? 報酬はたーんまりでるぜ?」

「そういった甘い言葉で沢山の冒険者を誘惑してトラウマ級の依頼に向かわせる手腕は本当に見習いたいぐらいだ。元ギルドマスター」

「帰ってきたらアジリティだのスタミナだのちゃんと目に見えて上がって帰ってきてるじゃねえか。やっぱウチの若い衆はやればできる子なんだよYDK!!」

「そんなことばっかしてたから悪評が募りに募ってギルマスの座から外れる事になったんだよ分かってんのか」

「えー、2週間前の事になるんだけどさ、男女混合ダンジョン攻略タイム測定させた時、俺が手掛けたメンツは現ギルマスが手掛けたメンツよりヤり足りない感だだ漏れで出てきてたぞ? なんならもう一回行ってきていいですか? なんてめっさ可愛い女の子から言われたし。あーもうあの上目遣いたまらんかったな最高かよ」

「……」

「最近できたサキュバスの嬢ちゃんたちが経営してる店の初回80%オフのクーポンあるけどどうする?」

「……ッ!!」

「なあ兄ちゃん」

「ありがとうございます!!」

「お礼を言うのはまだ早いぜ。……そんな装備で大丈夫か?」

「大丈夫じゃない大問題だ」

「とりあえず、新しい防具一式そして薬草もろもろ冒険者お得セット。そして、この私アルベドも一緒についていこう」

「ッ! ギルマスの前任者が同席するってことは、とんでもねぇ奴が出てくるかもしれないって事か。」


「スライム狩りのフーデリア。お前さんはスライムに関しては、この世界の剣豪以上に戦闘経験と知識がある。なんならスライム狩りの経験だけで4つの街を救ったり、高難易度ボスを完膚なきまでに叩きのめしたらしいじゃねえか」

「おっさん。その通り名はあまり好きじゃない。ごめんなんだけど、それで呼ぶのは控えてくれないか」

「……確かにそうだな。すまなかった」

「まあ。うん。もうあの時みたいな惨劇は、二度と会いたくないね」


 依頼主、鍛冶屋のジェフリー。依頼内容、流星街にて希少素材であるレアメタルの収集と、堕ちた剣聖ブラッドリー・アーサーの討伐。


「ブラッドリー・アーサーって、確かおっちゃんが一緒に旅してたパーティーの一人なんだったっけ?」

「あいつが堕ちた剣聖だって……? あいつの身に一体なにがあったんだ……」

「おっちゃん??」

「いや、なんでもない。支度がすんだらすぐに出発だ。それと」

「それと?」

「フーデリア。極力、魔物との戦闘は短時間で済ませたい。やれるか?」

「……」

「どうした?」

「申し訳ないんだけど……」

「なんだ? 顔色が悪いぞ」

「あの…… その……」

「本当にどうした!? お腹に手を抑えるなんて…… まさかお前にんし」

「うんこ行ってきていいですか?」

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