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俺クシ、アマゾネス系お坊ちゃんでッスわ〜!  作者: 沈椒肉絲
運命の交差
2/10

二律背反。金かプライドどっちを優先させるかって聞かれたら金

 シュレディンガーの猫。


 それはシュレディンガーと言う人がとある量子学の問題を否定する為に考案された問いらしい。

 詳しくは分からんしそれで得られる回答も同じく分からんが重要なのはその皮肉的な問い掛けだ。


「うわぁ……予想していらしてましたが前よりも接続数多いでッスわねぇ……」


 もはや苦笑いしか出ない。

 それ程までに前回の……配信事故とも言えよう内容なのに何故かバズって急上昇乗った挙句に瞬く間に人気実況者の仲間入りしていた。


 何が何やら分からない。

 一回きりで終わりにするつもりだったのにアーカイブに催促コメントされるし、ネット掲示板ではトンデモないVが現れたとかでお祭り騒ぎだし、行き着くところでは○ixivにTSした時の姿でR18イラスト描かれてたし……。


「えーっと……取り敢えずは自己紹介を兼ねながらチュートリアルを進行させていくのが今回の配信でッスわ……続けるかどうかは皆様方の反応で決めさせて戴くッスわぁ……」


 続けるか辞めるか。


 その二つの選択肢はまるでシュレディンガーの猫のよう……いやないか。その例えはないか。


 そもそもシュレディンガーの猫自体、昔ネットで拾った知識なだけで力説出来るほどの深化はなくってー。


 つまるところ混乱しているのだ。

 状況を纏めることで平常心を取り戻そうとしたが哲学じみた問題を例えに出したせいで余計混乱が増した。


 ただ……こうしてASS配信をしてるって事は結局は続ける選択肢を選んだわけで。

 シュレディンガーの猫で言うなら"生存"していたってことになる。


「ふむふむ。魔法は詠唱する事で倍率補正が掛かって、短縮は出来ますがその場合は威力がお下がりになる。アイテムをご使用する事で詠唱時と同威力に……課金者様を優遇し過ぎではありませんこと?」


 視聴者が書き込むアドバイスを有り難く受け入れながらチュートリアルを進める。


 なまじ視聴者が多いから送られて来るコメントが大量で読むのに苦労する。

 が、そのお陰で順調に知識を蓄えられていきチュートリアルと言う事もあり特に躓く事もなく最後の課題のスライムを強化魔法で上げられたSTRに任せて大岩で磨り潰した。


「本日はここまでで、次回からは本格的にご攻略に取り掛かりまッスわ。宜しければch登録のほどお願い致しまッスわ〜」


 配信者お決まりの台詞を絶妙に外れたお嬢様口調で言い合えた俺は配信を切った後にアーカイブを残してASSからログアウトした。


 なにはともあれ俺は生きる可能性を見つけた。

 だからまあ……当面はそれに取り込むか。


「まずは収益化だな。うん」


 そう思い張り切って目標を高らかに宣言する。


 ちなみにこの後収益化条件を直ぐに満たしたのだが、その事に何故か、消失感を覚えた。

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