under 500 Ⅱ 曇天が世界で一番美しい 作者: 高嶋ともつぐ 掲載日:2020/10/16 雨は降っていないのに、今日の昼は、ガンガンに暗かった。 春の風景など、目に入らないほど、曇天でいっぱいだった。 晴れの日にはいないのに、暗い昼に限ってベンチに現れる青年が、今日もいた。 今日もいつものように、曇天の空を見上げていた。 私が横を通りすぎようとすると、青年が口を開いた。 【キレイだ・・・】 私もつられて、空を見上げた。 そこには、吸い込まれそうな濃いネズミ色がいた。 同じ空を見上げている時間は、ビカビカに晴れ渡っていた。