アルゴスの魔眼
酔うと変なこと思い出しません?導入部の彼(主人公)も関係ないことを思い出してしまいました⁉
彼の者は、我が造物主が人を“神の似姿”と語った時に嫉妬ではなく、絶望を見てしまった。
人を見た時に神に最も近き、彼の者は、神の本質を見てしまったのだ。
例え、不老不死になろうとも、自我を捨てきれずに自他と争い、醜く滅ぶ様を……。
彼の者は、天上で同志と共に歪んだ行く末を呪い、改革を唱え、造物主に戦いを挑んだが……破れ、墜ち!【氷の地獄】で繋がれたまま、幾時を過ごしたろうか?
その者、神に抗い堕ちてきた者を見た。
同じ、神へ憎しみを呪詛を瞳に宿し者か?と思ったが……その者は、“希望” を捨てずに抗い続ける意志を……【星乙女】と同じ瞳を持つ、魂の持ち主を見た。
半神でありながらも、人として戦い続けるオオカミを……。
彼の者は、その者と氷獄で語らいあった。
人の中にしか、造物主も生まれず、終わることのない物語を語る者が生まれない。
人の罪と彼の者を理解できる者は、人でしかない事実。
時は、永遠のようで一瞬でしか、なかった。
彼の者にとって、一瞬と永劫との差異はなく。
【氷獄】での唯一の友、理解者は、輪廻転生という魂への最大の刑罰へ堕とされていった。
ウラ☆Tin!に界面活性剤をもらい……左手で教授の表面に注ぎ、アメーバ状に溶解させながら……なぜか?思い出してしまった。
彼の友、両性偶有?バイセクシャル?否!?、 LGBT+Q 以上の愛を持つ故に愛してしまった者に対して盲目だったからか?別の世界線でも愛をこじらせて最終戦争で殺し合いを演じてしまっていた。
ル✗ファーちゃん……元気かな?とその者は、思いながらも、自身の干渉できない領域なんだよなー?と友を思い出していた。
だいぶ、溶けてしまい、声も発せない教授を、
「これで死ぬ、たまかよ!?」
と放り出した。
ウラ☆Tin!には、ヘルメースからパクった【豊饒の角】でディオニュソスの裏マーケットから仕入れるよりも上等な純度の高い神酒、オリュンポスの食材を取り出して酒代の代わりに受け取ってもらい、店を後にした。
仮初の体でも、神酒やソーマを交互に飲んでしまったせいか?現世で酔った時のようにふらつきながら、常世での定宿、ホテル浦島へ千鳥足で向かっていると商店街の角から不意に暴漢が現れた!
現れたのは、暴漢ならぬ……真っ裸の変態!?
酔いながらも、左目の魔眼を瞬かせ、相手の身体だけならず、魂魄までも“焼き焦がそう”と狙うが変態……ヘルメースの背から生えた?
孔雀の尾羽に飾られた巨人アルゴスの百眼……無数の眼がこちらを睨み、相殺される!?
第三者目線だと、尻から孔雀の尾羽を生やし、右手にショーテルを持った真っ裸のサンバダンサー?の猟奇魔!?
「ヘーラー妃から賜いし!アルゴスの百魔眼……、これならば、お前の魔眼も封じられる!!」
と勢いよくヘルメースに啖呵を切られたが……。
「巨人アルゴスって……お前が殺っちまんたんだよな?」
「その剣の刃を鏡にして、背後を見てみろよ……めっちゃ!一対の大きな魔眼が……お前をガン見してるんだけど……!?」
と一応、教えてやれば!!
ヘルメースも一瞬だけ……背後を確認!
……アルゴスの魔眼と目が合い……ヘルメースも額に冷汗を垂らす!?
「お前……ヘーラーに……はめられてない?」
と忠告までしてやる、俺って、大人になったなー!と感慨にふける間も束の間!?
右手のショーテルの切っ先を俺から外さないヘルメースに少し、感心した。
ヘルメースの剣ハルパー(=ショーテル )は、クロノスによる天空神ウラヌスの去勢、巨人アルゴスの暗殺、英雄ペルセウスのメドゥーサ討伐にまで用いられていた。
この魔法金属製の神器は、たとえ相手が不死の神や怪物であっても効力を発揮する。
酔いも醒めて、周囲に危害が及ばないように俺は、脱兎の如く、しゃにむに逃げ出したが……俊足のヘルメースにとうとう、路地まで追い詰められた。
「オワッー!」と叫び、さらに奥へと逃げ込む!!
ヘルメースも逃がすものか!と路地の角に消えた……罠とも知らずに!?
壁を背に行く手を塞がれた俺を見つけるとヘルメースは、ここぞ!好機!!と天狼を……下等な人類の出ありながら、神々に抗い続けた愚か者を……今度こそ!自らの手で葬ってやる!と意気込んだ!!
自身には、見向きもしなかった【星乙女】の心をつかみ!その傍らには、いつもアイツが……!!
「ケ・ダ・モ・ノ……がーっ!」
「もはや、魂だけの亡者の貴様がこの剣に耐えられるかっー!!」
といつもは、人をどこか見下した微笑を浮かばせるヘルメースの口からおさえられていた感情が吐き出された。
もう少しで、相手に自分の間合いへ踏み入れられる前にして、不敵に唇から、人狼の原種の特徴である乱杭歯、“牙”を覗かせ、
「……と確かに現世では、中年のおっさんで、今は冥界に堕ちた亡者だが……本来の俺に戻った“天狼”を相手にできるかな?」
と睨み返した。
ヘルメースは、ハルパーを右手で高く掲げ、前へ突進する。
その瞬間、周囲の視界が反転……突然、夕闇の草原を走っていた。
思わず、たたらを踏んで刃をたて、防御の構えをするも……アイツの姿が消えた!?
途端に股間?いや!?尾骶骨から突き上げられる衝撃に……脳まで揺らされ、一瞬、遅れて激痛が襲う!!
俺は、教授やウラ☆Tin!にBAR・Chaosの周囲にある次元の歪みというべき落とし穴の所在を聞いていたのでそこへ、ヘルメースを誘い込んで虚を突こうと背を晒しながらも上半身を前に沈めて、一瞬、ヘルメースの視界から姿を消し。
左足を後方に蹴り出して、ヘルメースの腹部を襲おうと……したのだが……ヘルメースの俊足が災いして踵をあげる瞬間に股間の真下……空手で、そこは……会陰、当てちゃダメとされる“金的” と“尾骶”の間へクリティカルHIT!“チーン♪”ご遺族の方からご焼香ください……。
股間を襲う激痛に顔を歪ませるヘルメースが無造作にハルパーを振り降ろされるソレを俺は、左手の掌で弾き!
相手の右の二の腕を抑えると同時に己の右手の拳を縦にしてハンマーの如く、相手の右鎖骨を叩き砕いた!
完全に相手の右手の腕力を奪い、手から落ちたハルパーを足で遠くへ蹴りだした。
何のことはない、両手に隠し、握っていた左手の寸鉄で刃を逸らして、右の寸鉄の尖らせた切っ先で相手の鎖骨を抉ったのだった。
幽玄堂へ顔を出した際に金剛製という【寸鉄】を見つけてしまい……つい、失敬してしまっていた。
それでも、戦意を失わなず、立ちつづける相手へ敬意を払い(嘘)。
間合いを離して、脳天へタッマラーと同時に跳び膝蹴りをチンへ浴びせて脳を粉砕!優しく包み込むように両手を添えて首相撲からのティーカウコーン“膝蹴り地獄” で腹部、内臓を悉く破壊!!
……となぜか?どこで覚えたかのか?忘れるほど昔の前世に古式ムエタイで(その時はタイ人だったのか?)覚えていた殺人コンボでヘルメースを葬った。
魔獣になるというブラフにひっかかって強張りし過ぎたのがヘルメースの敗因だ!?と俯せに倒れた奴の延髄部へ左足を乗せ、足裏からの暗勁でまた、
“ダン!!”
と脳髄を破壊!!
ここまでしても、ものの数時間もせずに……再生される不老不死の神族を相手に……よく挫けずに戦ってたよな……俺と自分の前々世での苦戦ぶりを思い返した。
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