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俺と先生のフリースクール  作者: 影峰 柚李
決闘編
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第七十五章「女同士の戦い」

狐と、莉子が向き合う。

狐はお面を被っているため二人の目が合うことはない。

「真っ白ね、白はお勧めできないわ」

「ほう、理由を聞こう」

ふふ、と莉子は笑って刀の先を狐に向けた。

「だって、血で汚れちゃうじゃない」

莉子は一気に距離を詰めて狐に斬りかかる。

狐は攻撃を避けてまた距離を離す。

「それは返り血の話か?」

「あら、強気ね。避けてばかりなのに」

「攻撃すればいいというものではないからな」

莉子が攻撃しては、狐が避けて距離を取る。

その繰り返しであった。

「時間稼ぎのつもり?」

「いや、そうではない。時間なんぞ稼ぐ必要はないからな」

「じゃあどうして攻撃して来ないのよ」

狐は攻撃を避けるのをやめ、相手の攻撃を受けた。

「する必要がないからだ」

莉子をなぎ払いまた距離を取る。

どうにか無傷で終わらせたい狐はタイミングを見計らっていた。

その態度に痺れを切らした莉子は一度攻撃を止める。

「その仮面、外したらどうなのかしら」

莉子の言葉に狐は構えるのをやめる。

「そうだな、もはや着けている必要もあるまい」

狐はお面の紐をするりと外し、顔を隠したまま莉子を見た。

その行為には得体の知れない怖さがある。

「な、何よ」

「私としてはこの顔を見せるという事は大したことではない。

だが、貴様はどうだ。本当にこの顔を見るというか?」

「な、何か問題でもあるっていうの?」

「ないと言ったはずだ、だから聞いている。

本当に見るのかと」

莉子は息を呑む。

仮面の下に何があるのか、初めは気にしてなどいなかったが

そこまで言われると気になって仕方がない。

「外しなさいよ」

「ふむ、よかろう」

狐はお面を莉子に投げつけた。

「なっ!」

相手がひるんだ隙に刀の柄で腹部を殴る。

「言っただろう、仮面の下には何もありはしないと」

「うう・・・」

莉子は腹を抑えてしゃがみ込む。

狐はさっと、お面を拾い付け直した。

動けない莉子をロープで縛り端に寄せる。

「ねえ・・・、一つ、いいかしら・・・」

狐は無言で頷く。

「そのお面、どうして着けていたの・・・?」

「知りたいか?」

「またそれ?私頭を使うのは苦手なの」

薄く笑うと、莉子は狐を見た。

「なに、時間稼ぎかと疑っただけだ」

「そう、嫌ならいいのよ」

「構わない。どうせ私が加勢する暇は無いだろうからな」

狐はひろとが脱獄している事に気が付いていた。

だから、急いで行く必要は無いと判断した。

莉子の前に腰掛けると、狐は話し出す。

「私の叔父は影のことをよく知っている人だった。

小さい頃から影という存在を教えられ、人を守るよう言われていたんだ。

まあ、それだけなら良かった」

狐はお面を外して莉子の目を見た。

莉子は驚いたが、声を上げることはせず薄く笑う。

「そうなってたのね・・・、さっきはよく見えなかったけど」

狐の顔は黒く、まるで影のような見た目をしている。

狐はすぐにお面をつけて話を再開した。

「影にも感情はある。そして性別も。

私の親は影と人間でな、その子供である私はこのような姿に生まれた。

別に気にしてなどいないが、周りが怖がるのでな」

「へえ、面白いこともあるのね」

「私が仮面をつけている理由なぞそんなものさ」

「そう、聞けて良かったわ」

狐は立ち上がり身なりを整える。

「まあ、全てが終わったらゆっくり話そう。

根はいい奴のようだからな」

「ふふ、そうね」

狐は二人を追って走り出した。


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