第六章「休日」
今回は短いです。
先生の生徒になって初の休日が訪れた。
休日といっても、学校の休日というだけで俺自身の休日ではない。
今日は朝から喫茶店の手伝いをさせられている。
現在は午前10時なのだが、流石に休日という事もあって客がちらほらと来ていた。
「コーヒー一つと、サンドイッチ一つ」
「はいはーい。時雨君慣れてきたね」
高校に入ってから何度かバイトはしていた。だから覚えるのも早かったのだろう。
それに、この喫茶店は客もメニューも少ない。楽な仕事といえる。
午前11時を回った頃、元気な客が入ってきた。谷口だ。
「マスターさんこんにちは!友達連れてきましたよ!」
「いらっしゃい。ゆっくりしていってよ」
谷口を含めた5人は、窓際の席へと座った。
俺は様子を見計らって注文を聞きに行く。
「ご注文は」
「あ、時雨君!ここでバイトしてたんだ」
その一言に周りが少しざわつく。
谷口みたいな明るい性格の人と俺が知り合いなのが珍しいんだろう。
「あぁ、色々あって。で、注文は」
「あ、えっと、モンブラン二つと、ガトーショコラ一つと、フルーツタルト三つ!」
それでは、計六個では?
「萌梨、タルトは二つだよ」
「そっかそっか。間違えちゃった」
「モンブラン二つと、ショコラ一つと、タルト三つですね」
「二つだってば!」
「はいはい」
ここの喫茶店のケーキは今の三つだけだ。
先生の好みで決めたらしい。
ケーキは朝に作っているので、出すのに時間はかからない。
「ほい、時雨君持ってって」
トレイに、ケーキと紅茶が乗せられている。
「先生、注文はケーキだけだ」
「サービスだよ」
「そうですか」
俺はトレイをテーブルへと運んだ。
「美味しそう!」
「紅茶はサービスです」
「時雨君ありがとう」
お礼は俺じゃなくて先生に言って欲しい。
谷口とその友達は一時間ほど喋って帰っていった。
このお店は気に入られたらしい。




