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俺と先生のフリースクール  作者: 影峰 柚李
先生と生徒編
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第五章「二時間目の授業」

「時雨君、今日は二回目の授業だ」

そういうと、先生は俺に向かってジャージを投げてきた。

「今から?」

「そう、今から。今日の授業は彼女の護衛」

それだったら、さっき送ってあげるとか言えば良かったんじゃないだろうか。

彼女はP2についても俺らについても知っている訳だし、隠す必要もないだろう。

「一般人に気付かれると厄介になるでしょ。

だから、今日は気付かれないように行動するって事を学ぼうか」

確かに今まで生きてきて特殊部隊に出会った事はないしニュースでも聞かない。

「時雨君、運動は得意かい?」

あ、物理的な感じなんだ。


軽い説明を受けた俺は、先生と一緒に谷口の護衛(尾行)を開始した。

俺たちは、現在屋根の上にいる。はたから見ればただの泥棒だろう。

先生曰く、俺たちは一定の距離離れると一般人から認識されなくなるのだとか。

屋根の上に乗る必要をあまり感じない。

と先生に言ったところ、全体が見えた方がいいと返された。

本当は楽しんでいるだけな気もするが、それは置いておこう。

「一般的な運動能力でも、頭を使えば色んなところへ行ける。

覚えておくといいよ」

「そんな変なところには入らねぇよ」

「人生何が起こるか分からないものだよ」

変な奴の生徒になったりな。確かに、人生は分からない。

そんなどでもいいような話をしながら谷口の後を追っているうちに、

妙な事に気付いた。

「なぁ、谷口の家遠すぎないか?」

「確かに、喫茶店を出てから40分は経過しているね」

「それに、だんだん住宅街から離れている。明らかにおかしい」

彼女の家を知っている訳ではないが、

徐々に人気のないところに向かっているという事は分かる。

道に迷っている、という事もないだろう。

「操られているのかもね」

「操られる?P2にか?」

「最近、特殊部隊の活動が広がってP2が街に出て来ずらくなったんだ。

それで、彼らはリスクを減らすため人を操って

自らのところに来させてるようになったらしい。

まぁ、それが出来るのはごく僅かなP2だけだけど」

谷口は運悪くP2の標的になってしまった訳か。

「じゃあ、早く止めに行こう」

「待って、もう少し様子を見ていよう」

そういうと、先生は屋根から飛び降りた。

俺も後に続いて降りる。先生とは違いゆっくりとだけど。

「今、彼女を引き留めてもいつかまた餌食になる。

本体を殺っておくのが一番だよ」

「でも、結構力がある奴なんだろ?」

「特殊な技が使えるからといって強いとは限らない。あ、これ持ってて」

ひょいっと、何かを投げてきたと思ったらナイフだった。

「あぶねぇ・・・」

「奴らは匂いに敏感なんだ。

だから、君の血の匂いを嗅ぎつければ彼女より君を狙うだろうよ」

昨日、先生が自分の手を切っていた事を思い出す。

あれはそういう意味があったのか。

「お、裏路地に入ったよ」

谷口を追って俺らも路地へ入る。

路地に入って少ししたところで、谷口が立ち止まった。

暫く沈黙が続いたが、急に谷口が倒れた。

それと同時に陰から真っ黒なP2が出てきた。

「時雨君!ナイフを!」

先生の声に驚き少し反応が遅れたが、

ナイフを逆手に持ち勢い良く人差し指を切った。

こういうのは慎重にやった方が痛いものだ。

俺の人差し指から血が滴ると、P2が此方を見た。

黒い物体に赤い目が光る。

「ご馳走が、釣れた・・・」

「時雨君は彼女を。僕は彼奴を片付けよう」

そういうと、先生は壁と壁を使い敵の背後へと回り込んだ。

P2は相変わらず此方を向いている。血のせいだろうか。

「ご馳走・・・」

今の俺にはなす術がない。

先生のように撃退する事は出来ないし、下手に近づく事も出来ない。

「時雨君!何とか彼女を移動できないかい!?このままでは銃が撃てない!」

そんな事言われても何も出来ない。

俺はなんとなく近くにあったゴミ箱の蓋を持った。

これを盾にするのは無理だろう。

・・・投げるか?

俺はP2に向けて蓋を投げ付けた。そして走る。

かなり強行な気がするが、なんでも勢いが大切なんだ。

なんとかなるだろう。

谷口の腕を掴んで抱き上げる。どうやら気絶しているらしい。

そのままP2の横を通り抜けようとした時、足を掴まれた。

「しまっ・・・‼」

「時雨君、伏せろ!」

その声に、俺は地面に伏せた。

頭の上を何か掠ったかと思えば、後ろでうめき声が聞こえた。

「時雨君無事かい?」

先生は平然と手を差し伸べてきた。

「う、撃てないんじゃなかったのかよ・・・」

「あぁ、あれは嘘だよ」

この時ばかりは殺意が湧いた。


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