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俺と先生のフリースクール  作者: 影峰 柚李
特殊部隊編
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第四十六章「出会った日から」

五年前、俺はまだ十三歳だった。

特殊学校で勉強をしていて不満も悩みも特にない日々を送っていたが

そんな日々は少しずつ変わって、気付けば死にかけていた。

自分が何かしたのかもしれない。

明確な原因は分からなかったが、ある日急に呼び出された。

知らない人に。

その後彼らが色々言っていたがほとんど覚えていない。

気付けば殴られていて、気付けば死にかけていた。

世の中不思議なこともあるのだなとただただ殴られていた所に

一人の男が現れた。

「何してんの?」

「見てわかんねぇの?」

「うん」

「流石、能力の低いお坊っちゃんは違うねぇ」

そう言って彼らの標的が男に移ったのは分かったが

一瞬の内に男を囲っていた奴らは倒れていた。

「ちっ、何も作れねぇ癖に・・・!」

「確かに俺はお前らみたいに何かを作り出したりなんてのは

出来ないけど、その分鍛えてることだったあるんだ」

この人何言ってんだろうとか思いながらそれを見ていた俺に

男の人は手を差し出した。

「大丈夫か?」

そう、それが神矢さんだったのだ。

名前を知ったのは卒業式の時だけど

その時から俺は神矢さんを尊敬していた。

ただそれだけ。

それだけの事が今でも印象に残っている。

あの時の自分は相当冷めていたっていうのもあると思う。

部隊に入って、神矢さんのパートナーになれて、

本当に嬉しかった。

側にいればきっと役に立てる、恩を返せると思って

今まで過ごしてきた訳だが、未だに恩を返せている気がしない。

寧ろ迷惑をかけている気がする。

「はぁ・・・」

ため息をつくと余計に疲れる。

悩みすぎて禿げそう。

うわ、ハゲるのとかヤダ。

考えるのやめよう。

「何してんの、お前」

「あ、神矢さん」

両手に大量の資料を持った神矢さんが俺の前を通りかかった。

仕事忙しそうだなぁ。

「神矢さん、俺禿げてきてません?」

「は?何言ってんだ?薄毛に悩んでんのか?」

「俺将来禿げたらどうしよう・・・」

「大丈夫か、お前」

自分でも何を言っているのか分からなくなってきた。

何言ってんだろう、俺。

「重そうですね、持ちますよ」

「ありがとう」

資料を半分貰って隣を歩く。

思ったより軽いな。

神矢さんは随分と重そうに持っていたけれど。

ふと、隣を見ると、神矢さんは今にも倒れそうな歩き方をしていた。

「か、神矢さん!?大丈夫ですか!?」

「え、大丈夫だけど」

よく見ると隈も酷い。

どうして気づかなかったんだ、俺は。

「休んだ方が良いですよ!それ俺が持って行きますから」

半ば無理矢理資料を貰って、神矢さんを部屋に帰らせた。

昨日まではあんなに酷くはなかったのに。

一体何があったのだろう。

「神矢さん、このままいったら死ぬよなぁ」

過労死か、衰弱死だな。

いやいや、そんな縁起でもないこと言ってる場合じゃない。

何か俺にできること・・・。

「はぁ、いっつもこうだ」

どうせ俺にできることなんでないのに。

「はぁ・・・」

本当にハゲる、これ。

外に気晴らしにでも行こうかな。

この中は息苦しくて敵わない。

そうだ、神矢さんも外に出た方が良い。

こんな所にずっといるからあんなんになるんだ。

よし、明日は神矢さんを連れ出そう。

仕事は後で手伝えば良いや。

部隊の人が誰もいない所を探しておこう。



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