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俺と先生のフリースクール  作者: 影峰 柚李
特殊部隊編
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第四十五章「敵か味方か」

さき、いる?」

「いるよー」

返事があったので部屋の中へと入る。

咲は小さい頃から仲の良い友達だ。

部隊に入ってから話す事は減ったが、こうしてたまに会いに来る。

「入って良いって言ってないのに」

「ごめん」

お決まりのやり取り。

学校に行ってた頃から続けている。

今では癖みたいなものだ。

「最近どう?絶好調って感じ、でもないか」

「最近悩みが多くてさ、困っちゃうよな」

「悩み?聞くだけで良いなら聞いてあげるよ?」

聞くだけで何もしてくれないのか。

まぁ、そうだよな。

何もしようがないもんな。

「上司が怖い」

「それはしょうがないよ」

「青目の男がどうとか、そんなこと言われてもなぁ」

「青目の男?」

咲の目付きが怖くなった。

何かいけない事でも言っただろうか。

「それって裏切り者の人の事?」

「らしいね、でも実際はそうじゃないみたいなんだ」

「嘘よ、ものすごく危険な人なんだから」

「会ったことがあるの?」

「ないけど?」

その割には随分と嫌悪感を抱いているようだ。

まるで両親が殺されたかのような反応をしていたが。

「でも組織に刃向かう人はみんな敵よ」

「でも本当に良い人そうだったよ」

「優也、それ以上言うと貴方でも敵とみなすからね」

「あ、うん、ごめん」

咲の目が本気だった。

咲ってこんなやつだったっけ。

少なくとも誰彼構わず敵意を向けるようなやつじゃなかったし

自分の意志を貫く人間だったはずだ。

何かがおかしい。

彼女の中で何かが変わってしまっている。

「そういえば、この間美味しいケーキ屋さんを見つけたんだ。

今度暇なときに一緒に行こうか」

「本当!?行く行く!」

良かった、いつもの咲だ。

「それじゃあ、そろそろ行くね。神矢さんを起こさないと」

「本当にあの人の事好きだね。組織内では肩身の狭い人なのに」

「俺はああいう人が好きなんだ。あの人は人の幸せを喜べる人だからね」

そう、神矢さんは良い人だ。

この組織内で誰よりも、まともで優しい人。

だから俺はあの人が言うことを信じる。

あの男の人は良い人だ。


「おはようございます!!」

お決まりのバズーカで神矢さんを起こす。

またしても神矢さんはベットから落ちた。

「もっと優しい起こし方ないの?」

「ないですね!」

神矢さん、普通に起こしても起きないし。

「ちょっと待ってろ、珈琲淹れるから」

「あざっす」

いつもと同じように珈琲を飲む。

何だか普通の珈琲と違う気がするのだけど気のせいだろうか。

こればかり飲んでいるから味覚がおかしくなったか・・・。

「いてっ・・・」

「傷、また増えましたね」

神矢さんは指先と頭に包帯を巻いていた。

頬にはガーゼまで貼られている。

「気にしないでくれ」

神矢さんはいつもそう言う。

一人で辛そうにして、俺には何も言ってくれない。

でも、きっと俺に出来ることもない。

このもどかしい感じはどうすれば良いものか。

「俺、神矢さんの味方ですから」

「ありがとう」

言葉をかけることしかできない自分が恨めしい。

もっと力になりたいのに。

「なぁ、どうしてそんなに俺について来るんだ?」

一瞬、意味が理解できなかった。

確かに、神矢さんには部隊に入った時からずっと付きまとっている。

「そんなの、神矢さんが好きだからに決まってるじゃないですか」

「え、お前そっちの気なの?」

「違いますよ!」

神矢さんは知らない。

俺がずっと前から神矢さんを尊敬している事を。

そう、特殊学校にいる時からずっと。


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