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俺と先生のフリースクール  作者: 影峰 柚李
特殊部隊編
43/87

第四十二章「青い目の男」

弘崎優也ひろさきゆうや君」

呼ばれてゾクッとした。

俺の事をフルネームで呼ぶのはただ一人。

莉子りこさん・・・、おはようございます」

「おはよう、早起きね」

「そうでもないですよ」

俺は正直この人が苦手だ。

明確な理由がある訳ではないが、気が合わない。

俺が早く立ち去りたいと思っているのを察しているのかいないのか

短い髪を耳にかけて、笑った。

「ねぇ、昨日何かあったでしょう」

びくっと、肩を震わせる。

昨日、テロリストに会って男の人と撃退した。

それを知っているのだこの人は。

「何も、ないですよ。少なくとも莉子さんに話すことは何も」

「そう、まぁ言いたくないならいいわ。

でも一つ言っておくけど、青い目の男には気をつけなさい」

青い目の男。

それは多分昨日のクリーム色の髪をした男の事だ。

「彼奴は危険よ。何か企んでる。

彼奴の話を間に受けちゃダメ、組織の裏切り者なんだから」

「わ、分かりました・・・」

じゃあねぇ、と微笑みながら去って行く莉子さんの背中を見ながら

俺は溜め息をついた。

最近溜め息の量が増えている気がする。

「それにしても、あの人、本当に危険な人なのかな」

組織の裏切り者。

確かに特殊部隊の事を知っていたり不思議なところが多かったけど

悪い人には見えなかった。

次会った時、聞けば答えてくれるだろうか。

「弘崎、何してるんだ」

神矢さんが不思議そうな顔をして立っていた。

その頬にはガーゼが貼られている。

「おはようございます、今日は早いんですね。

怪我、大丈夫ですか」

「大丈夫だ、何でもない」

よく見ると他にも怪我をしている。

親子喧嘩でもしたのだろうか。

「そうですか、そうだ、神矢さんに聞きたいことがあるんです」

「聞きたい事?」

立ち話も何なので神矢さんの部屋に行く。

この施設は地下にあるので窓はない。

昼間でも電灯が点いている。

真っ暗になるのは停電の時くらいか。

「で、何が聞きたいんだ」

珈琲を二つ持って神矢さんが聞いてきた。

また珈琲だよ。

神矢さんの部屋に来るといっつも珈琲。

流石に飽きた。

飲むけど。

「昨日、クリーム色の髪をした男に会ったんですよ」

「クリーム?青目の?」

「知ってるんですか」

「え、ああ、まぁ」

なんだか気まずそうにしている。

莉子さんの話が本当だとするとその人は神矢さんにとっても敵だから

何か嫌な思い出があるのかもしれない。

「裏切り者なんですよね、その人」

「それは違う!」

いきなり大きな声を出したので驚いた。

「あ、悪い」

「い、いえ、俺こそすいません」

「それ、誰から聞いたんだ?」

「莉子さんですよ」

言うと、あぁ、と納得の声を出した。

島木莉子しまぎりこ。確かに彼女ならそう言うか」

神矢さんは一人で納得してしまった。

「本当はどんな人なんですか」

「・・・前に俺に色々教えてくれた人がいるって言っただろ?

その人なんだ」

「え?」

「彼は元々部隊を嫌っていて最初は俺の事も部隊から離そうとしてたんだ。

でも親が幹部と知って渋々教えてくれた。絶対に言わないという条件でね」

なんだ、良い人じゃないか。

「でも、急に成長したら不自然だろ?それを親に問い詰められて

俺は彼の事を言ってしまった」

神矢さんの親は息子に拷問する事も厭わない人だ。

そうとうひどい事をされたんだろう。

「それ以来彼には距離を置かれている。

でも何故か定期的にこの珈琲が送られてくるんだ。

手紙とかはないけど、飲めって事なんだろうな」

俺が飲んでも大丈夫なんだろうか。

まぁいいか。

「じゃあどうして裏切り者だなんて」

「分からない。けどみんな洗脳されたみたいに彼奴は敵だ!

なんて言うから、きっと何かあったんだとは思う」

「本当は良い人なのに」

「そうだな」

彼は部隊にとって邪魔な存在なのかもしれない。

だとしたら、この部隊は何か悪い事をしているのではないだろううか。

「神矢さん、俺部隊が信用ならなくなってきました」

「あまり、そう言う事は言わないほうが良い。

どこで誰に聞かれてるか分からないんだからな」

「気を付けます」

それは、この組織内に俺の敵がいる事を表していた。


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