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俺と先生のフリースクール  作者: 影峰 柚李
先生と生徒編
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第十二章「街へ」

一週間は意外と早くすぎるもので、気が付けばまた休日が訪れていた。

その間俺が学んだ事はそんなにない。

反復練習がほとんどであった。

「時雨君、今日はお店もお休みにして街の方へ行こうか」

先生の提案はいつも唐突である。

しかも詳細を話さない。

「何をしに」

「お買い物だよ」

ここで嫌だという理由はない。

行く理由もないわけだが、

休日を無駄に過ごすくらいなら何かしていた方がいい。

俺と先生は街へと行く事になった。


この辺りは、会社や学校などの機関があるところを街と呼び、

住宅街とは少し離れたところに作られている。

街に住んでいる人もいない事はないが、

余程の金持ち意外は住宅街に住んでいる。

俺は学校意外ではほとんど街へは行かない。

なんとなく息苦しく感じるのだ。

先生はそういったことは全くないらしい。

いつものヘラヘラとした笑顔を浮かべていた。

いや、もはやあれが素なのかもしれない。

「時雨君、はぐれないでね」

「はいはい」

先生は早足で歩き出した。

特に会話もなくついて行くと、細い路地へと入った。

そこには普通に通っていれば見過ごしてしまうような小さな扉があり、その中へと入った。

扉の先は階段になっており、地下へと続いていた。

「柊、いるか?」

先生が呼ぶと、奥から四十代くらいの男が顔を出した。

「なんだ、お前か。こんな昼間に来やがって」

「いつも昼間に来てるじゃないか」

「まぁいい、そいつはなんだ」

男は俺をみて眉間に皺を寄せた。

「僕の生徒さ」

「なるほどな」

毎回なるほどで済んでしまうところが凄いと思う。

この人は一体周りからどんな認識されているのだろうか。

「んで、今日はなんだ」

「靴を買いに来たんだ。

時雨君ってば僕がとてつもない跳躍力を持ってると思ってるんだよ」

「そりゃあ滑稽だな!」

何故かいきなり馬鹿にされた。

「どういう事だ」

「僕が今履いている靴はこの人が作ったもので

跳躍力、スピードが上がって着地の衝撃を吸収するっていう優れものなんだ」

先生が言うと男の人は照れた笑みを浮かべた。

「凄いな、どういう仕組みなんだ?」

「そりゃ教えられねぇな。企業秘密ってもんだ」

「そうか・・・」

機械の事なんて全く知らない俺だ。

聞いてもどうせ分からなかっただろう。

「それで、靴なんだけど。オススメは?」

「新しく作ったんだが、簡単には売れねぇな」

「時雨君、テストだって」

「は?」

いきなり、蹴りが飛んできた。

条件反射的に避ける。

若干鼻を掠った。

「あぶねぇな!」

「どう?いい反応するでしょ」

無視かよ、おい。

「反応だけで良いと思ってんのか」

「大丈夫、僕が付いてるから」

俺は完全に置いていかれていた。

「しょうがねぇなぁ。お前、めんどくさいんだろ」

男はため息を吐いて靴をこちらに投げてきた。

「金はいらねぇよ。試作品だからな」

「ありがとう」

「あんま変な事すんなよ、こっちまでとばっちり喰らっちまう」

「分かってるよ」

それだけ言うと先生は店を出た。

俺はもらった靴を早速履いている。

今のところ違和感はない。

普通の靴だ。

扉を開け、外に出ると日が真上くらいにきていた。

「お昼か」

「何か食べてく?」

先生がそう言って歩き出した時、

「おやおやぁ?そのアホヅラは学校一の馬鹿ヒロト君じゃないかぁ!」

後ろからナイフが飛んできた。


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