第10夜 「主人公の追加設定」
第10夜を公開します。
20150915公開
第10夜は、主人公の追加設定についてです。
第9夜で仮に書いた導入部には、新たに追加した主人公設定がこっそりと盛り込まれていました。
主人公が異世界に居る間の肉体は、亡くなったヒロインのお母さんの肉体という設定です。
勿論、亡くなった後も肉体を保存する事は異世界でも無いので、火葬なり土葬なりで弔われています。
ただし、かの地では、或る『奇跡』がごく稀に発生する事が知られていました。
『再逢の奇跡』と言われる現象です。
それは、亡くなった人の魂が数時間だけ遺族の許に現れると言う現象です。
「黄泉がえり」の様な設定ですが、あちらは確か肉体も伴う復活でしたが、こちらではあくまでも魂だけの復活です。
・・・・本来であれば・・・
ですが、主人公の意識を宿らせた『再逢の奇跡』は通常とは違う経緯を辿ります。
魂だけの復活では、肉体の復活は伴いません。ですから会話は不可能です。
ただし、表情は有るので、復活した魂がどの様な感情を抱いているかは分かります。
まあ、簡単な読唇術くらいは可能でしょう。
それに対して、主人公は肉体を伴って復活します。
この設定は以下の4点を踏まえています。
①女性にも扱い易い剣を造る際の試作品の具合を試すのに、肉体が無ければ不可能
②①をするには「民衛士」経験者が必要
③ヒロインたち家族との交流の幅が広がる
④主人公がヒロインの家族に何かを伝えるには言葉が必要
蘇った母親に当然ですが子供たちは飛び付きます。
その光景を見た父親が違和感を感じます。
だって、抱き付けない筈ですから・・・
そして、『再逢の奇跡』では起こる筈の無い現象は更に続きます。
亡くなった奥さんが言葉を発したのです。
ちょっとそのシーンを描写してみましょう。
人称は、一応主人公視点の「ボク」です。
勝手に蘇る記憶によると、ボクに飛び付いて来た少女はこの家族の長女で、名前はミミだ。
目の前の少女は記憶よりも数歳は年上に見えた。
「お母さん、会いたかった・・・・・」
ボクは何と言っていいのか分からない。
何故ならば、この少女に関する記憶は彼女を産む前から有るのに、その記憶に自分の感情が伴っていないからだ。
少女が示す態度に対してどうすれば良いのか分からないので、取敢えず頭を撫でる事にした。
頭を撫でられた少女は、更にボクを抱き締めた。
肩も震えている。
嗚咽も聞こえて来る。
でも、相変わらず、ボクはこの子に対して他人と言う感情しか抱けなかった。
新たな気配を感じたので視線をそちらに向けた。
ボクと大して年齢が変わらない男性が、呆然とした表情でこちらを見ていた。
持っていた金槌のような形をした道具が彼の右手からこぼれた。
重みを持った音が響く中、更に新たな人物が2人登場した。
小学生の低学年くらいの同じくらいの女の子と男の子だった。
2人はボクの姿を見ると、同時に走り出した。
抱き付いて来た2人の頭を撫でてやる。
男の子の頭を撫でた左手に違和感を感じた。
よく見ると、頭に(側頭部では無く)耳が生えていた・・・
「猫耳?」
その声に、我に返ったのか、先ほどから呆然としていた男性が初めて声を出した。
「お前は誰だ?」
状況が今一分からないながらも、とっさに子供たちを安心させるべく頭を撫でる辺りは、主人公の初期設定の子供好きという事を踏まえています。
うーん、この小説を益々書きたくなって来ました(^^;)
次話はヒロインの設定を見直します。
気が付けば、新規に小説を書き始めても良いくらいに設定が固まって来た気がします。
ですが、この段階で書き始めるとすぐに行き詰まる気もします。
もっと設定を固めることにします。




