暗雲
100pt突破!!
皆さま読んでいただきありがとうございます。
もう少しで主人公強くなりますのでよろしくお願いします。
特に何事もなくクラウスは朝を迎えた。
今日は公爵家にいるということで朝の訓練がなかったので久しぶりに長く寝ることができた。
「はあ~ステータス確認か……絶対騒ぎになるだろ」
長く寝て睡眠は十分なはずなのにクラウスの気分は最悪だ。
何度も言うが10歳でレベル1、魔力100は落ちこぼれを通り越して、もはや呪われてることを疑ってしまう数値である。
一般に落ちこぼれといわれているものですら多少は上昇する。
さらにクラウスの糞ステータスで優れているものはほぼすべて見られたら面倒臭いことになるものばかりだ。
固有職業、固有スキル、異世界の神の加護の3つは見られたら確実に大騒ぎになる。
クラウスが家にあった本で調べたことやヨハンとアリサに聞いてみたところ異世界の神の加護に関してはわからなかったがほかの二つに関してはある程度知ることができた。
職業には必ずその職業に関係するボーナスと職業スキルが存在している。
例えばヨハンの持っている剣士系の職業は上位の職になればなるほど剣を使ったスキルに補正がかかり、上級剣士からは職業スキルである【剣気解放】を習得することができる。
職業による補正や職業スキルは上位の職業になればなるほど強くなるということは職業の最上位に位置する固有職業のそれはほぼ確実に強力なものだといえるだろう。
クラウスの〖月夜の道化師〗と職業スキル【仮面】はパッと見戦闘職業ではないので戦闘においてはそこまで威力を発揮するものではないと思われるが、職業スキルである【仮面】は騙す、演技するということに関してはもっとも秀でてるといえるだろう。
過去に偉業を成し遂げた英雄や勇者、偉人たちもほとんどが固有職業持ちだったといわれている。
有名なものを上げるとすれば勇者は職業自体が【勇者】という固有職業を持っている、そして過去に勇者パーティにいたといわれている魔法系の固有職業である【賢者】や剣士系の【剣聖】や格闘系の【拳聖】なども固有職業だったと言われている。
つまり固有職業というものは持っているだけで破格の能力を得ることができるのである。
現在生存が確認されている固有職業持ちの中でも有名なのはギルド本部長の【破壊者】や古来より勇者を召喚する使命のある、創造の神の名を冠する国であるウランニウス教国の第二王女の【巫女】などがいる。
次に固有スキルである。
固有スキルも固有職業同様に強力なものが多い。
圧倒的なステータス差がないならば基本的に固有スキルに対抗できるのは固有職業か同じ固有スキルだけなのである。
つまりクラウスの固有スキルである【神眼】相手では発展スキルの【隠蔽】程度では全く意味をなさず、もし【神眼】を防ぎたいのなら同等の偽装系のスキルを使うしか手はない。
だが、固有スキルにも種類があり、先ほど基本的には対抗できるのは同等の職業かスキルしかないといったが、ものによっては防ぐことができるものもある。
例えば魔法系の固有スキルの中に【流星群】というものがあり、それは空から巨大な隕石をいくつも降らせるというものである。
逆に言えば隕石を降らせるだけのものであるともいえる。
確かに強力だが同程度の攻撃を当てることさえできれば相殺は可能だということだ。
このように固有スキルにもいろいろとあるため一概に防ぐことができないといえないわけではないが固有スキルと同程度の攻撃を行うことができる者は世界でも一握りしかいないので結局、基本的には防ぐことができないのだ。
これらの理由からそのスキルの効果が何であれ固有系を持っていると知られるだけで大騒ぎになるのは目にみえている。
しかも現在クラウスに反抗できるほどの能力がないため下手したら捕まって一生飼い殺しということもあり得る。
それこそスキルを使いこなすことができれば一人で国を相手にできるのだからしょうがないともいえるだろう、それほどまでに固有系もちは価値があるのだ。
「さて一応もう一回偽装ステータスを確認しておくかな……」
そう言ってクラウスは偽装ステータスを開いた。
レベル 1
種族 人族
職業 【中級剣士】
魔力 100
称号 〖伯爵家〗〖読書家〗
加護 輪廻の神 リインの祝福
固有スキル
職業スキル
発展スキル
【剣術】【身体強化】【縮地】
基本スキル
【算術】【魔力操作】
【身体強化】【危険察知】【速読】【剣術】【闘気】
【高速移動】【直感】
「とりあえず大丈夫そうだな」
偽装ステータスに不備がないか確認し終わったクラウスはとりあえずヨハンに所に行こうと部屋を出た。
よく考えたらヨハンがどこにいるか知らず廊下をうろうろしているとランドルフを見つけたのでヨハンの居場所を聞くことにした。
「ランドルフさん、父様がどこにいるかわかりますか?」
「これはクラウス様。おはようございます。ヨハン坊ちゃまならハインツ様と一階の居間で話しております」
「なるほど、ありがとうございます」
「いえいえ、お役に立ててよかったです。それと私は執事ですので私のことを呼ぶときは呼び捨てで構いません、敬語も不要でございます」
「わかった。次からはそうするよ」
クラウスは早速一階の居間に向かうことにした。
居間につくと同時に怒鳴り声が聞こえてきた。
「ふざけるなよクソ親父!!そんなこと許すと思ってるのか!」
「誰に向かってそんな口をきいているんだ?俺は公爵でお前は伯爵だ。その意味が分からんことはないだろ?たとえ身内でも俺に不利益を与えるものには容赦しないぞ」
ピリピリとした空気が当たりを流れる。
今日の予定を聞きに来たクラウスはいきなりのことで話しかけることもできず入口で立ち尽くしてしまった。
そんなクラウスに気付いたのか二人はこちらを見てきた。
「お、おはようございます父様、お祖父様」
「おはようクラウス。すぐに教会に向かうから部屋で用意していてくれ。俺はまだ父上と話すことがあるから」
ヨハンは笑顔で言っているがその笑顔が引きつっていることにクラウスは気づいていた。
クラウスの【観察】は常時発動型、つまり身体強化などと同じパッシブなので些細な変化にも気づくことが出来るようになっている。
(何があったかは聞かないほうが身のためだな……)
「わかりました。用意が終わり次第もう一度ここに来ることにします」
そう言って素直に部屋に戻った。
「完全に何かあったよな……あんなに怒ってる父さん初めて見たよ」
素直に部屋に戻ってきたはいいがさっきのことが気になって用意に身が入らない。
「あーーーーー気になる。よし!まだ使いこなせないけど【地獄耳】使うか」
気になってしょうがないので昨日痛い目にあったばかりの【地獄耳】を使うことにした。
発動させるとものすごい騒音が耳に飛び込んでくる。
それに我慢して聞きたい場所の音に集中しようと感覚を研ぎ澄ませた。
すると、少しずつ調整ができるようになり段々と音が会話として認識できるようになってきた。
「よーし、聞こえてきた」
そのまま一階の今の方角に耳を澄ませるクラウス。
次第に二人の会話が聞こえてきた。
「それじゃあヨハンさっきの話の続きをしようか」
「おいクソ親父。クラウスを追放するってどういうことだ!!」
「まあ口調は今回は見逃してやる。安心しろ、まだ追放すると決まったわけではない。クラウスがもしもこのエルファス家にふさわしくないステータスだったときの話だ」
「お前はステータスによっては10歳の子供を捨てるというのか!?」
「なにをいってるんだ、当たり前に決まってるだろ?さっきも言った通り俺の不利益になるものは排除する。それに今回のステータス確認にはこの国の王女様も来るんだぞ。他にも多くの貴族どもが来る。そんな中で俺の孫が糞みたいなステータスだったら俺の顔が立たないだろ?」
「お前はいつも自分のことばっかだな。おれは絶対そんなことさせないからな!」
「まあそう怒るな、クラウスはこの年でとても聡明だ。それに俺の孫だぞ?糞みたいなステータスなわけないじゃないか」
そう言ってくるハインツにヨハンは言葉を返せなかった。
クラウスが抱えている欠陥が頭をよぎったからだ。
このままステータス確認に行き表示されるであろう欠陥のあるステータスをこいつが見たらどんな手を使ってもクラウスを排除しに来るだろう。
それに今回は王女までくるという、つまり王族が全員来るということだ。
そんな中で自分の孫が欠陥を持っているなんて知られてしまえばこいつは確実に切れる、下手したらその場で何らかの行動に移すかもしれない。
(その時は俺がクラウスを守らなければ……)
「とりあえずこの話は終わりだ。お前も部屋に戻って準備をしろ、終わり次第教会に向かうぞ」
「チッ、絶対クラウスを追放なんてさせないからな!」
「変なことはするなよ?おれは公爵だ、お前程度ならどうにでもなる。それに別にお前にやる必要もない、お前の行動次第で家族の生活もかかっているんだぞ」
「こんのクソ親父!!」
「はっはっは、なーに心配するなクラウスのステータスが優れていれば何の問題もないのだから」
笑うハインツを無視しヨハンは自分の部屋に戻った。
「あはは、マジ最悪だろこの状況……」
すべて盗み聞きしていたクラウスは最悪の気分でつぶやいた。
クラウスの見せられるステータスでは確実にハインツは満足しないだろう。
むしろ怒り狂ってクラウスのことを追放しようとするだろう。
たぶんヨハンはこちらの味方だろうが相手は公爵だ、たとえヨハンとアリサがどれだけ強くても国レベルを相手にするのは圧倒的に分が悪い。
「どうしようかな……といっても反抗できるほどの能力もないから何もできないんだけどね」
完全にあきらめモードなクラウスはとりあえず準備の続きを始めた。
「とりあえず【危険察知】だけは発動させておくか」
【危険察知】は自分に危険が迫ると落ち着かないような嫌な感じがするのだ。
クラウスは赤ん坊のころ一回だけ使ったことあるがその時は赤ん坊にとって周りのすべてが危険だったようでずっと嫌な感じがしていて全く落ち着かなかったためもっと成長してから使おうと決めていたのだ。
「よし、嫌な感じがしないってことは大丈夫そうだな。さっさと準備を終わらせるか」
そう言ってクラウスは急いで準備をするのだった。
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