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異世界で道化師は笑う  作者: √3
第一章 狂気
14/20

ハゲ狸

遅くなって本当にすいません。

次話はもう少し早くあげられるように頑張ります。

「ただいま帰りました父上」


 そう言ってヨハンはハゲ狸ことハインツに礼をする。

 相手はこれでも公爵だ、家族とはいえもめ事は避けたいのだろう。


「よく帰ったなヨハン。隣にいるのがクラウスか?」


 ハインツはクラウスのほうを向いて質問してきたので、クラウスはヨハンと同じく礼をして自己紹介をすることにした。


「お初にお目にかかりますお祖父様。私がクラウスです。お会いできて光栄です」


 10歳のことは思えぬ行儀の良さで挨拶をしたクラウスにハインツは少し驚いていたがすぐに得意げな顔に変わった。


「まだ10歳だというのにここまで聡明だとは、さすが私の孫だ」


 そう言ってクラウスのことをほめてくる。

 クラウスは剣術と魔法の修行と同時にメイド長のメリッサから座学を完璧に仕込まれていたためなんの問題もなく挨拶を終えることができた。


(掴みは上々だな、とりあえず気に入ってはもらえたかな?)


 クラウスはとりあえずうまくいったとホッとする。


「これは明日のステータスのステータス検査も期待できるな」


 そう言って、はっはっはと笑うハインツだが、そんなハインツを見てクラウスは苦笑いを浮かべることしかできない。

 明日のステータス確認の時、クラウスは【隠蔽】を使って自分のステータスを改ざんするつもりである。

 しかし、【隠蔽】にも欠点が一つある。

 それは自分の元のステータスより大きい値に偽装することができないのだ。

 例えばクラウスの場合【隠蔽】を使ってスキルや職業、称号を偽装することはできる。

 だが、レベルや魔力値は初期値のため偽装することができないということだ。

 つまり、明日ステータス確認でクラウスの異常は確実にばれることになる。

 家族だけなら大丈夫だと信じているが、ステータス確認には同年齢のほかの子やその家族、さらにヨハンが要注意だというこのハゲ狸までくるので確実に面倒臭いことになるのは明らかだ。


(マジでどうしようかな……今から憂鬱だよ)


 クラウスは自分のことをほめてくるハインツを横目に窓の外を見ながらため息をついた。










 その夜、クラウスはいつもならメリッサに座学を教えられている時間である夜の時間が今日は久しぶりに暇になったので、まともに検証できてなかった戦闘系以外のスキルの検証をすることにした。

 いままでクラウスは自分のレベルと魔力の問題でほかのことに頭が回らなかったので、せっかくもらったスキルの検証をほとんどしていなかった。


「とりあえず【千里眼】から試してみるか」


 そう言って部屋の窓から外を覗きながら【千里眼】を発動させた。

 その瞬間一気に視界が変化した、たとえるならカメラのズームを使った時のような感じだ。


「おお!これはなかなかすごいな。ここから王都に来るまでに近くを通った森まで見えるぞ」


 興奮しているのか周りを見渡すクラウス、部屋の壁のほうを向いた時視界が一色に染まった。


「おわっと!びっくりした。そういえば遮蔽物がある場合は透過とかしないんだったな……」


【千里眼】は遮蔽物さえなければその名の通りどんな遠くでも見渡すことができる優れものだ。


「てことはたしか【透視】っていうスキルも一覧見た時にあったな……もしそれを習得できれば【千里眼】と合わせていろんなことに使えるんじゃないか?」


 クラウスはリインのところで見た一覧に【透視】スキルのことを思い出しニヤニヤと笑みを浮かべた。

 おおかた覗き放題とかゲスなことを考えていたのだろう。

 クラウスは表面上10歳の無垢な少年だが精神年齢はまだ前世に引きずられているため17歳の思春期真っ盛りである。

 エロいことを考えるのはしょうがないことだといえるがそれでも10歳の少年がエロイ顔でニヤニヤ笑っている光景は誰かに見られたらやばいレベルになってる。


「おっと、変なこと考えてないで次のスキルいくか。」


 気持ちを切り替えるようにほっぺたを叩き次のスキルの検証に移ることにした。


「次は【地獄耳】だな」


 そう言ってクラウスは【地獄耳】を発動させたクラウスの耳に突然とてつもない騒音が飛び込んできた。


「ぎゃぁああああああああああああああああ」


 ここで【地獄耳】のスキルの説明を再度しよう。


 地獄耳

 聞き耳の発展スキル

 どんなに遠くの音でも聞き分けることができる。

 ただし近くの音ほど大きく聞こえる。

 スキルのON、OFF可能


 |ただし近くの音ほど大きく聞こえる(・・・・・・・・・・・・・・・・)


 つまり遠くの聞き取れないほど小さい音ははっきり聞き取れるくらいになるが通常の状態で聞こえる音に関しては逆に音量が大きすぎて聞き取れないほどの騒音になってしまうのだ。

 ある程度慣れてくれば近くの音の音量の調節などもできるようになるがクラウスは今回が初めて使うので調節できるはずもなくこのような失敗を招くことになったのだ。


「はぁはぁ……耳痛い。油断してた……説明に書いてあるじゃん」


 あの後すぐにクラウスはスキルの発動を止め、すぐさま【神眼】でスキルの説明を表示させた。

 そこにはしっかりとメリットとデメリットが記載されたおり絶賛後悔中というわけだ。

 次からは説明を読んでから検証しようと誓ったクラウスであった。


「さてさて、気を取り直して次のスキルに行ってみましょうか!!」


 いわゆる夜のテンションというやつだろう。

【千里眼】の時からおかしかったが【地獄耳】の失敗でテンションがさらにおかしくなったようだ。


「あと今試せそうなのは……【気配同化】くらいかな」


 そう言ってさっきの失敗を繰り替えさないように説明を表示させる。


 気配同化

 隠密の発展スキル

 自らの気配を周りに同化させることができる。

 スキルのON、OFF可能


「とくに目立ったデメリットはなさそうだな。どれじゃあ試してみますか」


【気配同化】を使用するとクラウスは自分がまわりに溶けていくような感覚に襲われた。

 まるで自分の存在が溶けて薄まっていくような感覚だ。


「人がいないからほんとに効果があるのかわからないけど、自分の気配が溶けていく感覚があるな」


 満足そうにうなずくクラウス。


「もう今確認できるスキルはなさそうだな。それじゃあ寝る前に【隠蔽】で明日用のステータスを作っておくか。


 クラウスは【隠蔽】を発動させステータスを偽装する。

 そうしてできたステータスはこんな感じになった。


 名前 クラウス=エルファス


 レベル 1


 種族 人族


 職業 【中級剣士】


 魔力 100


 称号 〖伯爵家〗〖読書家〗


 加護 輪廻の神 リインの祝福


 固有スキル




 職業スキル




 発展スキル


【剣術】【身体強化】【縮地】


 基本スキル


【算術】【魔力操作】

【身体強化】【危険察知】【速読】【剣術】【闘気】

【高速移動】【直感】



 どこで手に入れたか質問された場合困るスキルは全部隠してしまい職業も無難なところで【中級剣士】に偽装した。

 ちなみに【中級剣士】は【剣士】の1つ上の職業であり10歳で中級になってるというのは才能がある方なのである。

 クラウスの元の職業である【月夜の道化師】は固有職業のため基本職業よりも上位に位置する、よって下方偽装しかできない【隠蔽】で基本職業ならなんでも偽装することが可能である。


「これなら大丈夫かな……うん全然大丈夫じゃないけどこれで行くしかないな」


 とりあえず明日の準備が終わり諦めのようなため息をつき、さらに最近ため息ばっかりついてるな、と再度ため息をついた。


「この年から苦労が絶えないとか……異世界転生っていうくらいだからもっと楽かと思ってたんだけどな。これじゃあ地味にハードモードだな」


 そう言って結局はまたため息をつく。


「幸せが逃げていきそう……もう寝よ」


 先ほどまでのテンションが下がり憂鬱になってきたクラウスはさっさと寝ることにした。


「明日は何事もありませんように」


 そんな願いとともにクラウスは眠りについた。



 クラウスは知らないハードモードはこの程度ではないということを……

 クラウスは知らない理不尽というものは突然だれの了承も得ずにやってくるということを……













感想・評価等もらえるとうれしいです。

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