王都
展開が遅くてすいません。
※感想で指摘され確認したところ【速読】スキルが二個あり、颯太の時点で習得していた【速読】のほうが誤りのため修正しました。
混乱させてしまい申し訳ありませんでした。
クラウスがヨハンと領地を発ってから約二週間程度で王都についた。
道中に盗賊に襲われている貴族か有名な商人の馬車があったわけでもなく、はたまたここらでは生息するはずのない高レベルの魔物が王族を襲っているなどといったテンプレは起こらず、それどころか盗賊自体が現れることがなかった。
道中盗賊が全く現れないというのはかなり珍しいことだが少し考えればわかることだろう。
エルファス家領地周辺とそこから王都までの道というのは盗賊たちにとって超危険地帯という認識がある。
なぜなら領地を治めているヨハンは〖剣鬼〗と恐れられ、さらにその妻のアリサも〖雷帝〗と呼ばれるほどだ。
そんな化け物じみた人物が治める領地と道は盗賊たちにとってその辺の危険地帯なんか目じゃないほどの危険な場所なのだ。
さらにヨハンがこの領地を治めると決まった時、ヨハンとアリサ、二人の冒険者仲間数人で今のエルファス家領地を拠点としていた全体で1000人以上もいる大型の盗賊集団を一日で全滅させている。
ゆえにこのあたりに盗賊があらわれることなど皆無に等しいのだ。
そのため道中完全に暇だったクラウスは顔にこそ出さなかったものの心の中では不満をたれたりしていた。
せっかく異世界に来たのだからテンプレにあこがれるのも当然だろう。
ヨハンという戦力がいる時点でテンプレが起こったところでクラウスに出番はないのだが……
クラウスが王都の門をくぐるとそこには活気ある城下町が広がっていた。
そこかしこで屋台が開かれ、辺りを包む熱気と喧騒で頭がくらくらする。
「驚いたか?王都じゃこれが当たり前だ」
「すごいですね父様……」
父様という呼び方は外用のものだ、身内だけの時は父さんと呼ぶが外で父さんと呼ぶのは貴族として少し外聞が悪いので使い分けることにしている。
(人ごみ自体は前世でもっとすごいのを見てきたからそんなに驚くことじゃないけど、これが当たり前とか完全にお祭り状態だろ……)
王都の人々は皆活気で満ち溢れたような顔をしている、領地にも町くらいあるがここまで活気に満ち溢れたはいない。
さすが王都だな、と周りを見渡しているクラウス、そんなクラウスを満足気にヨハンは見ていた。
(クラウスの楽しそうな顔久しぶりに見たな……)
最近めっきり表情を顔に出さなくなったクラウスが興味津々といった顔で周りを見渡しているのを見てヨハンは安心していた。
当の本人は自分がそんな顔をしているなんて知らないため完全に無意識なのだろう。
「そろそろハゲだ、俺の父に会いに行くぞ」
(今素で間違えたよね……)
「……わかりました」
クラウスは非難めいた目をヨハンに向けるがヨハンは無視しずかずかと人ごみの中を進んでいった。
クラウスがヨハンについていってしばらくするとだんだんと人が少なくなってきた。
(人が少なくなってきたな……逆に豪華な服を着た人が増えてきたな)
クラウスがそんなことを考えながら周りを観察しているとヨハンが急に止まった。
「この門の先からは貴族街だ。問題を起こしたら面倒なことになるから気をつけろ。まあうちは伯爵だから変なことに巻き込まれるようなことはないと思うが一応気をつけておけ」
クラウスの目の前には王都にはいるときほど大きいものではないが、大体三メートルほどの門があった。
ヨハンがなにやら門番と話しているがすぐにこちらを向いて手招きをしてきた。
門をくぐると王都に入った時とは違い豪華な家がいくつも立ち並んでおり、辺りを静寂がつつんでいた。
「父の家は少し先にいったところだ」
そういって進んでいくヨハンについていくと周りより一回り大きい屋敷が見えてきた。
その屋敷の前でヨハンが止まったので確認の意を込めてクラウスは質問してみることにした。
「もしかしてこの周りより大きい屋敷ですか?だとしたら大きすぎません?」
「ああ、ここがエルファス公爵家の屋敷だ。公爵の家だからなこのぐらいでかいのもしょうがない。城のほうがもっとでかいぞ」
(城と比べる時点でおかしいんだよ……)
ははは、と乾いた笑みを浮かべるクラウスに不思議そうな顔をしているヨハンだが、気にせず屋敷の前にいる門番のところへ歩いて行った。
ヨハンが門番に話しかけると門番はひどく慌てた様子で屋敷の中に入っていき、執事服のようなものを着た初老の男性を連れてきた。
「これはこれはヨハン坊ちゃまお帰りなさいませ、そちらはご子息のクラウス様ですね。わたしはこのエルファス公爵家に仕えるランドルフと申します。以後お見知りおきを」
そう言って丁寧な礼をしてくる。
「ランドルフ早速ヨハンを父に見せに行く。案内してくれ」
「わかりました。旦那様は書斎でお待ちです」
ランドルフが屋敷の中へ入っていき、それにヨハンとクラウスもついていく。
さすが公爵家といた感じで家じゅうに高そうなものばかり置かれている。
「それではこの先で旦那様がお待ちです」
「ああ、ありがとうランドルフ。もう下がっていいぞ」
ランドルフはこちらに礼をすると立ち去っていった。
「この中に俺の父がいるが絶対顔に出すなよ」
「わかりました」
よくわからないがとりあえず返事をしたクラウス。
ヨハンがノックをする。
「入っていいぞ」
扉を開きまず初めにクラウスが目にしたのは椅子に座ってパイプをふかすハゲ狸の姿だった……
感想・評価等もらえたらうれしいです。




