登場人物紹介
セイケンガウガツの登場人物紹介です。
現在は第二章までに登場した人物の『ネタバレを含む』紹介をしています。
物語を楽しみたいという方は飛ばして序章読むことを推奨します。
二宮彩華
天和帝国大学院の一科に在籍する15歳の少女。
肩先まで伸びる少し癖をもった暗褐色の髪に、年相応とは言い難い童顔。
穏やかな体裁の端々に見える無邪気な表情は愛くるしく、152糎、45瓩の小柄な体格とも相まって小動物のごとき雰囲気を出している。
本人は子ども扱いされる事を嫌がる節があるが、周りからはよく頭を撫でられたり、抱きつかれたりと子ども扱いされることが多い。
英雄の末裔なだけあり入学試験は首席で合格。
寮では夏姫と同室。
清和省長官の清和夏貴とは許婚の関係にあり、彩華は夏貴に惹かれている様だが、夏貴の事情により縁談は破棄された。
所持する聖剣は『雪景』。
その能力は使用者にかかる重力や摩擦を軽減させるもの。
英雄としての異能は以下の通り。
第一段階『治癒』。
第二段階『不明』。
最終段階『時空間操作』。
この異能は後述の清和和貴が遺伝子に細工をしたことにより生み出されたもの。
第一段階では瞳。
第二段階では髪。
最終段階では双方が各自決められた色に変化する仕組みを取っていて、彩華には『緋色』が当てられている。
サイ
既に崩壊してしまった世界から来た観測者。
第一章の時の翁編では時空間を操作する能力を駆使して、自らの世界では止めることのできなかった崩壊を阻止しようと暗躍する。
時間遡行後に起こる些細な変化も見落とさない様に記録し、失敗する度に英雄の最期を見て来た苦労人。
彼女の記録に基づいてこの英雄譚は作成された。
第二章では標的となった彩華の能力を覚醒されるために夏貴と共闘。
『同一人物が二人いるとそのどちらかしか能力を発揮することができない』という夏貴の非情な宣告の元に、彩華を庇い、自らが凶弾に倒れることを選択した。
その正体は言わずもがな別世界の二宮彩華が成長した姿。
それを知っている夏姫は、貧乳であることに悩む彩華に胸は大きくなるから心配しなくてもいいと言うほどに、見違えた大人の女性の姿をしていた。
志波夏姫
天和帝国大学院の三科に在籍する16歳の少女。
身長172糎。
腰まで伸びる長い黒髪に、中性的な整った顔立ち。
声は少し低く、その所作は洗練された優雅さに満ち、大和撫子のような印象を与える。
その反面、巨体の狼に一足で飛び乗る運動神経の良さや、時折見せる高圧的な一面を持つ。
世界最高峰の研究施設との呼び声高い清和省こと、特別技術開発局に所属し、序列は5位とその高い才能を認められていて、その事により浪人や留年が許されない学院に一年遅れての入学を許されている。
本人はただ死んだ父親の跡を継いだだけだと謙遜しているが、独逸に渡っていた8年強の時間で名門の伯林大学院の全科全工程での博士過程を修了している知の化け物である。
また独逸時代には独逸軍に所属しており、その階級は大将。
武術の才能にも恵まれており、独自の考えによる消極的な面を除けばほぼ完璧な人間といえる。
英雄四家の一族ではないが、普通の人間には目視できない異能を可視できる青い眼鏡型の端末を所持している。
特定の分野では兄である序列1位を凌ぐ実力を持ち、表舞台に出ない彼の代理として表立った行動を取ることも。
主人公ではないが、現在のところ本作品の鍵を握る重要人物。
清和のタカ
本名、清和夏貴
清和省序列1位。
天王寺悠仁に匹敵する力を持っているらしいが、代々の序列1位と同様に表舞台には出てこない。
序列1位の異名が清和のタカ。
夏貴はその5代目に当たる。
本人いわく、夏姫とは一卵性の双子で、どちらも中性的な顔をしているため見分けがつかない。
声は夏貴の方がもちろん低いが、中間の高さで二人とも話すことによって同一人物であるように見せていた。
北山将也に見破られた後は正体を隠すことを辞め、見分けがつくようにと髪留めをつけるようにしていている。
本編で最も謎が多く、また多くの謎の答えを知っている人物であり、彼の決断1つで世界の明暗を決められる程に力を持っている。
英雄四家の末裔
天王寺悠翔
学院の一科に在籍する3回生。17歳。
学生議会の副代表と一科会の会長を務めている。
癖を矯正した短めの黒髪に、はっきりとした自信を感じさせる目元。
天王寺の後継として表舞台に立つことも多いため陰では美容に気を付けているらしい。
158糎51瓩と平均的な体躯。
才覚は3回生首席と学院内でも優れたものを持っているが、器がまだ完成していないという父親の言葉通り精神的にまだ未熟な部分がある。
そのため理想を妄信してしまい周囲を困らせることや、代表選挙で淡雪に敗けたのは淡雪の胸が無駄に大きいからだと八つ当たりをすることなどがしばしばある。
普段の外見が地味で目立たないと考えている分、金髪になり、翼の生える異能発動時の姿をすごく気に入っている。
所持する聖剣は『雲斬』
その能力は剣先から衝撃波を飛ばすもの。
英雄としての異能は以下の通り。
第一段階『不明』
第二段階『飛行』
最終段階『不明』
前述の通り発動時には金色に変化する。
市倉 純
学院の一科に在籍する2回生。16歳。
学生議会の外務官と一科会の副会長を務めている。
髪を茶色に染め、首や腕に金属製の華美な装飾品をつけるなど学院内で悪目立ちする風貌の持ち主。
口調も敬語を使わず、交渉ごとには向かない印象を受けるが、その見た目とは裏腹に常識的で論理的な話術を駆使し、交渉を有利に進める強かさがある。
所持する聖剣は『月下美人』
その能力は不明だが、翁との戦闘の際には雲斬同様の衝撃波を飛ばしていた。
英雄としての異能は以下の通り。
第一段階『強化』
第二段階『不明』
最終段階『不明』
異能発動時は黄玉色に変化する。
小金井 稜希
学院の一科に在籍する2回生。16歳。
学生議会と一科会の元気印を務める。
黒い髪は後頭部で結い、そのまま垂らしている。
活発であまり落ち着いた行動を取らないせいか、常に髪が犬の尻尾のように揺れている。
語尾を伸ばす癖や、人に愛称をつけて呼ぶ癖があり、はるりんと呼ばれることを全力で拒否した悠翔以外は変な愛称をつけている。
幼い頃から剣術を嗜み、刀を握ると人格が変わったかのように凛とした姿を見せる。
所持する聖剣は『睛』
これも月下美人同様に能力は不明。
英雄としての異能には以下の通り。
第一段階『不明』
第二段階『不明』
最終段階『不明』
前述の通り異能に目覚めていないため色の変化も不明である。
天王寺悠仁
天和学院都市の4代目当主。天和帝国大学院の最高責任者も務める。
齢38と政治家としてはまだまだ若いが、その求心力は国内屈指。
彼の交渉によって生み出される経済効果は年間200京を越えるとも言われている。
悠翔を娘として持つが、仕事の都合上別々に暮らしているため学院での姿をみて、躾をしっかりとするべきであったと後悔している。
また、旧知の仲であった志波和貴夫妻が亡くなった後、身寄りがなくなった夏貴と夏姫の身元保証人となり天和へ呼び戻した。
しっかりしているように見えるが、何かしら抜けている所がある。
その事を学生時代には自分の弱点だとして克服しようとしていたが、和貴の一言によりその弱点すらも自分の魅力に昇華させた。
二宮智華
彩華の母親で東京在住。
職業は政治家。
清和省関係者
源 貴文
清和省序列2位の爺様。
源さんや源爺と呼ばれ慕われている。
86歳と高齢にも拘らず、定年もせず第一線で働く鉄人。
清和省には天和発足以来から所属しており、実は2代目清和のタカであり、夏貴やなつきの曾祖父にあたる。
志波 和貴
本名、清和和貴
元清和省序列5位。
夏姫と夏貴の父親であり、淡雪の師。
時の翁により暗殺された。
享年37歳。
悠仁とは学生時代からの仲で、彼が全幅の信頼を寄せていた数少ない友人である。
また4代目の清和のタカとしての顔を持つ。
その才覚は歴代の長官を凌駕し、彼の没後には彼なしでは天和が回せないと混乱が生じ、まだ留学中であった夏貴らの帰国を余儀なくされた。
その功績は数知れず、中でも特筆すべきは世界が崩壊する危機にいち早く気づき、その対応策として異能を生み出したことであろう。
ただ、彼が倫理に反してまで何故そのような方法を取ったのかなど、亡くなってしまった今では解明できない謎も数多く残されていて、その解明が今後の展開を左右するものであることは明白な事実である。
沢村 佑樹
清和省序列6位。
夏貴の右腕として働く眼鏡をかけた地味で根暗そうな40歳くらいの男性。
機械と接することは得意だが、人と接することは苦手。
仕える主である夏貴に直接会ったことはない。
石原
清和省序列20位。
源爺の右腕として働く男性。
清和省の中では話術に長ける方で、時折学院生に対して講義を行っている。
佐伯 淡雪
清和省序列36位。
学院では学生議会の代表と三科会の会長を務める3回生。17歳。
研究の邪魔になるからと短く切り揃えた黒髪に、女優顔負けの眉目秀麗な見た目。
159糎54瓩の体躯は出るところは出ていて、引っ込むところはきちんと引っ込む理想的なものだといえる。
見た目の人気だけで代表の座に就いたとやっかまれることが多いが、三科内では在籍一年目から清和省に就職を決めた過去最高の三科生との呼び声高い。
出生の格式は高くなく、庶民的な言葉遣いをする。
特に職場の上司である夏姫とは仲がよく、なつきちと呼ぶ。
志波家の住民たち
大上さん
体長が3米を優に越える白い狼。
白銀の神狼と自称するだけあり、人間の言葉を使い会話をする。
夏貴を背に乗せて散歩をすることが趣味で、その最高速度は時速100粁を越える。
夏貴のことは『主』、夏姫のことは『姫』と呼ぶ。
詩穂
志波家に住み込みで働く侍女。
15歳と若いが家事や炊事の腕は一流。
人見知りが激しいらしく、よく夏貴にくっついている。
大上 凍夜
清和省序列37位。
192糎の身長に白銀の髪と本人の意思とは関係なしに目立つ存在である。
独逸時代からの夏貴と夏姫を知る数少ない人物で、夏貴のことは『なつ』、夏姫のことは『姫』と呼ぶ。
寮では佐伯淡雪と同室。
普段の物腰は丁寧だが、面倒なことは嫌い。
無駄なまでに絡んでくる淡雪のことを嫌っている節がある。
暗躍するもの達
預言者
正体については一切が謎に包まれた人物。
2年前には志波教授夫妻。
第一章では天王寺悠翔。
第二章では二宮彩華の死を明示する預言の封書を送っている。
敵か味方かも不明だが、夏貴と夏姫はこの預言者の正体を知っているようで、この事件の黒幕だと言っている。
時の翁
本名、伍代 博士
右手に巨大な鎌。左手に懐中時計を持つ翁。
見た目の年齢に対して、異常なまでの筋肉が隆起しており、能力を解放した悠翔の音速に対応できる化物。
ヘルバウンドと呼ぶ黒い犬を従える。
夏姫曰く、その原型は欧州の神話に出てくる時の神。
戦闘時にはその名に恥じない、まるで時を止めたかのような行動を見せる。
時間停止は科学によって生み出された懐中時計を模した機械によるもの。
大鎌によって熱量を吸収し、それを鎖で繋がった懐中時計の原動力へと代えている。
元々は和貴に仕えた清和省序6位で、実際の年齢は40そこら。
夏貴に敗北した後はサイの力にで本来の姿に戻り、家族と共に幸せな生活を送っている。
四谷 雅彦
仮面をつけて夏貴と彩華の前に現れた二人目の刺客。
元清和省序列8位。
停戦規約が定められている中、軍事開発を主に行っていた30代後半の男。
火器の扱いに関しては天下一品で、自らの開発した遺伝子追尾型弾頭を使用して彩華の殺害を画策していた。
その目的は彩華の能力を覚醒させ、来る世界滅亡の筋書きを阻止するため。
何故に仲間と共に和貴を暗殺してまで離局することになったのかは明かされていないが、夏貴との間にその事に関しての確執はない。
清和省復帰後の序列は33位。
その他学院生
北山 将也
学院の二科に首席で入学した新入生。
負けず嫌いなところがあり、他人に対して高圧的な態度を取るところもあるが、根の部分は素直。
日本の経済を支える北山財閥の御曹司で、両親によって磨かれた物を見る目は夏姫と夏貴の違いを見抜くほどに素晴らしいものがある。
南野 弘毅
学院の二科に次席で入学した新入生。
普段は冷静に物を見ているように思えるが、自分の思い通りにならないことが嫌い。
疑似社会訓練では夏姫と凍夜に敗北したことを認められず、立ち塞がるなら殺せば良いと短絡的な思考に陥る。
現在は天王寺悠仁に身柄が引き渡されて、その能力を正しい方向に活かすための指導を受けている。
湯川、中本、相澤
順に学院の三科に次席、三席、四席で入学した新入生。
疑似社会訓練では状況の変化に対応することができず苦渋を飲むことになった。