閑話
鷹橋海咲は、神条新也が大罪使徒に乗っ取られたことを知っていた。
人から聞いたのではなく、感じ取れてしまったのだ。
「助けないと。」
悲しいことにこの言葉は、ただの作業をするため、みたいな雰囲気で出た言葉だった。
「やめろ。」
しかし、黒服の男が海咲が行こうとするのをやめさせた。
「私の仲間がピンチなんですよ。だから私が行かないと。」
これまた、怒りの感情も何もなく言ってしまうのが悲しい。
「アレ程度倒して貰わないと困るのだが。」
「それも計画?」
「計画、計画、計画あなたは何がしたいのですか?」
なんで怒れないのかな?
普段だったら怒鳴り声をあげていると思うのだけど。
「そのそも、あなた達が作ったんですよね?」
「そうだ。」
「どうしてあなたは、世界に利益をもたらせない存在なんて作ったんですか?それと、あなたの計画に必要ないでしょ。」
「確かに、大罪使徒の半数は計画に支障をきたすだろうが、必要なのだ。」
「なぜ?」
「天使と悪魔を滅ぼすためのものを作るため、それと権能から歪みを消すためだ。」
「歪み?」
「なぜ私が歪みが少ないのかわかるか?大罪使徒のおかげだ。私と似た傾向のものが現れたからこうやって歪みを取り除くことができた。君だって感情を取り戻したいとは思わないのかね?」
「そりゃそうですよ。」
「こういった権能の歪みをなくすためには、実験をしないといけないのだ。」
「まさか人体実験?」
「そうだな、人体実験だ。」
「異常者。」
「異常者か、的確だな。」
「それで、なんで天使と悪魔を滅ぼそうとするんですか?」
「その理由は、奴らが居るとこの世界は未完成のままになるんだ。」
「未完成?どういうことですか?」
「君はこの世界の人間じゃないから、わからないだろうけど、この世界は何かしらの力が働いているんだよ。」
「ん?」
「第一なぜ、魔族、魔獣、魔物が必要なんだね?」
「⋯。」
「不思議なことに、魔族を一度滅ぼしてみたが、翌年、前年と同じ数になっていた。おかしいと思わないかね?」
「⋯。」
「魔獣、魔物も全滅させたこともある。そして人間の世界も。」
「⋯。」
「不思議なことに、次の年が来たら、何事もなかったように、元に戻っていた。」
「それは本当の話なんですか?」
「本当だ、だから、私たちはこの世界自体を変えられるようにしようとした。だが....
「あの事件ですか。」
「そうだ、だから、天使と悪魔を滅ぼす。」
「あの〜微妙に話をそらされた気がするんですが。」
「ああそうだったな。」
「で、なんで行っちゃだめなんですか?」
「やつが最弱だからだ。」




