現実
しかし現実とはうまくいかないことがおおい。
救援の人が来る前に、イフリートが炎を噴射してきた。
どうやら俺等がパニックになっているときに、チャージをしていたようだ。
それと最悪なことに、俺が一番前に立っていたということだ。
その業火に焼かれてしまったのだ。
熱い、熱い、痛い、痛い、う.....やべえ......俺死ぬの?え.........
俺の命はここで終わるのか.....。
「ヒール、ハイヒール。」
その業火はどうやら俺を焼き尽くせなかったようだ。鷹橋さんのお陰で、どうやら俺はギリギリ生きているようだ。
「皆さん伏せてください。」
次の瞬間イフリートが、音もなく消えていた。
「皆さん大丈夫ですか?」
「ええ、あなた達が来たのでなんとかなりました。」
「皆さん、戦闘で疲弊しているでしょうから、こちらのポーションをぜひ飲んでください。」
「ありがとございます。」
そして、俺達は救世主からもらったポーションを飲むことにした。
次の瞬間、全身がしびれた。
「ッ」
舌が動かない、どうなっているんだ。
「よし、被検体を確保した。」
「いや〜こういうのに耐性があるやつがいなくてほんと良かったよ。」
「これで我々の研究が格段と進むぞ。」
「よしお前ら、被検体を運ぶぞ。」
まずい、これはほんとにまずい。
あいつら、助けに来たんじゃねえのかよ。
まさかと思うけど、イフリートが来て騎士団長が来ないって、まさかこいつらが画策していたことか?
まじかよ、これだったら死んだ方が良かったんじゃないか。
どうすれば良いんだよ。ほんとに本気でまずい。
異世界生活が異世界モルモット生活になるなんて、冗談じゃないぞ。
そう思いながら、周りに視線を移した。
しかし、みんな諦めモードに入っているようだった。
新也が気力でなんとか膝立ちになっているぐらいで、終わったという雰囲気が漂っていた。
『終わった』
誰もがそう思った時
先ほどとは違う威圧感、いや圧倒的恐怖がこの場を覆っていた。
「何だ、何が起こった。」
どうやらこいつらも、これは予想していなかったようだ。
あれか、イフリートがまだ生きていたとか、か?
「おかしい、イフリートはちゃんと元の世界に戻したはずだ。何度もやってきたことだ、失敗することはない。」
「じゃあもしかして...。」
「まじかよ.....。」
目の前には黒服の長身の男が立っていた。
「いったい何をしているのかね?」
「それはこちらのセリフだ。何をしに来たエンゼル教大罪使徒『反転』!」
「そちらこそ、何をしているのかね、パンゲア教団。」
エンゼル教?パンゲア教団?いったい何の話だ?
「お前たちはいつもいつも意味がわからない行動ばかりしやがって、こっちの研究所がいったい、いくつ潰れたと思っているんだ。」
「そんなことを言われても、私ではどうしようもできない。一人一人矯正してもきりがないからな。」
「で、貴様の目的は何だ?我らの邪魔をするのなら容赦はしないぞ。」
「君たちこそ、世界の真理を知るためと言って、非道なことをしているではないか。私は自分自身が正しいとは思っていないが、君たちがやっていることはとても傲慢なことだとは思わないのかね?」
「傲慢の何が悪い。我々には世界の真理を知るという大義があるのだ。」
「君たちの大義は、別の視点から見たらただの悪義ではないか。」
「うるさい黙れ、喰らえプロヴィネンス。」
プロヴィネンスだと、一級魔法をそんな簡単に使えるってまじかよ。
てかなんであいつ無傷なんだ。
「ち。本当にふざけているよなお前ら、とくに大罪使徒さんよ。権能とかかふざけた能力を持ちやがってさ、お前らは努力するものを踏みにじっているだけじゃねえか。」
「まあ、そうだな否定はしない。」
「これ以上の会話無用だな。今度こそ死ね。」「特級魔法プリンキピア。」
「魔力反転・アンチマジック。」
次の瞬間パンゲア教団の魔法が爆ぜた。
幸いにもこちら側には被害が出ていなかったが、恐ろしいぐらいの爆発だった。
「さらばだ。」「ジ・ワールド・クラッシャー」
その瞬間色が反転したように見えた、いや確かに反転していた。それと同時にものすごい耳鳴りがした。
その威力は凄まじく、周辺の森が一瞬にして吹きとんでいた。
その爆風でクラスメイトたちが2~3mぐらい吹き飛ばさえていた。
「では、さらばだ。」
黒服の男は音もなく消えていたのであった。




