先に行かなければ、───────
「腐っている、どうしてこんなふうになるんだよ。」
一度不平不満を言い出したら、どんどんと溢れてきそうだ。
鷹橋海咲は、大罪使徒『背信』という名前で、これからは通すようだ。
普段なら、相手から現れないと存在していることがわからないから、こちら側で言われる通り名などは無いが、今回は異例のことで、早急に始末するようで、勝手に通り名を作ったそうだ。
王国に歯向かう、裏切り者⇒背信者ということで、『背信』という名前にしたそうだ。
そもそも、エンゼル教に入っているわけではないので、勝手に大罪使徒というのはおかしいと思うが、お偉さんがたが決めたことだから、どうしようもない。
「俺が戦った方が良かったのかな?」
あれからということ、俺はずっとそう思っている。
もし、俺の加護がゲームのセーブ・アンド・ロードみたいな能力だったら、俺は迷いなく自分が戦う道を選んだのだろうか?
「わかんねえな。」
仮にその能力を持っていたとしても、迷わず自分が戦いに行く決断ができるかはわからない。
「安全に生きる。」
そう言ったけど、別に仲間を失ってまで、この道を歩みたかったわけではない。
この結果を知っていたらな.....
多分これはみんな思っていることだろう。
「やめよう。」
俺は鷹橋海咲のことを考えるのをやめようと思った。
いくら今ああしていたら、こうしていたら、と思っても、意味がない。
こんな事考えているなら、元に戻す方法を考えていた方が幾分ましだろう。
今の俺にできることはもう二度と同じようなことを繰り返させないように努力するぐらいだ。
────────────────────────────────────
神条新也は、後悔していた。
僕が
「みんなで悪い奴らをやっつけよう。」
などと言ったせいで、こんな結果になってしまったんだ。
この結果を導いたのは、半ば新也のせいだと言っても、間違っていないだろう。
もちろん他の人に聞いたら
「お前は悪くないよ。」
というだろう。
だけどそれが何だ。
1%でもこの道に導く原因を作ったのは新也にほかならないのだ。
「クソ、クソ、クソ。」
仲間の一人も救えないで、何が勇者だ。
俺は、ただの偽善者じゃないか。
「クソ、クソ、クソ。」
俺に力があったら。
もしあの時俺にガイアを一撃で倒せる力があったら.....
『力が欲しいか?』
ああ欲しいとも。
『どんな力が欲しいのかね?』
圧倒的な力だ。
『ほう、圧倒的力?』
そうだ、誰にも負けない圧倒的力が欲しい。
『授けられなくもないが?』
本当か?
じゃあくれないか?
『ただし無条件にあげるわけにはいかないな。』
どんな条件が必要なんだ?
『契約を.....うっ』
どうしたんだ?
『問題ないサ、』
『やっぱ、契約いらないヨ』
そうかどうすれば良いんだ?
『へへ、単純なことサ、俺様の名前を唱えれば良いのさ。』
名前は?
『俺様の名前は、セフィラム=ルーシャ』
わかった、唱える。
「セフィラム=ルーシャ。」
『ヒャヒャ。』
どうしたんだ。
『いや、バカだなってww、ww。』
何が面白いんだ?
『だって、俺様、エンゼル教・大罪使徒・堕天セフィラム=ルーシャだからサ。』




