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もう戻らない、戻れない

鷹橋が権能もちになったことは悪いことだけではなかった。

権能のお陰で救えなかった親友を救うことができたのであった。

それと、戦闘のせいでめちゃくちゃになった、この場所も一気に元に戻っていった。

そして、こうなった原因のガイアも倒すことができたわけだった。

しかし、うまい話には裏がある。

戻れないのだ、元の自分に戻ることができなくなってしまったのだ。

権能の力を行使しても、自分だけは何をしても戻らないのだ。


「ああ、ああ、ああああああああああああああああああああああああああああああああ。」


いったいいつまでこうなっているの?

なんで?

どうしたら元に戻れるの。

嫌だ、怖い、助けて。

なんで空が赤いの?

どうして、救ってよ。


この状況下だったら誰も手を取ってくれそうにない。

周りの目はもはや、大罪使徒を見ているのと同じような雰囲気だった。


「何だ、なにが起こっているんだ。」


突如として仲間だったものが、いきなりわけのわからない状態になったからだった。

周りは新しい大罪使徒が生まれたんだと言う感じだった。


ああ、もしかしたらこうやって大罪使徒が生まれたのかもね。

得体が知れないから、排除しようとするから、できちゃうのかね。


「海咲、ねえ海咲どうしちゃったの?」


救った親友もまるで、化け物を見ているようだった。


『誰か救って』


今はたったこの一言すら言えなかった。

体が思うように動かない。


「たっ大罪使徒だ。殺せ。化け物になる前に倒すんだ。」


やめて、今の私に近づいたらどうなるかわからない。


次の瞬間、攻撃しようとした人はみな、砂のように消えていった。


やめて、私に近づかないで。

誰も殺したくないの。


次の瞬間殺したはずの人が蘇った。


なんでどういうこと?


「あいつ、人の生死を自由自在に操りやがって。人をバカにしているのか。」


違うそうじゃない。

なんでそうなるの。

ねえ、誰か救ってよ。


そして段々と今のこの思考が消えそうな感じがしてきた。

どうやら権能が定着し始めたようだった。


ああ、ごめんね、みんな、もう会えそうにないな。


「ごめんね、そしてさようなら。」


最後にこの言葉だけ言えた。


そして、この世に十三人目の権能持ちが誕生したのであった。

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