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【暗殺者達の群像劇】F 不老不死の殺し方  作者: 愛良絵馬
第四章 終幕に至る細い道筋。
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焼死

   *由奈由*


 その大きな黒い空洞のような瞳は、恐ろしく、身を震え上がらせるのに十分な威力があった。

 ザクロくんに感じたのと同じ、いや、それ以上に、ヤバい気配。


 間違いない。この男こそが、水無月さんとキリクさんが2人で退治しに行ったはずの危険な男。

 そんな男と、水無月さんを取り囲むように、炎が燃え盛っている。

 危ない。早くそこから逃げて欲しい。


 そう思うが、彼女の背中には、ぐったりとして動かない女の人。

 逃げ場の見えない状況に、一石を投じれるとしたら、私だ、とキリクさんは言った。

 だから、震える手を握りしめて、拳にして、私は一歩を踏み出す。


「お前が?」


 抑揚のない声が、男の口から漏れた。瞬間、水無月さんを取り囲んでいた炎が、吹き消された誕生日ケーキの蝋燭のように、フッと一斉に消えた。

 次の瞬間、男が目の前にいた。

 あまりに強靭なバネの脚力で、駆けてきたのだ。何が何だかわからないまま、私の体は炎に包まれる。


「〜〜〜〜〜〜ッ!!!」


 喉が焼けて、声が出ない。

 熱い、熱い、熱い、熱い。皮膚が溶けていく感覚。嫌だ!!!!


 ぷつん。


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