第十二章『終焉戦争後の世界』その㉔
祝☆100部突破!
でもなにもないよ!!
いやむしろ悪い知らせだったらあるよ!!
それは後書きに書いてます
特に重大なことではないですが目を通してもらえると嬉しいかな
「しかし…あついな」
「あぁ、確かにあつい。でも俺が思うに、その主たる原因は今まさに目の前で繰り広げられている事が起因しているんじゃないかと思うのだが…城崎はどう思う?」
「あー、まあ…多分そうだろうよ」
そんな温暖の気候に中てられ幾分が気だるげな会話が背後から聞こえてくるのを、私は左右両側から飛び交う小競り合いの渦中であることに知らず知らずため息を溢す。
別段私がどうこうしたわけでもなく発展した小競り合いは、レアと共に王都を目指すことになってからというものずっと続いており、始めこそ仲裁に入ろうとした私と城崎だったがグレモリーとエリミエル両名からの『譲れない』という圧に口を閉ざす他なかった。
いつしか始まった私―ミョルエルの好きなところ言い合い合戦には何故か城崎も参戦したが、レアの次に私との付き合いが浅い城崎は早々に打ち負かされ何やらしょげた様子になってからは、完全に二人の言い合いに口を挟まなくなってしまった。
他にも私にまつわる事で言い争いをしているが、意外なことにグレモリーの正体はバレずにいる。
といっても少なくとも人間ではないと判断しているのか、たまにエリミエルは探りを入れる様な問いかけをグレモリーや私に飛ばしている辺り、薄々はグレモリーの正体に気付いているのではないかと私は考えていた。
その上で、何故私と共に行動しているのかがわからず、また友好的に接している姿を目の当たりにしている為に決め手となる一手を打ち損ねているように感じられた。
僥倖なのはエリミエルがそのことに対して嫌悪はしていない、ということだろう。
でなければ、この時より二日ほど前に周期的に起こった新月の時にでも力でねじ伏せていたはずだ。
そうはできない問題としては、グレモリーの正体や実力が正しく図れないが故にエリミエルは攻めあぐねてる様子だった。
いくら人間の姿になっていたとしても隠しきれないものはある。
それを直感的にでも察しているエリミエルは流石だと感心せざるを得ない。
「ん~もう、拉致があかない!いい加減潔く諦めたらどう?」
「それはこちらのセリフだ!」
普段の言動からグレモリーはまあいいとして、エリミエルが同レベルの―いわゆる幼子の様な言い争うをしているのはどうかと思い、私はいい加減煩わしくなってきた口論を止めさせるべく一際大きなため息で以て二人の口を一時閉ざさせた。
「いい加減にしてください二人とも。合流してからというものずっと二人の口論を聞かされる身にもなってください。まずグリア」
そう少し冷ややかな視線をグレモリーへと向けると、グレモリーは僅かに身体を跳ねさせ恐る恐るといった感じで私へと視線を合わせた。
「私を実の姉の様に慕ってくれるのは大変喜ばしいですが、エリミエルは私の大切な友人です。私同様に接してほしいとまではいいませんが、もう少し仲良くしてください」
「うぅ…ごめんなさい」
『大切な』という部分に一際大きな反応を見せたグレモリーは、少し叱りつける様な私の口調に圧され素直に謝罪の言葉を口にする。
エリミエルはというと、何故か誇らしげな表情でグレモリーへと視線を向けていたが、私が視線をグレモリーからエリミエル自身へと向けた時には、僅かにだが動揺するような動きを見せた。
「そしてエリミエルは大人げないです。グリアの事は実の妹―とまではいきませんが、貴方と同じくらい大切に思っているのです。そのグリアを多少なりとも存外に扱うのは許容しかねます。直ちに認識を改めてください」
「うぅ、すまな―…ごめん、なさい」
『すまない』というところを『ごめんなさい』と言い変えたあたりエリミエルは私の言葉を真に受け止めてくれたようで、私へと向けていた視線をグレモリーへと向けてはバツが悪そうに外し、また向けては同じように外すといったように視線を彷徨わせながらも言葉を紡いだ。
「その、なんだ…悪かったな、グリア。ミョルのいう通り大人げなかった、すまない」
遠からず、何故か誇らしげな表情をエリミエルへと向けていたグレモリーだったが、その人物がしおらしい態度を見せたことでその表情を潜めては同じように視線を彷徨わせ言葉を紡いだ。
「え、いや、グレモ―グリアもちょっとムキになっちゃった…えーと、その…ごめんなさい」
そうグレモリーが頭を下げたのを意外そうに見ていたのは私だけではなく、私たちの少し後方でレアと共にいる城崎もまた意外そうな声を漏らす。
そのことに若干鋭い目を一瞬だけ城崎へと向けたグレモリーだったが、視線を戻した時にはそのなりを潜め再度頭を下げると、エリミエルもまた頭を僅かに掻いてから小さく頭を下げた。
「うん、これにて一件落着ですね。お互い気持ちの整理はつきましたか?」
「ん、多分もう大丈夫」
「あぁ多分大丈夫だ」
私の問いかけにほぼ同時に返事をしてから顔を見合わせはにかむ二人。
本来であればあり得はしない事ではあるが、事態が穏便に済むに越したことは無いため私も自然と頬が緩む。
どうか今だけでもこのまま平穏であることを、当時の私が切に願っていたのを思い出す。
そして、その次の日の朝に寝ぼけたグレモリーが私とキスしたことによって平穏は瓦解し、本当に短かったなぁと呆れてしまったのも思い出した。
ついに遂にで100部到達だぁぁぁ!!
だけどまず初めに知っておいてほしいこと
それは後半は後半じゃなかったってことですね
書き込めば書き込むほど内容が膨れて十二章が終わりません
自分は別にいいのですが読み手に回った場合どう感じるかはわからないので少し怖いです
まあ何はともあれまだまだ全然続きます
なのに8/16の時点でまだ20000文字程度しか書けていません
ひとまずかけている部分だけでも予約投稿しておきます
突然3日更新が止まったときはそういうことだと察してください
てことで次の投稿は8/20(土)です
これからも天使のパラノイアをよろしくお願いします