表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

プロローグとティーポット。

ーーーーー


「コラ!!!またお前か!!!」


放課後。


生徒指導部の怒声が廊下に響く。

毎日毎日懲りずに彼を怒鳴りつける。

だが、そんな事を気にする様子もなく彼は無視をし続けた。


彼の名前は夏川(ナツカワ) ハルク。


ハルクが怒られている理由は実に単純で、素行が悪いという理由だ。

髪の毛は燃えるような赤色に染め、制服改造に加え、授業にはロクに参加もせず、無断欠席が多いなど。

そんな彼が退学にならない理由は学園長の孫という理由である。


それからハルクは校舎を出た。


(……毎日毎日うるさい。教師なんて、学校なんて…皆嫌いだ)


ハルクは"ある事件"から学校も生徒も教師も、血の繋がりがある実の祖父の学園長ですら大嫌いであった。


(…お前の居ない世界はつまらない。からっぽだ。生きる価値なんてない)


ハルクは毎日が退屈だと思っている。

そして生きる価値もない、と思っている。

ハルクには何年経っても拭いきれない罪悪感や惨めさがあった。


そんな風に毎日を過ごしていた。


(あー…いっそ死ねたら楽なのに)


そんな馬鹿げた事を思いつつ下校をしていると急に横からキーッ、という音。

横を見れば目の前にはもう車が迫ってきていた。

ハルクは車が迫ってくる様子を呆然と見ていた。


ハルクは意識を手放した。


ーーーーー


目を覚ますと知らない場所に居た。

目の前には見覚えが全くない学校の校舎、見上げれば気味が悪い位に真っ赤な空が何処までも広がっている。

大体冷静でいられるハルクであるが、流石に少し戸惑った。


(ここは、どこだ?)


思考を整理しながら少しずつ頭のパズルピースを当てはめていく。

が、やはり上手く纏まらない。

するといつの間にか目の前にはティーポットを被っている人が立っていた。


「新入生の方ねぇ?」


「…は?」


ハルクは何のことかさっぱりわからなかった。

第一、ティーポットを被っている人なんてコスプレでも見た事が無い、おまけに自分は高校二年生だし、この学校の新入生にもなった覚えはないのに『新入生の方ね?』なんて言われても勿論答えはノーである。


「違います」


「違うわけないでしょお、現にここに居ることが何よりの証じゃなぁい」


「…本当に違います」


「そんな戯言を言ってないでさっさと来てちょおだい、時間がないのよお」


「行きません、わからないところに行ける訳ない」


ハルクはきっぱりと言った。

ティーポットを被っている人と言い合いになってあまりにもらしつこいのでハルクは逃げようとした。

が、逃がすまいというかのように手を掴まれた。

ありえないくらい力強く掴まれている。


(くっそ…!)





これからハルクの運命はどうなっていくのかーーー。


この物語はハルクが中心となり仲間たちと共に描かれていく、愉快で不思議で奇妙な出来事の物語である。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ