日常 ─Selene─
異世界から来た超絶可愛い天才魔法少女、セレネ・オーテム・イシス。
彼女は普段どのように過ごしているのか、気にならないだろうか?
※どうでもいいという意見は却下するので悪しからず
今話では、物語のある一日をリーチ視点で少し紹介しよう。
■□■□■
午前五時。朝日が昇り始める頃
「.........」
は、セレネはまだ寝ている。
だが俺は起きる時間だ。
俺はこの時間から家事に取りかかる。
別にもっと遅くてもいいのだが、まあ早いに越したことはない。
───
洗濯、料理をする姿は、さしずめ主夫。
慣れた手つきでこなし、見ていて心地よい。
量は夏休み前に比べ、倍に増えたが、大したことではない。
鼻歌混じりに楽々と家事を片付けていく。
───
俺の料理は栄養バランス、彩り、味をよく考えて作ってある。
うむ。とても美味そうだ。
その美味しそうな香りにつられ、セレネは目を覚ます。
テーブルに並べられた朝食を前に、腹を鳴らして一言───
「いただきます。」
───と。
このようにして一日は始まる。
朝食を食べ終わった時点での時刻は午前六時半。
登校し始める時間まであと一時間ある。
その間、俺は家事をし、セレネはニュースを見ている。
テレビの前はセレネの特等席だ。家にいる間のほとんどをそこで過ごしている。
最近、その辺りに日用品が集まってきた。所謂要塞化ってやつだ。
粗方家での仕事を終わらせると、登校準備に入る。
俺が着替え始めると、つられてセレネも制服に着替える。
セレネがなんの躊躇いもなく服を脱ぐことに、最初は戸惑ったがもう慣れた。
───七時
セレネは未だにテレビを食い入るように見ている。
俺はというと、ネトゲをしている。
───七時半
登校開始。
学校には八時半までに着けばいいのだが、やはり早く着いておきたいのと、個人的に運動部が朝練をしているのを見るのが好きなのだ。
「リー、やっぱりこんなに早く来る必要ない。」
「別にいいだろ?」
なんだかんだいって、家から学校までは三十分かかる。でもまだ八時なので教室はかなり静かだ。
だが今日はなぜかクロがいる。
「クロ、どうかしたのか?」
「あぁリーチか。ちょうどよかった。宿題学校に忘れてよ。今からやってるんだが、ちょっと難しくてさ。」
「だってさ、セレネ。教えてやれよ。」
「なんとか間に合ったぁ。ありがと。」
「別にいい。暇だった。」
クロの宿題が終わる頃には教室が賑やかになっていた。
午前中の授業が全て終わり、昼食兼昼休みの時間になった。
この学校には食堂があるにも拘わらず、セレネはいつも俺に弁当を注文してくる。
学校のご飯も食べたことはあるのだが、「やっぱりリーのご飯の方が美味しい。」と言っていた。
そのおかげで早起きの必要が出てきて寝不足になりかけている。
朝早く来るのは、その腹いせでもある。
「リ、リー。至急救援を要請する!」
「どしたの?」
だいたいの人が昼食を取り終える頃。
前から走ってくるのは、セレネ。それと高砂夏蓮。
同じクラスの女子。確かバレー部の部長だった。
その二人がどうしたんだろうと思っていると、
「言ってることはわからない。でも、キケン。」
「お、お願い! ちょっとだけだから!」
なるほどわかった。来た瞬間にわかった。
まず、高砂の目がヤバい。
さらに息が荒い。走ってきたからというのもあるのだろうが、それとは別に。
そして頬が微妙に赤い。
つまりこいつは────百合だッ...!
まあ俺は百合はイけない口でもないしな。
ちょっと放っておいてみよう。
「頑張れセレネ☆」
覚えてろよッ!と言いたげなセレネを華麗にスルーして俺は傍観者に徹した。
それは帰り道。
「もう勉強教えない。」
どうやら昼のことで怒っているようだ。
「いいのか?」
いい治め方を思い付いた。
?という吹き出しが似合いそうな顔にこう続ける。
「別に教えてくれなくてもいいけど、その代わり弁当作ってやらないかんな? 授業料のつもりで弁当作ってたけど、そっちがないならこっちもないかんね?」
うぅっとセレネから声が漏れる。
「今の話はなし。なんでもない。」
先に胃袋を掴んでおくと扱いが楽になることを学習した。
帰宅すると、セレネはまずベッドに倒れ込み、そのまま寝てしまう。
いつも三十分程で起きるので放っておく。
制服にシワがつくのでやめてほしいが...
「...」
起きたセレネは、辛うじて扱えるようになったタブレットを使って最近ハマりだしたアニメを見ている。
俺もその後ろでパソコンを使ってアニメを見ている。
夕食のとき、お互いが見たアニメの感想を言い合う。
自分とは異なる意見が聞けて結構楽しい。
その後、風呂に入ったりなんだりして、寝る。
これが一日の流れだ。
いや、さすがに風呂は別に入りますよ?
次回 体育祭 ─sports-week─