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九月の手紙

お兄様へ


先月は大変お世話になりました。やはり故郷は良いものですね。昔の私はあんなに穏やかな生活をしていたのだと驚くほどに平凡な一週間でした。斧が降ってこない、槍が横から出てこない、落とし穴がない……そんな生活があったことを、そんな生活が当たり前なのだということをすっかり忘れていました。

しかし何故でしょうか、そんな生活がどこか物足りなく感じてしまったのは。嫌味を言われない、危険がない、優しく暖かな人に囲まれた生活。それが、物足りなく、仕事に戻ってきて何故だか、これだ、と思ってしまったのは。……私はもしかして世に言う特殊な性癖……エムとかいうやつだったのでしょうか?虐げられて喜ぶそんな性癖を持っていたのでしょうか?お兄様、私自分が怖いです。恐ろしいです。私、どうなってしまうのでしょうか……?

私がこんなに悩んでいるというのに上司は上機嫌です。ええ、それはもうむかつくほどに上機嫌です。そして、いつものように私をトラップに仕掛けては助け、恩着せがましく僕がいて良かったでしょう?とか言ってくるし(何度も言いますが仕掛けているのは上司です)、無理矢理空に連れてかれるし、いちいち苛つくことを言ってくるし!しかも上機嫌な笑顔で!!ああああ!!むかつく!!上司のせいで、こんなことになっているのに!!そしてそんな日常を受け入れている自分が怖いです!!

ああ!私はいったいどうなってしまうのでしょうか!


小鹿のように震えるメアリーより

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