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4話目

 




 あぁ……遂に、遂に入学しました、六花六連学園に。


 そこは私の知ってる学校じゃなかった。

 学校の正門をくぐるとそこはもはやヨーロッパ。校舎は某ファンタジー小説にでてくるような古いお城のような外見で、なんというかすごい、立派すぎて言葉を失う。

まあ内装は外見に合わせながらも、ちゃんと学校になっているからとっても過ごしやすい訳だけど、コソッと言ってみたくなるよね、トイレとかさ

「ウィンガー〇ィアムレ〇ィオーサ」


なんてね。



 学園は都心の丘の上のような所にある。都心でも丘の上にあるからなのか駅からはどんな道をいっても坂を登っていかなくちゃいけない。しかも最寄り駅からは徒歩30分だ。

 まあ徒歩なら嫌だけど私は半強制的に車登校だからあんまり関係ない。

 でも、高等科になると外部から一般家庭の子達も特待生として入ってくる。この子達にはすごい嫌だよね。


 もともと六花六連学園には特待生枠なんてなくて、お嬢様お坊ちゃましか受け入れてなかったから仕方ないっちゃ仕方ないんどけどさ。


 でもその分学園には緑が溢れている。至るところに木、木、木!花、花、花!って感じるくらいには溢れてる。ああ、癒し。


 それにしても、この学園敷地面積いくつあるんだろか。

 敷地内には初等科、中高等科の本校舎の他にトレーニング施設に、体育館が第1から第4まで、屋外プールに屋内プール、格技場プラネタリウム、陸上トラック、テニスコート、野球場、通常グラウンド、その他ちょっとした施設がある。

 これ全部案内されたけど案内が終わるのに2日かかった。



 本校舎の案内はこの後だったんだけど、これまた最新設備がフルに使われてた。


 部屋という部屋に冷暖房完備、教室には更に床暖房までがある。外にもあったのにトレーニングルームあるし、大ホールなんてどこのパーティー会場ですか?って感じだし。


 取り敢えずこの、学園は私の常識を覆して覆して覆した。










 学園は制服までこだわるらしい。私の中では私立の制服ってダサいってイメージだった、しかも小学生だし。

 でもこの学園の制服は世界でも活躍している有名デザイナーがデザインをしたらしく、ものすんごくかわいい。


 初等科は丈が膝上の紺のワンピースタイプで胸を覆うような大きい白いリボンがついている。ワンピースの下の方には白の、ラインがはいっていて更に裾にはレースがついている。かわいい。

 男子の方はシャツの上にダブルボタンの紺のベスト、白いネクタイでズボンは膝くらいまでのキャメルより少し濃いくらいの茶のもの。かわいい。


 中高等科は白のブレザーに黒のラインが入っているものに、中等科はスカートが黒でラインが白。高等科は白のスカートにラインが黒。リボンは普通の大きさになって中等科が臙脂色、高等科が深いブルーになる。おしゃれ。


 男子も女子とかわらない色合いのブレザータイプの制服になる。


 入学前に試着はしたけど、その時前世を思い出したり自分のことを知ってショックだったりでちゃんとみれなかったから改めて思う。めっちゃかわいい!


 私以外のみんなもそう思っているようで、廊下の鏡やトイレに行くたびにさり気なく自分の姿をみては嬉しそうにしていた。


 うんうん。こんなかわいい制服着れて嬉しいよね!私も顔がニマニマしちゃうもん。

 有名デザイナーさんありがとう!


 そしてもう1つ、この六六学園には普通じゃ考えられないシステムがある。

 常識外れが沢山あるこの学園の中で、これが一番特殊かもしれない。




 それは、noblest children―最も高貴な子供達―というシステムだ。



 これはまあマンガとかによくあるやつで、学園の中でとくに家柄がよく、財力のある家の令嬢や子息に与えられるものだ。

 噂によるとその家の血筋までも判定材料にいれているらしい。


 noblest childrenはよくNCか、ノーブレストって省略してよばれる。


 で、ノーブレストはいわば六六の特権階級。


 この人達は何をしたって基本お咎めなし、校則をやぶったって他の子は重い罰が課せられるのに対し、ノーブレストはせいぜい軽い注意程度。

 こんな感じに特別扱いされる。

 そして特権階級同士の触れ合いは大事という理由でノーブレストにはお茶用の温室がある。


 温室は世界中から様々な植物が集まっていて、1年中色とりどりの花を咲かせてくれる。


 とっても綺麗で素敵らしいんだけど初等科はまだここは使えない。

 初等科は初等科校舎の中にある専用の部屋を使う。ここも他と違う豪華な造りになっていて、専属のウェイターが数人控えている。




 ノーブレストの存在は六六では絶対。

 もしこのメンバーを怒らせたり敵にまわしたりなんかしたらその生徒は学園にはいられない。

 追い込んで追い込んで、自主退学させる。

 噂だから本当かどうか定かじゃないけど、こんな噂からか一般生徒は自分からはそうそう近づかない。


 私も出来ればお近づきになりたくない。だって壁と一体になる勢いで周りにとけこむって決意したし……。でも京華はこのノーブレストのメンバーだ。ついでにいうと黒王子と白王子もノーブレスト。


 ノーブレストっていうだけで没落フラグが立っているようにしか感じないよ。はぁ。

 でもこのノーブレストにさせる為にお母様はこの学園に私を入学させたようなものだから辞退なんて絶対に出来ない。


 ノーブレストの発表式は明日だ。


 いやだなー、なりたくないよー。


 はぁ。




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