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☆恐怖の使者G現る――部室がラグナロクだ。

お読みになっていただけると、幸甚の思いです


全員登場! ちょっと長いです。

「っっ、ぅぎゃぅ!あぁっっっっー―――」

 という悲鳴が聞こえた。驚いた、おかげで〈ジト目素直クール〉くぅ子とのジェンガでの勝負に敗北した。いや、今はそんなことはどうでもいい。なんだ?なにが起きた!?

 方向的には〈ツンヘタ部室引きこもり〉ひとせのヒッキー部屋だ。慌てて向かうとすでに〈かっこいい女、たまに男〉白雪(男モード)がすでにいた。部屋をのぞく、相変わらず汚い部屋だ、食べ散らかしたお菓子の袋が散らばり、黒ずんだぐしゃぐしゃの万年布団があり、雑誌のような物が散らばり、床にはケーブルが絡まっている、なんかよくわからないが臭い。中ではパニックに陥っているひとせ(失礼な話だが、部屋と同じように汚い。風呂には何日も入っていないだろうし、服も着替えていないだろう)を白雪がなだめている。

「なにがあったんだ?」

 割と何でもなさそうで落ち着いた僕が聞くと、

「ご、ごきぶりよっ、ごきが、ごきがいたのよー!」

 と、涙目のひとせが答える。ゴキブリか……まあ、命に支障はないだろう。

「どこにいたんだ?」

 と、完全に落ち着いた俺が適当に聞くと、ひとせが脱ぎ捨ててそのままにしたであろう服の山を指さす。服を適当につかんでよけようとする。が、一番上にかわいらしいぱんつがあった。おお、小学生のぱんつ(未洗い)……!

 雑念を捨て服の山をまとめてつかみどける。

 ――いきなり、大量の黒い飛行物体に僕はおそわれた。服をどけると同時に服の下に潜んでいた大量のゴキブリが一斉に飛び立ち、僕を超え部屋の外に向かっていったのだ。

 その後、何事かと入り口で見ていた〈心は女の子〉アキトの顔面に一匹ぶつかった。

「……ゴっ――ふなゃぁ――」

 しばらく制止した後、アキトは気絶した。いつの間にかアキトのそばにいた白雪が受け止め、とりあえずと、ひとせの布団に寝かす。きれい好きなアキトは、起きた時にまたショックを受けるだろう。ごきぶりは部屋中に散っていった。

「きゃぅ~~!」

 〈真面目ドジっ娘〉シロイが慌てて走り逃げようとし、

「きゃうっ」

 と、転け、起き上がり、

「へぅっ」

 また転び、起き上がり、

「にゃっんっ――」

 さらに転けたりして、ぼろぼろになりながらどこかに行った。

 一夜が冷めた目をして、

「ふんっ、たかが虫ごときで、こんなに慌てるなんて――」

 と、言っていたので、

「じゃあ、退治を任せた」

 と言うと、

「えっ――いや……あ、あの生物は、あ、あなたの仲間でしょ!萌儀田君が何とかしなさいよ!」

 一瞬困り慌てた一夜に、やはり罵倒された。

 冷静な白雪に殺虫剤の場所を聞かれ答えたりしながら、部室の様子を見ると、阿鼻叫喚の様を呈していた。


「天誅!」

 と叫びなが、〈正義の味方なファザコン〉とらりが木刀を振り回し、部室の備品を破壊しており。


「ぎゃー」

 と、〈ボクっ娘ボーイッシュ〉マキトが物を毛散らかしながら走り回る。


「虫取りっ!にゃんっ!」

と、〈天真爛漫猫〉ネコミが目を輝かせながら、ごきぶりを捕まえようと、どこからか取り出した虫網を振り回している。ごきぶりを捕まえてどうするつもりだ、ネコミ。


「ごきちゃんって食べられるのか?なのだ」

 と〈頭メルヘン教師〉うららは意味不明なことをほざく。相変わらず何がしたいんだ!うらら教師!?


「あら、部長様の子供達ですか?元気な子達です」

 と、ソファでプラモデルを組み立てながら、〈毒舌オタク〉恋歌が相変わらずの毒舌を吐く。


「くぅ。」

 くぅ子はいつもと変わらないジト目な無表情でジェンガを(一人で)している。


「あー!うるせぇよ!お前ら!ゴキブリがなんだって言うんだ!」

 と、〈タバコ中毒〉チャチャはいつものようにたばこを吸いながら怒鳴る。


「いやぁ、大変だねぇ。結構結構~」

 と、のんびりほほえみながら、〈女装女子〉ひなは慌てている部員の写真を自慢のカメラで撮っている。


「ご、ご、ご……」

 と部屋の隅で〈およびでないゲイ〉ツモルが体育座りで頭を押さえ、びくびくと怯ええている。ツモル、お前男だろ?情けないぞ。


「リスクン!今です!今が、ツモルクンにかっこいいところを見せるチャンスです!」

 と、〈腐&ヲタ地味子〉キョコが眼鏡をきらめかせながら、いらないアドバイスをくれる。僕としてはツモルの好感度は下がって欲しい。


「で、萌儀田。燻蒸剤を見つけたんだが」

 白雪がこちらに来て黒い筒を見せる。ん、クンジョウザイ?なんだそれ?筒をよく見る、ああ、バル●ンのことか。

「おう、サンキュ」

 さすが、白雪だ、頼りになる。いつもにましてイケメンに見える。白雪王子とか呼ばれているだけある。

「使い方を見たところ、いろいろ注意があってさ、みんなに手伝ってもらいたいんだよ」

 とのこと。

「よし、わかった」息を吸い「みんな!殺虫剤が見つかった!落ち着いて僕の話を聞いてくれ!」大声で部員に呼びかける。

 ……どたばた。

 ……どたばた、ぎゃーぎゃー。

「にゃぅ!な、なかなか素早いのっ!」

 どたばた。

「悪即断!」

 どたばた。

「うるせぇんだよおまえら!」

 ぎゃーぎゃー。

「ごきちゃんを殺すなんてひどいなのだ!殺虫罪なのだ!せいぜい食べるなのだ!」

 ぎゃーぎゃー。

「むふっ、そういえば~今ならアキトちゃんのぱんつを脱がすチャンスぅ!」

 ぎゃーぎゃー。

「っは、あたしとしたことがナマモノはだめです……。栗積は封印です」

 僕が声をかけても何人かは気がついたが、ほとんど騒ぎが収まらない。って、ひな!?何をしようとしている!?それはだめだ!

「だめだね」

 白雪が告げる、ひなについてではなく現状についてだろう。

「だめだな」

 僕も答える。

「シロイの〈モエルン〉の出番じゃないか?」

 と、白雪に言われてはっ、と気がついた僕はシロイを探しに行く。


 しばらく後、風呂場に倒れているシロイをやっと見つけた。何があってこんなところにいるのだろう?

「も、もえぎたくぅん……ぅ」

 上から見下ろしていた僕を倒れながらシロイが見つめる。傷だらけな顔、朱に染まった頬、おびえた表情に潤んだ瞳の上目遣い――萌える!

 僕の魅了〈モエルン〉発動→僕の〈モエルン〉によってシロイが萌える→シロイの〈モエルン〉が発動!

 シロイの〈モエルン〉は周辺にいる人間の心を癒す〈モエルン〉!

 その後、シロイのモエルンによって落ち着いた部員達とともに、準備をし、燻蒸剤をつかい、ゴキブリを退治した。

 今回のMVPは白雪。

 諸悪の根源はひとせ。


■コメント

 ひとせのヒッキー部屋は泣き叫ぶ主を無視し、徹底的に掃除された。――萌儀田


 ひとせの部屋がぁ、ひどいよぅ――ひとせ


 やっぱり主人公の白雪王子はさすがです。そう思うですよね?脇役Aの部長様?――恋歌


 ゴキを一匹捕まえたよっ!――ねこにゃん


 食べてみるのだ!――うららてんてー


お読み下さりまして、誠にありがとうございました。

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