☆地の文章を読む〈メタ女王〉春一夜。
読者様、ようこそ。
今回はツンデレ(春一夜)のお話。
僕が珍しく机で勉強していた時の話。その机に座って僕を見下ろしていた一夜が話しかけてきた。
「ねぇ、三つ編み」
……勉強中。
……宿題中。
「ねぇ、三つ編み。聞きなさいよ」
「……三つ編みって僕のことか?」
紙に走らせていたシャーペンの動きを止め聞く。
「そうよ」
「なぜ、いきなり呼び名が『三つ編み』になっているんだ?」
僕の外見はヒミツな設定なんだぞ。
「そうよ。↑のようなことを書いてあるみたいだから、わざとそうしたのよ。ちなみ、用はないわ」
「会話で『↑』とか使うなよ!てか、用ないのかよ!」
一夜の説明をしよう。フルネームは春一夜。彼女を一言で表すなら〈メタ女王〉だ。一夜の〈モエルン〉は地の文章を読む能力だ。メタ過ぎる。女王についてだが、中等部二年だが僕を見下してくるうえ、ツン(デレなし)でサディステックである。外見はたとえるなら水墨画で描いた美少女画。純日本風のストレートの黒髪に白皙の肌。和風顔だがとても栄えている。身長は中学生としては高く体型も大人びている。服装は着物を着ていることも多いが、基本的に黒い服を好む。
「『白皙の肌』は重複表現よ」
「地の文章を読むな!」
心を読まれているようなものだ。おちおちエロいことも考えられない。
「まず気になることがそれとは、とんだ性欲の奴隷ね」
上から見下ろす一夜お得意の目線でさげすまれる。やっかいな〈モエルン〉だ――ん。
「〈モエルン〉が発動しているということは、お前は今萌えているんだよな?」
しかも、僕の〈モエルン〉による強制発動ではなく。
「っ……あなたの勉強に苦しむ姿を嘲笑っていただけよ」
一瞬、間が開いた後そう答える。顔が若干紅く染まっている。つまり、いつも不真面目な僕が、珍しく真剣な顔をしていたのに萌えたと。
「ばっ……、み、三つ編みのくせに!心を読むんじゃないわよ!」
「お前には言われたくない!」
■コメント
僕の髪型のついては書き換えて部誌に書いた。――萌儀田
あなたが『丸刈り』と書いたところを『三つ編み』に直しておいたわよ。何でそんなに外見をヒミツにしたがるのかしら?――一夜さま
読者様は神さまです。