☆読書日より、だが変な本は読むな。
ご覧いただけまして、大変うれしいです。
今回の話では「ひきこもりのロリ(薔薇色ひとせ)」と「素直クール(閻魔くぅ子」+αが出ます。
今日は僕の周りで読書をしている人が多い。僕も読書をしていたが目が疲れたので休憩することにした。ちなみに僕が読んでいた小説は〈AIじゃない、アイをくれ。」というハーレム小説だ。で、他の人が読んでいる本を聞いてみる。
珍しくリビングにいる〈ツンへた部室引きこもり〉ひとせにまず聞いて見ると。
「終末系ワールドローズ・オンラインのオフシャルガイドブックよ」
予想通りの本を読んでいるな。
「面白いか?」
「ダメね。基本システムとか髪型一覧とかはまだいいけど。能力値とかはバージョンアップによって数値が変化しているので役に立たないわ。クエストの情報はネットの方が当然充実しているわ」
「なんで読んでいるんだ?」
「サーバーメンテナンスでゲームが出来なくて暇なのよ」
ゲームに関連した行動しかしない子だ。
次、メガネをきらめかせ熱心読書しているキョコの方に目を向ける。男と男が抱き合っている表紙が見た。いつものやつを読んでいる様だ、スルーし次の人を見る。
珍しく雑誌を読んでいる〈ボクっ娘ボーイッシュ〉マキトにどんな本を読んでいるのかを聞いてみた。隣に大量に積んである雑誌も気になる。
「ファッション雑誌だよ」
「ん、めずらしいな、以外だ」
「ボクだって女の子なんだから服ぐらい気にするヨ」
少し拗ねた様に言う。だが僕はアキトがスカートを履いている姿を見たことがない。
「いきなり大量の雑誌を買ったな」
「ん、これは全部アキトから借りたんだよ。ボクは適当な一冊で良かったんだけど、アキトが大量に貸してくれたんだヨ」
マキトが雑誌をテーブルの上に並べる。アキトはまだ説明していない部員だが、マキトの妹(?)だ。一言でいうとかわいい娘だ(部員のほとんどがそうだけど)。カッコハテナがついているのは気にするな。
「全部違う雑誌だな。よくこんなに買ったもんだ」
笹木家は金持ちだからな。
「ボクとしてはどの雑誌も同じに見えるし、服の種類もよくわからないんだけどね」
靴にはこだわるんだけどなぁ。とつぶやいている。話を切り上げる。
最後に〈ジト目素直クール〉くぅ子がジト目で無表情に読んでいる本は〈本当に気持ちいいセ――
「何を読んでいるんだ!」
くぅ子から本を取り上げる。
「くぅ?見てわかる?〈本当に気持ちいいセ■■■〉」
「無表情で何を言っている!高一の処女が何を読んでいる!」
「それは〈本当に――」
「言うなよ!」
「あなたもこう言うの好きでしょ?いつも萌えとか萌えとか言う、それがあなた」
小首をかしげるくぅ子。
「わかっていない!萌えと性欲を一緒にするな!萌えとは至高たる存在。人間の愛から生まれる感情、愛の心を土に愛するものから水を与えられ芽吹く、小さいけれど愛おしい新芽のようなもの。可愛いものを太陽に寒い心に萌えいずる希望の葉。論理的に言うなら、対象に広く浅く感じる感情を「好き」だとすると、「萌え」は深く狭く感じる感情であり――」
「簡単に言うと性欲」
くぅ子が無表情でポツリとつぶやく。
「違う!違うんだ萌えとは――」
「大丈夫。あなたが性欲で私を求めているのだとしても、私があなたを好きだと言う気持ちは変わらない。だから、落ち着いて」
萌える!……落ち着いた。だが、くぅ子には萌えがなんたるか伝わっていない様な気がする。
「……ところで、なぜにこんな本を読んでいたんだ?」
他の男でもいるのかっ!
「くぅ。本、読みたくなって、適当に選ぶ時にネット通販のサイト売り上げランキングの一位」
「そんな、理由なのか!?」
■コメント
その後、部室の本棚にその本は置いてある。――萌儀田
そんな本、置かないでください!びっくりしましたよ!触りたくもありませんでしたが、捨てておきました!――満丸白衣です
エロ本じゃないし、そんな毛嫌いするもんじゃないけどね。ゴミ箱からサルベージしておいたよ。――ひな
どういう本なのかしら?――ひとせ
ひとせちゃんにはまだ早いと思うぞ。――ヒカルシラユキ
ありがとうございました。