☆部室に閉じ込められ、部室引きこもりなロリと一夜を明かす。
興味を持っていただき感謝です。
今回の話ではひきこもりなロリがでます、
気がつくと夜の部室だった。僕がなんで夜の部室で、床に倒れていたのかはわからない(後に思い出し部誌にそのことも書いた)。とりあえず帰ろうと、出口の扉に手をかけ引く――がちゃがちゃ。鍵がかかっている。ほかのドアも調べたが施錠済み。鍵は内側から開かない。なぜだ!欠陥住宅じゃないか。てか、みんな、僕が居たことは知っていたでしょ、閉じ込めないで!
まあ、いいかハーレム部の部室は一般庶民の家より広く(学校の一階をほぼすべて占拠)、生活に必要な物はすべて揃っている。本当に出ようとすれば携帯電話で助けが呼べるし、窓から外に出ることも出来るけど、まあ、たまには部室で過ごしても良いだろう。部室にはベッドもある。
ベッドに向かい歩いていると、途中に明かりが漏れている部屋を見つけた。ここは薔薇色人生の部屋だ。ぱっと見、意味が分からないかもしれないが、薔薇色人生は、ばらいろ・ひとせ。という美幼女の名前だ。ひとせちゃんは部室に引きこもって外出しない部室引きこもりだ。
扉に書いてある「ゲーム中、開けるな!」を無視し扉を開ける。「ゲーム中、開けるな!」と書いたプレートがあるのではなく、直接扉に書いてあるところが、ゲームをやめる気が一切ないことを現している。
狭い部屋の中には一台のパソコンと、ゲームパッドを握りしめ黙々とMMOゲームをしているひとせ。ひとせは初等部五年のロリだ。顔はとても愛らしく、デフォルメの強いほっぺがぷにっとした萌え絵の様だ。だが、全く手入れのされていないぐしゃぐしゃぼさぼさな髪。邪魔な前髪を全頭にゴムで結ぶだけの、適当な髪型。無骨なヘッドフォン。何日も洗っていないであろう薄汚れた、だぶだぶTシャツ。下はスパッツ(まあ、そこは良い)。本人も微妙に臭う。という美意識のなさによって若干霞んでいる。よく見れば部屋も物が散らばりまくっている。
ひとせは僕が入っていることには気がついているだろうが、無視してゲームを続けている。
「こんばんは、久しぶりだね」
……。
……。
無視された。いや、ヘッドフォンのせいでやっぱり気がついていないのか?
「ひとせちゃんはかわいいね」
「今度かわいい服、買ってあげようか?」
「ゲームのコツを今度教えてくれない?」
話し続ける。
「うるさいわ!今、私はゲームをしているのよ!見て分からないのかしら?」
ヘッドフォンを外しパソコンから線を抜いた後、振り向きもせず怒られた。パソコンから激しい戦闘音が聞こえる。あれ、ひとせに僕の魅了〈モエルン〉あんまり聞いてなくない?最近会っていなかったせいか?
「まあ、一度ポーズでもかけて」
「これはMMOよ、無理ね。私が抜けるとパーティのみんなに迷惑をかけてしまうわ」
さすがネトゲ廃人。
「次にいつ頃キリがつくんだい?」
「そんなの、わからないわよ。私といちゃいちゃしたいなら、黙って一時間でも二時間でも待っていたらいいんじゃないの?」
「ゲームやめろってんだよ!電源抜くぞコラ」
少し強く言う。ちなみに、本気でキレれているわけではない。
「ひ、ひぅっ。べ、別にひとせ、逆らうつもりじゃなくて、そ、そんな怒んなくても……。ひとせ、悪気なんてなかったもん!ゲームなんだもん、やめられないもんっ!」
急に怯えおどおど、きょどきょどになるひとせ。振り向いてはいないが、ゲームを操作する指は止まっている。ひとせは普段はツンツンしているけれど、根はへたれな〈ツンへた〉だ、僕が名付けた。ああ、萌える。魅了〈モエルン〉が発動。
「ああ、ごめん、強く言いすぎた。ゲームの邪魔して悪かった。出て行くよ」
魅了〈モエルン〉が発動中。
「しょ、しょうがないわね。出来るだけ早くやめるから待っていてくれる?」
その後、ひとせといちゃいちゃと格闘ゲームをした。MMO以外は専門外と言いながらも、二百戦以上やりすべて僕が負けた。
■コメント
目が痛い、指が痛い、首と肩がこった、眠い。――萌儀田
そして、昼に寝ていた萌儀田君の顔に落書きしたのは私よ。――一夜さま
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