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第三十九話 『好敵手』対『師』

マスターのリアルではっきりとした戦闘シーンって、

これ最初でしたっけ?

 「なるほど。

こやつが『跳躍者ジャンパー』の言うところのマスターか。

『世界を纏めし四人』でも無ければ、悪魔でも無い。

しかし普通の人間とも言い難い力。

……興味があるな」


「それはどうも。君は、悪魔……で良いのか?」


「ああ。我は『悪魔の王』であるディアボロスと言う。

して、『跳躍者ジャンパー』は強く鍛えているか?」


「アイの事ですか。

まあ、あいつは凄いですよ。もう自分のオリジナルの魔法を考えたらしく」


「そうかそうか。それは楽しみだ!」


マスターと『悪魔の王ディアボロス』は、

俺とマスターと妹が住んでいる家の庭にある、

ティータイムの時に使う木の椅子に座ってマスターと世間話、もとい俺の話をする。


「っておい! 何でそんな友好関係築いてんの!?」


思いっきり紅茶を飲みながら、

この街の戦力代表みたいなマスターが悪魔と談笑って、シュールだ。めっちゃシュールだ!


あ、因みに言うととっくに家に帰ってきた。

ギルドに行き、俺と妹のギルドカードには、

『男爵級悪魔討伐・・』の記録が記され、更に妹は一気にEからBに上がった。

俺は変わりないが。


それと、『悪魔討伐・・』というのは滅多にできるものでは無く、

悪魔の殺し方も全く不明になっているらしい。

その『撃退』という依頼を『討伐』という形で達成したので、

ギルド本部から依頼料の更に二倍近くを貰った。


これで金も稼げて一件落着。


しかし家に戻れば、

なんと『悪魔の王ディアボロス』とマスターが談笑しているではないか!

さっき見た時は驚きすぎたよ。


しかし、マスター曰く、「この悪魔の王は人間には危害を加えない、常識と理念をもった悪魔だ」

との事で、やはりマスターも気にしていないようだ。


「では、一戦やりますか?」


「ほう。人間の身にして悪魔の王に勝負をかけるとは!

面白い! その勝負乗った!」


「え? はい?

え、ちょっ! なんでそんなんに為ってんのさ!」


「アイ兄の言うとおりだ! 何でまた戦いなんて!」


するとマスターは手を肩まで上げて、ヤレヤレと首を振る。

そして『悪魔の王ディアボロス』は、


「安心しろ。この街の人間や建物には一切被害を与えないし、

万が一も無くとも、我はお前ら以外の人間は殺さん」


「そうだぞアイ。それに私ももうそろそろ訛ってきてしまっているからな。

偶にはこういうのも良いかと思ってな」


「まあ、マスターとやらも同意しているのだよ。

地下があると聞いた。そこでろう」


「ああ。では着いて来てくれ」


マスターは『悪魔の王ディアボロス』と一緒に地下の部屋に向かってしまう。


「おいおいおいおいおい! いくら緊急転移魔法があるからって、

あの二人がバトるとやばいッて流石に!

よし、アリア!」


「な、何ッ!?」


いつもと違う様子に妹が驚く。


「もしもの為に俺達も逝くぞ!

……違う! 行くぞ!」


「あ、ああ!」


地下の部屋に急いで向かう。


そして地下の部屋に着いて、

その扉を開けた瞬間、


「グッ!」


「うわっ!」


突風が吹いてきた。

続いて聞こえるマスターの詠唱。


「風の精霊、我に答えよ! そして風塵を散らせ、その身を天に飛ばせ! 


『ミストラル・ダウンバースト』!」


瞬間、下から上にかけて突風が吹き、『悪魔の王ディアボロス』が浮きあげられたと思うと、

さっきの何倍も強い風が上から下に吹き、アイツの体を地面に叩きつける。


「ぬぅッ! まだまだだ!

現世に存在する根源に宿りし全ての闇よ! 我、悪魔の王に従い、敵をとざせ!


『ブラック・コフィン』!」


瞬間、マスターの四方八方から黒い闇でできた、

ギロチンの刃のような鋭い刃物の壁が、マスター視認できなくなるくらいに、

文字通り、閉ざした。


そして直ぐにそれが開かれる。

中からは血まみれのマスターがでてくる。

しかし、


「ぐっ、まだまだぁ!」


マスターは直ぐに体勢を元に戻し、戦闘の準備に入る。


その率直な感想。

妹と俺は同時に、


「「凄い…………」」


呟いていた。

COFFIN→棺

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